
東雲蓮と美咲はどんな家に住んでいる?|契約夫婦が暮らす港区最上階ペントハウス
こんにちは、月城ゆきです。
『東雲ホールディングスの男たち』第1巻では、契約結婚をした東雲蓮と橘美咲が、同じマンションで暮らし始めます。
作中では、
「港区の高層マンション」
「最上階のペントハウス」
「窓から東京タワーが見える」
といったことは書いているものの、家全体がどんな造りなのかまではほとんど説明していません。
そこでこの記事では、二人が暮らしている家を紹介していきます。
「社長が住む億ション」って、どんな家だろう?
実はこの家を考えるとき、最初は東京のいわゆる「億ション」を調べました。
私自身、億ションなんて足を踏み入れたことがないので、日本屈指の巨大企業の社長が住んでいそうな高級マンションの間取りや内装を調べてみたんです。
ところが――。
思っていたより、現実的。
もちろん十分すぎるほど豪華なんですが、小説の中で蓮が暮らす家として見ると、どうしても少し物足りなく感じてしまいました。
それもそのはずで、本当に桁違いの富裕層が住む住戸なんて、そもそも一般向けに細かな間取りや室内写真が公開されていないものも多いそうなんです。
庶民が簡単に覗ける世界には限界がありました(笑)。
そこで、実在する日本の高級マンションをそのままモデルにするのはやめて、代わりに思い出したのが、昔ドバイで見た超高層住宅です。
高い天井に、大きなガラス窓。そして街を一望する圧倒的な開放感。
あの雰囲気を取り入れながら、
東雲ホールディングスの不動産事業本部が開発した、自社の社長も住める最高級レジデンス
というところから考え直しました。

蓮が住むのは、東雲HDが開発した40階建てのタワーレジデンス
場所は、港区。
芝公園から東麻布あたりの、東京タワーに近い一角をイメージしています。
地上40階建ての、ガラスとスチールを基調にした、細身の超高層レジデンスです。
蓮が所有しているのは、居住フロア最上部となる40階のペントハウス。
40階はワンフロア一戸で、約300㎡。
作中では明言していませんが、設定ではこの建物自体を東雲ホールディングスの不動産事業本部が開発した物件としています。
つまり蓮は、自社グループが開発した最高級レジデンスの最上階に住んでいるということになります。
なんだかいかにも東雲蓮らしい気がします。

最上階は、ワンフロア一戸
蓮は、自宅に派手なパーティールームや巨大なプールを作って喜ぶような人ではありません。
必要なものは最高品質で揃えるけれど、必要以上のものはいらない。
そんな人物なので、最上階約300㎡、ワンフロア一戸くらいをイメージしました。
日本屈指の企業グループ社長の家として考えると、むしろ少し控えめかもしれません。
実際、東京にはこれよりずっと広く、桁違いの価格がつく超高級住戸も存在するようです。
ただ、私が調べた範囲では「40階建ての最上階を完全に一戸で使う」という物件はなかなか見つけられず。
本当に存在しないのか。
それとも、私たちには見えないところに存在しているのか。
……きっと答えは、後者。
世界は広い…。
間取りはこんな感じ

第1巻の後半に、蓮が美咲の部屋のドアの前で立ち止まる場面があります。
ノックもせず、声もかけず、ただ扉一枚を隔てて立っているシーンなんですが、実はこの家の間取りでは、蓮の部屋から美咲の部屋の前を通ることはありません。
なぜなら、二人の部屋は玄関を挟んで家の反対側にあるからです。
つまりあの夜、蓮は「たまたま通りかかった」のではなく、わざわざ美咲の部屋まで歩いてきたことになるんです。

家の中心は、約40畳のLDK
一番大きな空間が、約40畳のLDKです。大きな窓に面したリビングとダイニング、その一角にアイランドキッチン。
豪華な主寝室よりも、東京タワーの景色よりも、私がこの家でいちばん大切にしたのはこの場所でした。
なぜなら、第1巻で二人の関係が動く瞬間は、ほとんどがここで起きるからです。
同居初日の夜、美咲が冷蔵庫の残り物で作ったパスタに、蓮がぽつりと「うまいな」と言ったのも。
朝六時過ぎ、美咲が淹れた深煎りのコーヒーを、蓮が窓の外を見ながら黙って飲むのも。
残業で遅くなった夜、美咲が帰ると、キッチンのカウンターに二人分のポトフがラップをかけて置いてあるのも。
「お前を待っていたわけじゃない」と、聞いてもいない言い訳をする蓮も。
全部、このLDKで起こった出来事です。
会社では「社長と秘書」でしかなかった二人が、同じテーブルで同じものを食べるうちに、少しずつただの男女になっていく。
そんな場所として書きました。

