
世界初のサンプラーとは?
今では当たり前のように使われている「サンプラー」
ボーカルを切り刻んだりドラムを並べたりピアノを鍵盤で鳴らしたり…
現代の音楽制作には欠かせない存在だ。
しかし、その始まりはコンピューターではなくテープだった。
サンプラーとは?
サンプラーとは、
録音した音を保存し好きな高さ・タイミングで再生できる楽器のこと。
今ではソフトウェアが主流だが、昔はそんな便利なものは存在しなかった。
世界初のサンプラーは「メロトロン」?
Mellotron(1963年)は、世界初のサンプラーの祖先としてよく挙げられる。
鍵盤を押すと、
各鍵盤の裏にある磁気テープが再生され、
実際に録音された
・バイオリン
・フルート
・合唱
などの音が鳴る仕組みだった。
本物の演奏を録音して再生するという発想は、60年以上前から存在していたのである。
ただし、一度に約8秒程度しか再生できず、音色の切り替えにも制限があった。
本当の意味で最初のデジタルサンプラー
1979年、Fairlight CMIが登場。
これこそ多くの人が「世界初のデジタルサンプラー」と考える機材だ。
驚くべきことに、
・音を録音
・波形を編集
・鍵盤で演奏
・シーケンス作成
までできた。
現在のDAWとサンプラーを合体させたような存在だった。
値段はまさかの…
当時の価格は
約2,500万〜3,000万円(仕様や時期による)。
一般人どころか、
プロのスタジオでも簡単には買えない超高級機材だった。
世界中のヒット曲で活躍
Fairlight CMIは
* Peter Gabriel
* Kate Bush
* Stevie Wonder
など、多くのトップアーティストに愛用された。
80年代特有の
「デジタルなのに少し荒い音」
は、この機材によって生み出されたものも多い。
サンプラーを身近にした名機
その後、1988年にAkai S1000が発売される。
高音質で扱いやすく、
世界中のスタジオで標準機となった。
さらに
* ヒップホップ
* ハウス
* テクノ
などの音楽文化を大きく発展させるきっかけにもなった。
今では誰でも使える時代
現在では、
* DAW標準のサンプラー
* ソフト音源
* 無料プラグイン
でも、昔なら数千万円した機材と同じようなことができる。
ノートPC一台で、80年代のトップスタジオを超える環境が手に入る時代になったのだ。
まとめ
「世界初のサンプラー」をどこで区切りかによって答えは少し変わる。
* サンプラーの祖先:Mellotron(1963年)
* 世界初の本格的なデジタルサンプラー:Fairlight CMI(1979年)
* 普及の立役者:Akai S1000(1988年)
つまり、サンプラーの歴史は「テープ」から始まり、「デジタル」へ進化し、そして今では誰もが手軽に使えるツールへと発展した。
かつては数千万円の夢の機材だった技術が、今では無料のソフトでも体験できる。これも音楽制作の歴史の中で、最も大きな革命の一つと言えるでしょう。