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雨の椿山荘#4 都会の庭園、ホタルの光に誘われて。大雲海で目覚める朝。

    夜の庭園は、目を凝らすとホタルの光がふわりふわりと飛んでいた。一匹が木の葉にとまって、一匹がこちらに飛んでくる。

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    さらに、柵を越えて道へと飛び出してきた。気をつけないと踏んでしまいそうな距離。案内してくれるようにゆっくり飛んでいる。踏まないように距離を保ちながら追いかける。

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    清流の流れる美しい町に暮らす子供の童心を借りたみたいだった。そんな一瞬の思い出を過ごせただけでも、朝からの雨の憂鬱が晴れた気がした。

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    雨粒が葉の上で光って、ホタルの大群が休んでいるようにも見える(写真左の無数の白い点)けれど、やはり違う。ホタルと勘違いしている人もいたが、写真の中央の白い小さな点が、本物のホタル。

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    目で追えないほど遠くへ飛んで行ってしまった。時期がもう少し早くて、雨でなければ、もっと沢山のホタルの光を眺めることができたと思う。都会でなくても、いつかまた自然豊かな場所に見に行きたい。

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    そのあとは、三重塔を近くで見ようと階段をのぼっていく。そこまで大きくないながらも、ライトアップされていることもあって、近くで見ると迫力がある。もとは広島の竹林寺というお寺に建てられていたらしく、国の有形文化財に登録されている。

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    三重塔のある丘の上で、どこからかいい匂いが漂い始める。うな重の匂いだ。Googleマップ上でずっと見ていた、うなぎ料亭がこの奥にあることを思い出した。この匂いだけで白米がいけそうだ。

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    春菊のような青紅葉
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    庭園には七福神がいる

    傘をさしながら散策して、何人かのお客とすれ違う。この時間だともう恐らく宿泊客しかいない。昔、何かで読んだ「傘かしげ」という言葉を思い出した。雨の日に傘をさして狭い道をすれ違うときに、相手と反対の方向に傘を傾けるマナーで江戸しぐさの一つだという。思いやりのある美しい日本語だと思い、当時からよく覚えている。庭園で"傘かしげ"ながら歩くのはまさに江戸の風情を思う。

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    最後に、ディズニーシーのアトラクションのような入口をしたビオトープに立ち寄った。この日3回ビオトープを訪れたけれど、最も活発に活動するホタルが見られた。エメラルドの宝石のような、嘘みたいに美しいホタルの光だった。

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    部屋に戻ると21:30過ぎ。次は大雲海に向けて、急いでお風呂に入る。ロクシタンのアメニティがとても良い香り。

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    大雲海の開始は22:00だと思い込んでいたけれど22:10だった。池の周りや真下の料亭などから、もくもくと雲海が出てくる。今までの普通の雲海と比べると尋常でない量の雲海。ライトアップもされて幻想的な風景が広がった。ラナ・デル・レイの「ヤング・アンド・ビューティフル」が頭の中に流れるような雰囲気。

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    部屋から眺めると庭園の向こうにビル群が見える。あの高層ビルがどこの何かは、さっぱり分からない。それでもここが都会なのだと思い出させてくれる。エレベーターホールからは東京タワーも頭だけ見えた。

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    何度も庭園を散策したり、忙しない夜になってしまった。贈り主のエゴが強いホテルステイになって申し訳なくる思った。来年は、もっとラウンジでゆったりした時間を過ごせるホテルステイを贈りたい。はたまた、スイートなら椿山荘もラウンジを利用できるけれど。

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    早起きのために、もっぱら学生時代の私に効くのはたいてい、雪くらいのものだった。「雪降ってるよ」は一番目が覚める文句だ。それでも、7:10の大雲海もなかなかの目覚ましだった。

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    朝もやのようで今までで一番リアルな景色だった。文字通り眠い目を擦りながらでよく見えなかったけれど、写真で見たときに感動した。そして雨は止んでいた。

