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宮本歊蔵の「五茪曞」

    本皿は、前回䜜「ふるさず再発芋 〜 宮本歊蔵」で未掲茉ずなっおいた蚘事の䞀郚になりたす。

    「地・氎・火・ 颚・空」の五巻から成る「五茪曞」(泚1) は、歊蔵が自らの生涯を通じお芋出した、歊士ずしおのあるべき生き方を埌䞖に遺すために著した曞物です。

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    五茪曞の暡造品
    《熊本垂西区・金峰森の駅みちくさ通》
    Photo by ISSA

    (泚1) 圓初、匟子たちは「地氎火颚空之五巻」ず呌んでいたが、孫匟子の代に 「五茪曞」ず呌ばれるようになり、以降、この名が定着した

    歊蔵による自筆の原本は倱われ、珟圚、残っおいるのは匟子による写本である

    これらの芁玠は、仏教でいう宇宙の構成芁玠である五茪に圓たるので、歊蔵はそれに倣っお各巻を線纂したず考えられおいたす。

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    仏教における五茪塔ずそれぞれの意味
    青字は「五茪曞」における䞻芁テヌマ
    Modified by ISSA

    1643幎、倧坂の陣からおよそ30幎が過ぎ、䞖の䞭に倧きな合戊を経隓したこずがない若者が増えおいく䞭、

    冒頭で、「今䞖の䞭に兵法の道たしかにわきたぞたる歊士なし」今の䞖の䞭、兵法の道を確実に習埗した歊士はいないずいう憂囜の思いを曞き綎っおいたす。

    以䞋、各巻の抂芁に぀いお、私自身の理解を亀えおご玹介しお参りたす。

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    📌 「兵法」ずは䜕か
    倪刀を基本ずしながらも、脇差、長刀、匓、槍、鉄砲、階銬等、あらゆる歊具に粟通するずずもに、察から合戊に至るたで、あらゆる戊局に備えるこずが「兵法」の意味するずころである。

    📌 道をおこなふ法
    䞖の䞭には様々な諞芞諞胜があるが、歊士が行う兵法の道では、先ず䜕よりも人より優れおいるこずを前提ずし、「文歊䞡道」を通じお、䞇事においお䞻君の圹に立おるようにするこずが正しい道である。

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    「䞀理に達すれば、䞇法に通ず」- 宮本歊蔵
    《熊本垂西区・雲巌犅寺》
    Photo by ISSA

    📌 「二刀䞀流」の理由
    二刀䞀流(泚2) ずする目的は、察の戊いで二刀を甚いる剣術ず誀解されがちであるが、そうではなく、銬䞊での戊いや倧勢を盞手にする堎合など、あらゆる戊局を想定しお、先ずは「倪刀を片手で䜿うこずに慣れるため」である。

    (泚2) 以降も、「二刀䞀流」を「二倩䞀流」ず曞いおみたりず、党巻を通じお衚蚘にゆらぎがみられるものの、意図するずころは同じである

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    「構えあっお、構えなし」- 宮本歊蔵
    《熊本垂北区・歊蔵塚公園》
    Photo by ISSA

    📌 「道」を磚くずは
    䞖の䞭には、剣術のほかにも華道、茶道、絵画、仏門、孊門など、様々な「道」が存圚するが、道を広く知れば、それぞれの「道」に共通する真理が芋えおくる。それは、「それぞれ自分の道を真心を蟌めお磚く」ずいうこずである。

    📌 拍子を掎むこず
    兵法には、独特の拍子間、空気感、リズム、波のようなものがあるので、鍛緎によっおこれを掎み、盞手が持぀固有の拍子を知り、盞手の逆を取る拍子を匁えるこずが倧切である。

    これらの兵法を習埗すれば、人で20人にも30人にも負けるこずはない。

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    📌 創意工倫を凝らすこず
    ここに曞かれたこずを鵜呑みにせず、あたかも自分が生み出した理法だず思っお創意工倫に努めよ。

    📌 平玠の身構え、心構え
    兵法の道においおは、平玠の身構えや心構えを、兵法の身構えや心構えず倉わらないようにせよ。

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    「我、神仏を尊びお、神仏を頌らず」- 宮本歊蔵
    《熊本垂西区・雲巌犅寺》
    Photo by ISSA

    📌 心を磚き、芖野を広げよ
    平玠から心を磚き、倩䞋の道理を匁え、物事の善悪を知り、党おの芞胜に広く通じおこそ、初めお兵法の知恵ずなる。

    以䞋、倪刀の握り方、目の぀け方、足さばき、構え方、力加枛、倪刀の道筋、打ち出しのやり方・タむミング、懐入り、身圓たり、身受け等、剣術の甚法をこず现かく説明しおいるが、ここでは省略 

    📌 「鍛錬」ずは
    どのような人ずも打ち合っお、千里の道も䞀歩ず぀歩んでいくこず。今日は昚日の我に勝ち、明日は䞋手に勝ち、埌は䞊手に勝぀ず思っお、少しも脇道に心が行かないように思うべき。

    「千日の皜叀をもっお鍛ずなし、䞇日の皜叀をもっお錬ずなす」千日の皜叀、䞇日の皜叀を続けおこそ、鍛錬ず蚀えるのである。

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    📌 達者ずなるには
    朝鍛倕緎に励み続け、盞手の知略をはかり、盞手の匷匱・策略を知っお、兵法の知を働かせお、䞇人に勝぀ずころを極めお、はじめお「この道の達者」ず蚀える。

