
04. GUARANTOR
現在の日本では、頼れる親族がいない高齢者が増えています。
3親等内に親族がいない高齢者は2024年の時点で約286万人で、2050年には約448万人まで増えると見込まれています。
年齢問わず、単身世帯がまず増加しているという背景があります。
65歳以上の一人暮らし世帯は2020年の時点で約672万世帯だったのが、2040年には約896万世帯まで増えると見込まれています。
警察庁によりますと、2024年に警察が取り扱った死者204,184人のうち、一人暮らしで自宅で亡くなった人は4割近くの76,020人でした。
年代別では、65歳以上の高齢者が58,044人で8割近くを占めています。
このうち、死後8日以上経過して見つかった人は21,856人です。
2025年は22,222人だったので、毎年、これだけの人が同じ境遇になる可能性があります。
1カ月以上経って発見された人は6,945人、1年以上経って発見された人は253人いました。
死後8日以上経過したケースでは、男性が8割を占めているとのことです。
年齢別に見ると80代以上が4,207人、70代が8,321人、60代が5,409人、50代が2,740人、40代以下が1,046人となっています。
そして、10代でも62人、20代でも780人もいました。
誰にも看取られずに亡くなり、死後8日以上経過して発見されたことなどから生前、社会的に孤立していたと見られる人を孤立死した人と位置付けられています。
今後も単身世帯の増加などによって孤独や孤立のリスクを抱える人が増えます。
その結果、身元保証人を立てられないで、民間の高額な代行サービスを利用することもできない人も多くなっています。
もう何年も前から言われていることですが、公的な支援としての拡充が求められてきました。
身寄りがいないと、入院や施設入所の時に身元保証を求められて苦労したり、日常のお金の管理や亡くなった後の葬儀、家財の処分、役所への届出などができなかったりと、ずっと課題とされてきました。
これまでも保証人がいないことだけを理由に入院や入所を断ることは適切ではないと国が示してはいましたが、実際のところは、今も調整が難しいのが実情です。
そこで、これまでの福祉サービス利用援助事業を拡充して、身寄りのない高齢者などへの包括的な支援が第2種社会福祉事業として位置付けられることになりました。
第2種社会福祉事業とは何ですか?…という話ですが、そもそも社会福祉というのは、自分の力だけでは解決することが難しい生活上の問題に対して、社会的に支援を行うことです。
この社会福祉を目的とする事業のうち、“規制と助成を通じて公明かつ適正な実施の確保が図られなければならないもの”を社会福祉事業といいます。
第2種があるということは、第1種もあります。
第1種では、利用者の保護の必要性が高い事業を行っているので、経営が安定している必要があります。
その為、原則としては国や地方自治体、そして、社会福祉法人しか行うことができません。
第2種は、利用者への影響が第1種に比べると小さい事業です。
経営主体は原則として制限がなく、社会福祉法人以外にもNPO法人や株式会社等が事業開始の届出を行うことで運営可能となります。
身寄りのない高齢者などへの包括的な支援をする事業を行いたいと思った会社組織等は、届け出すれば、誰でも実施可能になります。
具体的な事業内容は、以下の3領域を包括的に行います。
日常生活支援として、福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類の預かりなどを行います。
そして、病院への入院や介護施設への入所の手続き支援、緊急連絡先の提供、医療費や利用料の支払い代行なども行います。
死後事務支援もあり、葬儀、納骨、家財処分の契約手続き支援、行政への届け出なども行います。
これらの支援事業の支援対象は、従来の認知症などで判断能力が不充分な人に加えて、頼れる身寄りがいないで日常生活に支障がある高齢者らが新たに追加されています。
また、経済的な余裕が充分にない方でも利用できるように、無料または低額でサービスを提供する仕組が検討されています。
金銭管理だと、これまでは社会福祉協議会が担ってきた判断能力に不安のある方の日常的な金銭管理などを支援する事業の日常生活自立支援事業がありますが、対象や支援範囲が限られており、入院時の身元保証や死後事務までは踏み込めないことが課題でした。
現行制度では社会福祉法人であっても利用者の死後支援等も行えません。
その為、死後の事務処理の際には福祉事務所とのやり取りや複雑な手続きに膨大な労力と時間をかけなければできません。
それが新事業を行うことで自己完結できるようになります。
認知症の方の日常生活支援や入院や入所の手続き支援も同じで、現在は成年後見人などに委ねなければ対応し切れない状況ですが、これも自己完結できるようになります。
このように、今後はこの制度の隙間だった部分を公的な支援の枠組に入ります。
公的に…とは言っても、無料または低額で提供となっていますから、稼ぎになるのかは微妙です。
一番大変な部分の御仕事にもなりそうですが、そこは福祉人の奉仕の精神に甘えちゃいますか…。
限定的にとは言え、社会保障の財源とも言われる消費税も減らしちゃうし、どうなることやら…。
まったく新しい方策が出てくることを期待するしかないのかな。
やはり、福祉はボランティア精神に頼るか。
細かい仕組はこれから決まっていきます。
厚生労働省は2028年6月までにサービス開始をしたい考えです。
興味のある方は、厚生労働省の公表情報やお住まいの自治体、地域包括支援センターなどに確認してみてください。
2050年には、後期高齢者と呼ばれる方の3人に1人が身寄りがない未婚者になると予測されています。
日本では長い間、高齢者の生活保障(福祉)は家族に委ねられてきた過去がありますが、今後は家族依存の福祉は成り立たなくなります。
既にそうなっています。
日本では高齢化と同時に未婚化も進んでいて、これから先、身寄りのない高齢者が増えます。
75歳以上の未婚者は、2000年では18万人だったのが、2020年には63万人になりました。
結婚したことがなく、配偶者も子もいない後期高齢者が、20年間で3倍以上に増えました。
今では団塊の世代の人たちがみんな75歳以上になっているので、数はもっともっと増えているはずです。
2050年の75歳以上の人口の推計値は2433万人です。
このうち未婚者はというと…圧巻の数字ですが…434万人ぐらいになると推計されています。
2050年の私は70歳ですが、その頃には完全に現在の年金制度は破綻していると想像しています。
その前に地球がヒトが住めるような環境ではなくなっている可能性もありますが…。
これからは就職氷河期世代が高齢者になる時代が来ます。
その世代の多くはここ数年の小規模賃上げブームからも見過ごされています。
2050年以降の高齢者のほとんどが生活保護を受けているなんてことにならないような方策を考える必要があります。
そんな状況で2050年を迎えているとしたら、おそらく生活保護のような制度も崩壊してなくなってしまっているかもしれません。
私のような底辺の人間が未来についてそんな深刻に考えるなとも言われるけど…。
いや、でも、深刻でしょう…と思ったところで本日の御勉強は終了です。