美咲には「自分の部屋」がある
引っ越し前夜、美咲は学生時代から住んでいる木造のワンルームで荷造りをしています。
少し傾いた床に、建付けの悪いサッシ。六畳の部屋の隅に積まれた段ボールは、たった三箱でした。
その翌朝、蓮に案内されて開けたドアの先にあったのが、約12畳の寝室です。
ダブルベッドに大きなクローゼット、そして窓の向こうには東京タワー。
「……これ、全部私の部屋ですか」
「そうだ」
「広すぎませんか」
「俺の部屋よりは小さい」
段ボール三箱の女性と、それを当たり前の顔で受け流す男。
二人の金銭感覚の差を、この短いやりとりにぎゅっと詰めたつもりです。
契約書で決められたのは「同居」まで。「寝室は別にする」というのは、署名の前に蓮が口頭で約束したことでした。
だからこの部屋は、美咲が「妻」の役を降りて、一人に戻れる唯一の場所でもあります。
ちなみに作中では書いていませんが、この家にはもう一部屋、空いている部屋があります。
蓮がそちらではなく、東京タワーの見えるこの部屋を美咲に充てたのは――たぶん、本人に聞いても「たまたまだ」としか言わないと思います。

蓮の主寝室は約20畳
玄関を挟んで美咲の部屋と反対側、廊下の突き当たりにあるのが蓮の主寝室です。
約20畳の寝室に、ウォークインクローゼット、専用トイレ、ビューバス付きの浴室・洗面。
装飾はほとんどなく、ホテルのスイートよりもさらに静かな部屋をイメージしています。
契約結婚の前、蓮にとってここは、寝て、シャワーを浴びて、着替えるだけの場所でした。
同居して最初の平日の朝、六時十五分。
美咲がキッチンでコーヒーを淹れていると、蓮がリビングに現れます。
白いワイシャツは完璧に着こなしているのに、髪にはまだシャワーの湿り気が残っている。
起きて、浴室でシャワーを浴びて、クローゼットで着替えて、寝室のドアを開ける。
美咲が見ることのないその数十分を、蓮はこの部屋の中だけで済ませてから出てきます。
美咲が初めて見る「会社の外の社長」は、いつもこのドアの向こうから現れるんです。

そして、蓮には書斎がある
寝室とは別に、蓮専用の書斎もあります。
この人は、休日も仕事をしているので、これは絶対に必要な設定でした。
引っ越し翌日の日曜日。
さすがに休日くらいはゆっくり寝ているだろうと、美咲が七時前にそっと部屋を出ると、書斎のドアはもう閉まっていて、中からキーボードの音が聞こえてきます。
キッチンには、蓮が自分で淹れたらしいエスプレッソの匂いだけが残っている。
美咲がおそるおそるノックして「何か作りますか」と聞くと、ドアの隙間から「適当なものでいい」。
トーストとスクランブルエッグを無言で平らげて、「悪くない」とだけ言って、また書斎へ戻っていく。
会社では、美咲が朝七時に出社すると、社長室にはもう灯りがついていました。
家に帰っても、それは変わらなかったんです。
この書斎は、そんな蓮にとって自宅の中の「小さな社長室」のような場所として描いています。

東京タワーは、すぐそこにある
この家のもうひとつの主役が、東京タワーです。
40階建ての最上階は、高さおよそ140メートル。
東京タワーのメインデッキが約150メートルなので、遠くから見下ろすのではなく、ほぼ同じ目線の高さで、すぐ近くにタワーが立っている景色になります。
昼間は、青空を背にした赤と白の鉄骨。
夜になると、ライトアップされたタワーのてっぺんで、赤い光が静かに明滅します。
実はこの東京タワー、第1巻では美咲の気持ちが動くたびに、窓の向こうに現れています。
引っ越してきた日、与えられた部屋の真ん中で立ち尽くす美咲の前に。
婚姻届が受理された夜、左手の指輪にそっと触れる美咲の部屋に、カーテンの隙間から。
そして、誰にも言えない気持ちを抱えて眠れない夜にも、その赤い光はずっと窓の外で明滅しています。
東京タワーは美咲のいちばん近くで、彼女を見守っていた存在だったのかもしれません。
第1巻を読み返すときは、ぜひ窓の外の東京タワーにも少し注目してみてください。