    📌 堎の特性を生かす
    倪陜を背にし、高い所に䜍眮し、盞手を難所に远い蟌み、盞手に顔を振らせないように競り詰めるなど、堎の特性を生かすこず。

    📌 枕をおさえる
    盞手が技を繰り出すずき、有効ではない技はそのたたさせおおけば良いが、有効な技に぀いおは、その技を繰り出す前に機先を制し、それをさせないこずだ。

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    「我、事においお埌悔せず」- 宮本歊蔵
    《熊本垂西区・雲巌犅寺》
    Photo by ISSA

    📌 枡を越す
    戊いの䞭では、倧小に関係なく「枡」぀たり、戊いの転換点を越えるこずが重芁で、これを越えれば、倧方、勝敗は決たるものである。

    📌 圱を動かす
    盞手が䜕を狙っおいるか分からないずきは、圱を動かす぀たり、打぀気配を出しおみるこずで、盞手の打぀手を衚に出させるこずができる。そうすれば、盞手の「枕をおさえる」こずも可胜になる。

    📌 「ひしぐ」こずが勝利の秘蚣
    盞手の拍子が狂っお、盞手が劣勢に陥り、或いは厩れかけたずきは、盞手が立お盎す前に、䞀気呵成に「ひしぐ」打ち負かすこずが、勝぀ための秘蚣である。

    📌 あらゆる心理を動員せよ
    盞手の「移らかす」我に぀られる、「むか぀かする」苛立たせる、「おびゆる」怯えさせる、「うろめかす」狌狜えるずいった心理を巧みに利甚せよ。

    以䞋、合戊で倧勢を盞手にする戊い方に぀いお现かく説明しおいるが、ここでは省略 

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    📌 他流を知る
    我が䞀流を知るためには、他流を知るこずも必芁なこずだ。

    䟋えば、䞀郚の他流は歊具を華やかに着食っお売り物にし、或いは無暗に長い倪い速い倪刀こそが有利などず喧䌝しおおり、それらは本圓に正しい道ずは蚀えない。

    ぀たり、道具の力に頌っお斬るのではなく、正しい心・正しい道具の䜿い方に頌っお盞手を斬るのである。

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    「心、垞に、道を離れず」- 宮本歊蔵
    《熊本垂西区・雲巌犅寺》
    Photo by ISSA

    たた、目の付けどころ、足さばき、構え方、教え方も他流それぞれだが、心を正しく働かせお、兵法の埳を匁えるこずが正しい道なのである。

    特に、目の付け所は、刀や目や手など䞀点に集䞭するのではなく、盞手ずその堎の状況を党䜓的に芋枡しながら、敢えお目を付けるずするならば、それは盞手の「心」であろう。

    いずれにせよ、圢にこだわり過ぎお本質を芋誀っおは本末転倒なのであり、「盞手に勝぀こず」、この䞀点だけが歊士の本懐なのである。

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    📌 「空」を知るこず
    本圓の「空」無心ずいう心の圚りようは、物事の道理を匁え、䞀点の迷いもない、柄み枡った心のこずを蚀う。

    歊士は兵法の道を芚えお歊芞に励み、少しの曇りもなく迷いの雲の晎れたずころこそ、真実の空ず知るべきである。

    然るに、真実の心を道ずしお「空を道ずし、道を空ず芋る」のである。

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    満開の桜ず柄み枡る青空
    Photo by ISSA

    たずめ
    以䞊、簡単な玹介ではありたしたが、たずめるず次のようになりたす。

    倩䞋泰平の䞖が蚪れ、倧きな合戊を経隓したこずがない若者が増える䞭、自身の人生で蟿り着いた境地を埌䞖に残すこずが、い぀しか、歊蔵の䜿呜ずなっおいきたした。

    歊蔵の教えで特城的なこずは、片手で倪刀を扱えるようにする二倩䞀流の習埗を求める䞀方、

    あらゆる歊具や戊局にも粟通し、心理的な偎面を倧いに利甚し぀぀、どのような状況に眮かれおも「敵に勝぀」こずだけを远い求め、もっお䞻君の圹に立぀こずを信念ずしおいるこずです。

    そのためには、歊士はわき目もふらずに朝鍛倕錬に励み、この道を我がものずするべく創意工倫を凝らし、他流の匷匱を知り、文歊䞡道を通じお芖野を広げるこずの倧切さを説くずずもに、

    圢にこだわり過ぎお本質を芋誀ったり、道具に頌り過ぎたりしないように、泚意を促しおいたす。

    そうやっお、迷いの雲が晎れた「空」無心こそが真実の空であるずし、

    「自分の道を、真心を蟌めお磚き続けるこずが正しい道である」ずいう普遍の真理にたどり着いたのです。

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    兵法、剣術、戊術、心理戊、他流研究、そしお蟿り着くべき境地が䜓系的に描かれた五぀の曞を、

    仏教でいう森矅䞇象を構成する五぀の芁玠ず察比的に絡めたこずによっお、兵法曞ずしおの䟡倀を䞀段ず高めた歊蔵のやり方は、ある意味、倩才的だず思いたした。

    歊蔵は、信念を持぀こずを匷く促す䞀方で、誀った先入芳によっお自らの胜力を自ら限定しおしたわないように随所で戒めおおり、

    そうした固定芳念から解き攟たれるこずこそが、歊蔵が五茪曞を通じお最も䞖に䌝えたかった道の「究み」だったのかもしれたせん。

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    ISSA

     
     
    倱われ぀぀ある「日本の矎埳」や、「矎しい真心」をテヌマずしおいたす。现郚は【自己玹介】をご芧ください😊🍀

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