
90年代頃の感性的な映画13選
古い映画を観るのが好きだ。今と違う世界観が表現されてるから新鮮だし、昔の人の暮らしや思考が垣間見えるのもおもしろい。
特に90年代頃の映画は、映像や表現も美しく浪漫的なものが多くて好きだ。
そこで90年代~2000年代初頭のおすすめな(というか私が好きな)感性映画を列挙してみる。順不同。
1.『水の中の八月』(1995) 石井岳龍

ニューエイジ系というのかな、観念的で神秘的な作品。水の場面がたくさんあるので全体を通して浮遊感がある。夏のプールに行った後の気怠さや、水族館に行った時のような静謐さがあって、ゆらゆらした感覚になる。あと、セーラームーンとかぼく地球好きな人はきっと好き。
2.『SURVIVE STYLE5+』(2004) 関口現

私の中でナンバーワンおしゃれ映画。浅野忠信主演ものに間違いは無い。はちゃめちゃシュールな喜劇かつお洒落が極まってて圧倒される美がある。全場面ポスターにして飾りたいし、最後の場面がハッとするような美しさでずっと脳裏に焼き付いてる。
3.『Focus』(1996) 井坂聡

初めて観た時あまりに衝撃的で唖然としてしまったのを覚えている。浅野忠信主演ものにやっぱり間違いは無い。ちょっと胸糞系のサスペンスなんだけど、こんなに胸がドキドキしてのめり込んで、まるで自分事のように観てしまうような映画は後にも先にもこれだけ。
4.『あの頃ペニー・レインと』(2000) Cameron Crowe

なにかが始まりそうなあの淡い期待と胸のときめきを感じさせてくれる。夏の夜の甘い空気と夜空に咲く花火の幻惑的な光、そして花火が散った後の寂しさみたいな。そんなひと夏の夜の夢のごとし映画。
5.『たまたま』(2011) 小松真弓

子どもの頃に憧れた「どこか遠い世界のお話」を映像にしたような、不思議でかわいくて幻想的な世界観。透き通る清水のような静謐さと、晩秋のような少しの寂しさが感じられる。だけど観終わるとじんわり心が温まってて、また明日も頑張ろうと思える。
6.『メゾン・ド・ヒミコ』(2005) 犬童一心

人の孤独な心に寄り添う優しい風のような爽やかな作品。木枯らしみたいな冷たい風もあれば、頬を撫でる優しい涼風もある。人間関係も同じようなもの。ただ流れて行き交う風のようなもの。
7.『そして人生はつづく』(1992) Abbas Kiarostami

キアロスタミの作品はいいぞー、なんたってイランの小津安二郎だもの。人々が積み重ねる淡々とした日々を撮った当作品。悲しいことも不条理なこともあるけれど、大丈夫。ただ一切は過ぎてゆく。春の光のような爽やかな諦観。
8.『アンナ・マデリーナ』(1998) Yee Chung-man

この頃の香港映画は最高だった。『恋する惑星』も『天使の涙』も良いけど、この金城武もかなりセクシーだ。交響曲の楽章になぞらえて物語が進み、背景音楽にはバッハの心地良いメヌエットが流れる。芸術的で穏やかな愛の物語。
9.『Kids Return』(1996) 北野武

言わずと知れた名作。久石譲の音楽がまた心を揺さぶるんだよね。未来なんて曖昧で何も見えないのに、行先も分からずただアクセルを吹かして、無理矢理大人になろうとしてるような青春時代の焦り、不安、期待、怒り。
最後の名言はずーっと忘れない。
10.『PicNic』(1996) 岩井俊二

すごく美しくてすごく残酷な世界観。繊細で詩的で純粋で邪悪。残酷だから美しいのか?純粋だから邪悪なのか?大人になれなかった大人たちの破滅的な物語。
11.『ロミオ&ジュリエット』(1996) Baz Luhrmann

不道徳で暴力的なロミオとジュリエット。なのに!!ものすごーく美的。かの有名な「おお、ロミオよ、どうしてあなたはロミオなの?」の名場面は、言葉で言い表せないほど美しく描かれていて、画面に釘付けになったのを覚えている。美と不道徳の対比がまた得も言われぬ魅力。
12.『渚のシンドバッド』(1995) 橋口亮輔

ナイフのような鋭さと痛みを持つ青春時代。スマホもケータイも無かったころの学生生活。恐る恐る他人と触れ合って、傷ついたり傷つけたりして、そうして人の痛みを分かっていくのかもしれない。胸が苦しくなるくらい繊細な物語だった。
13.『CURE』(1997) 黒沢清

私の中で最高峰のホラー映画。役所広司主演ものに間違いは無い。美しい画と催眠的な音、詩的な言葉、得体の知れない不気味さ。観てるうちに、どんどんと自分も何かに侵食されていくような不思議な怖さがある。と同時に、観るものを引き込む妙な魔力に魅せられる。
90年代頃は綺麗で感性的な映画がたくさんあったように思う。一応、有名どころは控え目に列挙したし、まだまだ挙げたりない気もするけど。以下に90年代を代表するような有名どころも含めたその他の作品を名前だけ。
『リリイ・シュシュのすべて』(2001) 岩井俊二
『花とアリス』(2004) 岩井俊二
『17歳のカルテ』(1999) James Mangold
『ヴァージン・スーサイズ』(1999) Sofia Coppola
『恋する惑星』(1994) Wong Kar-wai
『天使の涙』(1995) Wong Kar-wai
『HANA-BI』(1997) 北野武
『菊次郎の夏』(1999) 北野武
『ラヂオの時間』(1997) 三谷幸喜
『スワロウテイル』(1996) 岩井俊二
『blue』(2001) 安藤尋
『ドニ―・ダーコ』(2001) Richard Kelly
『カリスマ』(1999) 黒沢清
『青い春』(2001) 豊田利晃
いや、キリ無いな。