
一つの演奏会は、多くの人の想いで支えられている
演奏会が決まり、プログラムの方向性が見えてくると、次に始まるのは「この公演を、どう社会へ届けていくか」を考える時間です。
どれほど素晴らしい演奏家が来日しても、その価値は自然には伝わりません。
一人でも多くの方に知っていただくためには、応援してくださる方々との出会いが欠かせません。
これから私は、企業の皆様や文化活動を応援してくださる方々へ、このツアーについてお話しする機会を少しずついただく予定です。
毎回感じるのは、協賛とは単に資金をご支援いただくことではない、ということです。
「なぜ、この公演を開催したいのですか。」
「なぜ、クリストフ・トラックスラー氏なのですか。」
「この演奏会で、日本に何を届けたいのですか。」
そんな問いをいただくたびに、自分自身も、この活動の原点に立ち返ります。
その答えは、いつも同じです。
私は、一人の演奏家を紹介したいのではありません。
ウィーンで受け取った文化や、人と人が芸術を通して語り合う時間、その豊かさを日本でも分かち合いたいのです。
だから、この活動は演奏会を開催することが目的ではありません。
その一日をきっかけに、新しい出会いが生まれ、音楽について語り合い、文化が少しずつ育っていくことを願っています。
ありがたいことに、これまでの活動を通して、その想いに共感し、長く応援してくださる企業や個人の方々とのご縁にも恵まれてきました。
その信頼があるからこそ、今年も新しい挑戦へ踏み出すことができます。
これから本格的に、協賛のお願いや広報活動も始まります。
期待と同時に、少しの緊張もあります。
けれど、その一つひとつの出会いもまた、この演奏会を形づくる大切な時間になるはずです。
演奏会は、舞台の上だけで完成するものではありません。
応援してくださる方、会場に足を運んでくださる方、情報を広めてくださる方。
そのすべての想いが重なって、一つの文化が育っていくのだと思います。
2026年9月。
その日を迎えるまで、まだ多くの仕事が待っています。
その一歩一歩を、この制作日誌に記録していきたいと思います。
次回は、「一枚のチケットの向こう側へ」。
いよいよ、この演奏会を多くの方へ届けるための広報や情報発信について綴ります。