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バート・ハルツブルクの森にひっそりと佇むタウトの作品エッターハウス

    バート・ハルツブルクの森にひっそりと佇むエッターハウスは、1909年から1910年にかけて建てられたシーメンス社員のための療養施設であり、建築家として独立したばかりのブルーノ・タウトの最初期の本格的作品である。依頼主はシーメンス家のヘルタ・フォン・ジーメンス。タウトはフランツ・ホフマンと協働し、自然の中で心身を癒やす場を構想した。

    建物はハルツ山地の風景に静かに溶け込み、地元の石灰岩による重厚な基壇と、伝統的な勾配屋根や木造的要素が調和している。その佇まいは素朴でありながら、後年のタウト作品に見られる色彩感覚や造形への志向をかすかに予感させる。ここにはすでに、自然との共生、地域素材の尊重、そして人間の快適さへの細やかな配慮という思想が息づいている。

    のちにベルリンの大規模住宅団地で世界的評価を得るタウトにとって、この建築は出発点にほかならない。風景に寄り添う静謐な外観の奥には、やがてモダニズムへと展開していく理念の萌芽が潜んでいるのである。

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