メインコンテンツへスキップ
見出し画像

未来の看護・介護を考える~入浴編~

    病院や介護施設では、人材不足が深刻な課題となっています。
    老後は病院や施設がなんとかしてくれるという考え方は、もはや現実的ではないのかもしれません。
    これからは、自分の身の回りのことは自分でできるように、日頃から健康を維持していく必要があると感じています。


    日本と海外の清潔ケアの違い

    先日、オーストラリアで働く看護師の動画を見て、驚いたのと同時に納得しました。
    その病院では、入院中の全身の清潔ケアは週に1回が基本なのだそうです。
    日本では週2回が基本であり、介護施設でも同様の頻度が多いと思います。
    さらに他国も調べてみると、多くの国では人手の状況や個人の希望に応じていること、基本的には1~2回/週だということが分かりました。

    入浴には、病院では最低でも2〜3人のスタッフが必要で、介護施設では4人ほど必要になることもあります。
    人手不足の中で入浴介助に人手が取られると、病院では残業が日常的になり、介護施設では見守りや水分補給などの日常ケアが手薄になるなど、さまざまな影響が出てきます。

    人材不足の中で、この清潔ケアに対してどう向き合い、取り組んでいくかが、未来の看護、介護を左右するのではないかと思います。


    日本と他国の清潔への意識の違い

    日本には清潔にすることが健康につながるという価値観が強く、入浴文化がその背景にあります。
    実際、看護を学ぶときも清潔ケアは重要だと学んだ記憶があり、大切にしてきた看護ケアのひとつです。

    他国は部分清拭で十分とする文化があり、合理的に行う、本人の意思を尊重するなどの姿勢が一般的です。
    日本が1回/週の清潔ケアになると、特に高齢者は経験上、皮膚トラブルのリスクが高くなる可能性もあります。
    だからこそ、日本は手厚い看護、介護を提供していると言えるのではないでしょうか。


    未来の看護、介護の在り方

    今まで当たり前にできていた看護や介護がこれからは難しくなる可能性もあります。
    しかし、患者や入所者が安心して治療や生活ができる環境を整えるには、人材確保と現場の業務の見直しが最優先課題だと思います。

    何を優先するのか、どこまでのケアを望むのかを、患者さんや入所者も含めて見直す時代が来ているのではないでしょうか。

    皆さんは、もし将来、入院したり介護施設に入所した際に、入浴が週1回になったとして、それを受け入れられるでしょうか?
    何を大切にしてほしいですか?優先してほしいですか?

    私たち看護・介護の現場では、清潔ケアは〚生活の質(QOL)〛を保つうえで重要だと教えられ実施してきました。
    でも、それは私たちが大切だと信じてきた看護観であって、エゴなのかもしれない、と感じることもあるのです。

    おわりに

    看護師になって、30年が経ちました。
    後輩たちには「やりがいを感じながら、長くこの仕事を続けてほしい」という思いと、「病院や介護施設で過ごす高齢者の方々には、少しでも安心して、穏やかに過ごしてほしい」という願いがあります。

    ただ、時代は変わりつつあります。
    医療や介護の現場で、今までの当たり前が通用しなくなる日も近いかもしれません。

    だからこそ、これからの看護、介護を見直し私たちは何を大切に仕事をしていくのか、誰のためのケアなのか、どうやって支えていくのか考えていく必要があるなと感じます。

    最後までお読み頂きありがとうございます。


    あなたへのおすすめ