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    朝食には時間前から並んだ。朝食は悩んだけれど結局やはりバイキング。悩むときに、過去宿泊された方のブログを参考にしたのだが、かなり辛口評価でバイキングはやめようかと思った。ただ、食べ終えた今は、そのブロガーの方の舌が肥えていたのだろうと思う。どれもなかなかに美味しい。

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    オムレツを作ってくれるシェフもいる。スモークサーモン、カレーライス、メロンが記憶に残る。ただ、私も今後宿泊する誰かの参考になる記事が書けていたら嬉しい。

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    朝は人が少ない

    今朝はウェディングドレスと白無垢をたくさん見かけた。この日は大安だった。さすがは結婚式場の有名な椿山荘である。チャペルの上に雲海が風で流れ込み、ひと騒ぎになっている様子も部屋から見えた。

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    9:00にショップが開くため、母のお目当ての吹き寄せ缶を購入しに来た。限定のホタル柄が欲しかったのだが、なんと売り切れ。母曰く、昨日チェックインしたときにはあったらしい。もう入荷しないとのこと。限定ではないけれど、椿の柄をGETしていた。

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    朝には再び庭園を歩いて、昨夜のホタルの感動を噛み締めた。庭園の様子は前回の記事に残している。

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    成人式の前撮りの後に
    食事をした場所
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    新聞を撮るとその日の記憶を
    閉じ込められる気がする

    チェックアウトまでの時間に、館内を散策したい理由があった。それは私の好きなマイケルジャクソンに関係する。

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    "帰る先は、ホテル椿山荘"というタイトルの記事を書いたが、なんとあのマイケルジャクソンも椿山荘に帰る夜を過ごしたことがある。最初で最後の日本のバラエティ出演である伝説のスマスマに出た夜も、椿山荘に帰ったという。時は2006年、来日した際に5月27日から6月2日まで家族で過ごした。マイケルといえば「キャピトルホテル東急」だけれど、なぜか椿山荘。キャピトルが2006年11月末に老朽化のため閉館しているが、5月末ならそちらに泊まれたはずだが。いずれにしても、同じホテルに泊まれたことが嬉しい。しかも同じ6月。もしかしたらホタルも見られたのではないか。(間違いなく、見ないだろうけれど)

    もちろんマイケルはスイートルームに宿泊。最上階にお邪魔して廊下を歩かせてもらった。廊下は他の階と何ら変わらない。当時の「フォーシーズンズホテル椿山荘」から現在の「ホテル椿山荘東京」に変わっているため、全く同じでないけれど面影はあるはず。

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    マイケルと椿山荘を調べていて、noteの記事を発見していた。その記事を執筆された方がマイケルとツーショットを撮影しているのだが、そのツーショットの背景に映るお花の絵を探したい。きっとこのスイートルームのフロアに違いない。

    ……!!あった!これか!?!?

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    お花の色や配置が一致する。これだ…!と思わず叫びたくなった。一緒に写真を撮る。勝手ながら、聖地巡礼させてもらった。
    大興奮で自分の部屋のフロアに帰ると、このフロアにも同じ絵があった……。

    よく考えれば背景の壁も違うしソファもない。今改めてそのツーショット写真を見ると、ここは廊下でなくて部屋のような気がする。マイケルなら快く部屋に招き入れてくれそうだし。

    まあいい。細かいことは考えない。マイケルの泊まったスイートルームのあるフロアで、同じ絵を見たということに価値がある。

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    12:00チェックアウトは焦らなくて良いのが嬉しい。ホテルを出て少し散策。目の前の東京カテドラル聖マリア大聖堂へと歩いて向かった。

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    今日もどこかへ、地続きに。街を巡り、土地の記憶を辿る休日の記録。全国転勤20代会社員。皆さんの記事を読むのも好きで無言スキしてます☺︎

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