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Photo bysayonaraba

塩鮭がしょっぱいのは


    今頃夫は、近くにいるのだろうか。


    仕事の後、いそいそとお盆の準備をした。
    昔ながらの準備ではないので、ささっと済ませ、最後にお線香をあげた。



    大学・高校生息子たちとちょこちょこ夫の話をする。


    昔。
    夕飯時だったか、家族の雑談の途中で夫が言った。

    「塩鮭がしょっぱいのは、生きているときに
    海を泳いでいるからなんだぜ」


    当時今より幼い息子たちを、夫がまたからかっているのかと思い、私は笑いながら

    「海で泳いでる魚がみんなしょっぱかったら、刺身やお寿司にできないじゃん」

    と笑ってツッコミをいれると、夫は真剣な顔をして黙っていた。

    その表情を見て、冗談ではなかったようだと悟った。



    今思えば、この頃の夫は病で脳にダメージを受け、後遺症が残った状態だったので、その影響で本気で言っていたのかもしれない。

    夫はそれ以上何も言わずに、自分の部屋に戻っていってしまった。


    あー。

    やってしまった。

    そう思った。





    いい思い出もあったはずなのに、
    最近思い浮かぶのはこういうエピソードが多い。

    自分が夫を傷つけてしまったことや、
    夫に言われて自分が傷ついたこと。


    息子たちは
    「何言ってるんだ、父さんは」と笑ったり
    「もう思い出さなくていいよ」と言う。


    忘れたいような、
    忘れてはいけないような気持ちになる。


    1周回って
    仏壇に塩鮭もお供えするか。





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    日常のクスッと 時々ホロッと たまにモヤっと 高校大学生息子と暮らす40代会社員 ユーモアを大切に子育てしてきた息子らとのエピソードや、日記・エッセイもど記を書いてます ★固定記事:およそ月替わりで過去記事紹介中 ★記事内文章・エピソードの無断転載や模倣はご遠慮ください

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