建物そのものも、かなり特別
引っ越しの朝、美咲が指定された住所に着いて、思わず見上げたのが、空に向かって伸びるガラスとスチールの塔でした。
大理石張りのエントランスに、制服姿のコンシェルジュ。
段ボール三箱で越してきた美咲は、「場違いだ」と思います。
実はこの建物、居住者用の地下駐車場があり、蓮のハイヤーはいつも地下から出入りしています。
なので、彼が地上のエントランスを通ることは、ほとんどありません。
でもこの日、蓮はエントランスで美咲を待っていました。
スーツではなく、黒のシャツに細身のパンツという、美咲が初めて見るオフの姿で。
作中では何も説明していませんが、実はこの時、蓮はわざわざ下まで降りてきていたんです。
最上階へ向かうエレベーターは、セキュリティカードがなければ止まりません。
共用部にはラウンジやフィットネスもありますが、たぶん蓮はほとんど使わないと思います。
仕事が終われば部屋に帰り、休日も書斎で仕事をする。
建物は豪華でも、暮らし方そのものは意外と地味。それが東雲蓮という人なんです。

ところで、この家は誰が掃除しているの?
300㎡の家を、仕事人間の蓮が自分で掃除しているとは、さすがに思えません。
実は作中にも、ちょっとしたヒントがあります。
同居初日の夜、美咲が夕食を作ろうと冷蔵庫を開けると、最低限の食材が揃っていました。
美咲は「どうやら誰かが事前に用意しておいたらしい」と思ったように作中では表現しましたが、蓮が自分でスーパーに行ったとは考えにくいですよね。
設定では、蓮が独身時代から頼んでいる、口の堅いベテランのハウスキーパーが一人だけいます。
ただ、この結婚は契約結婚です。
家に他人が出入りすれば、夫婦の寝室が別々なことも、浴室まで別なことも見えてしまいます。
蓮は作中で「祖父は疑り深い。身辺調査が入っている可能性もある」と言っているほどなので、同居を機に新しい業者を入れることはせず、長年信頼しているその人だけに任せることにしました。
そして、美咲の部屋は美咲が自分で掃除しています。
段ボール三箱で越してきた美咲は、他人に自分の部屋を任せることに慣れていません。それに、契約の妻という立場で「私の部屋もお願いします」と頼むのは、どうにも気が引ける。
共有スペースと蓮の部屋はハウスキーパーに、自分の部屋は自分で。
それが、美咲なりの線引きです。
ちなみにこのハウスキーパー、二人の関係が変わっていくのに、もしかしたら誰よりも早く気づいていたかもしれません。

豪華なのに、二人の生活は意外と普通
300㎡のペントハウス。東京タワーを望む大きな窓。カードがなければ止まらないエレベーター。地下から出入りする社長のハイヤー。
文字にすると、とんでもなく豪華です。
でも、この家で起きることは、案外普通です。
朝ごはんを作って、コーヒーを飲んで、ソファで少し話して、書斎から聞こえるキーボードの音を聞く。
契約で始まった二人にとって、この家は最初から「愛の巣」だったわけではありません。
むしろ最初は、一年間だけ一緒に暮らすための、広すぎる仕事場のような場所でした。
同居初日の美咲にとって、ここは「社長のマンション」でした。
それがエピローグでは、朝のキッチンで、こう思うようになっています。
私の家の、私のキッチンで、私の淹れたコーヒーを飲んでいる。
その変化が、第1巻でいちばん書きたかったことのひとつです。

会社では見えない東雲蓮がいる場所
50階の社長室にいる蓮は、東雲ホールディングスのトップです。隙がなく、合理的で、誰にも感情を見せない。
でも同居初日の夜、美咲の作ったパスタを前に、「いただきます」を言うべきか迷っている美咲より先に、蓮は静かに「いただきます」と言います。
この人は食事の挨拶なんてしない人だと、美咲は三年間思い込んでいました。
蓮の口癖の「好きにしろ」も、最初の美咲には、食べるのか食べないのかすら分かりません。
それが物語の終わりには、ちゃんと「ありがとう」の意味だと分かるようになっています。
この家は、美咲が「東雲ホールディングスの社長」ではない東雲蓮を、ひとつずつ知っていく場所です。
次に第1巻を読んでいただくときには、「今、この二人はこの部屋にいるんだな」と、間取りを少し思い出してもらえたら嬉しいです。

あなたなら、この家のどの部屋を一度のぞいてみたいですか?
東京タワーの見える美咲の部屋か、休日もキーボードの音が聞こえる蓮の書斎か。
よかったらコメントで教えてください!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
今回ご紹介した家で、蓮と美咲の一年間の契約結婚は始まります。
まだ本編を読んでいない方も、すでに読んでくださった方も、次に第1巻を開くときには、ぜひ二人が暮らす部屋の位置や、窓の向こうの東京タワーを少し思い出してみてください。
きっと、これまでとは少し違って見える場面があると思います。
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