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Photo bydenwa_uranai1

夢を笑わない仲間たち


    ミイコさんの第二弾『宇宙兄弟』寄贈の記事から、『宇宙兄弟』を読んだ小学生のその後の物語を書かせていただきます……


    🌟🌟🌟🌟🌟


    小学5年生の星野ソラは、小学校に寄贈された『宇宙兄弟』を興奮しながら読み終えた。

    ソラは思った。

    ……僕は宇宙飛行士になる。ムッタやヒビトと同じように宇宙へ行くんだ!

    ソラは、リビングでテレビを見ていた父と母に向かって叫ぶように言った。

    「お父さん! お母さん! 僕は将来、宇宙飛行士になる!」

    父は笑いながら言った。

    「宇宙飛行士なんて、エリート中のエリートしかなれないんだぞ。お前みたいな凡人がなれるわけないだろう。お前はサラリーマンのパパの子供なんだ。夢をみるのはいいけど、もっと現実的な夢をみなさい」

    母は諭すように言った。

    「そうよ。宇宙飛行士の夢を叶えるなんて漫画の世界の話なんだから。安定した公務員になって、パパとママを安心させてよ」

    ソラの夢はシュルシュルと音を立てるようにしぼんでしまった。

    次の日、学校へ行くと、理科好きなショータから話しかけられた。

    「どうした? 元気ないな。何? 宇宙飛行士の夢を笑われたって? ゆるせないなー そんな親なんか気にするなよ」

    ソラは、ボソボソと答えた。

    「もういいんだ。どうせ僕は凡人だから…」

    ショータは怒ったように言った。

    「何言うんだよ! 『宇宙兄弟』を読んで一番、熱くなってたのはソラだろ! ソラの金ピカはどこへ行ったんだよ!」

    隣で話を聞いていた絵が得意なミサキが言った。

    「これ、見てよ」

    ミサキはスケッチブックを広げた。

    そこには、ソラが描いたロケットに色がつけられ、夜空を突き抜ける様子が描かれていた。

    「ソラくんの夢、こんなにキラキラしてるんだよ。誰かに笑われて、消していい夢じゃない」

    「そうだよ、そうだよ!」

    ショータがソラに向かって指を突きつけた。

    「迷ったときはね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメだ。どっちが楽しいかで決めるんだ!」

    ショータは熱く語った。

    「親が言ったことが、たとえ『世間的に正しい』としても、ソラが楽しくないなら、そっちを選ぶ必要なんてないだろ!」

    冷静なカンナが、JAXAの最新の募集要項を見せながら言った。

    「宇宙飛行士の募集要項、知ってる? 今は、学歴の制限とか、かなり緩和されたんだって。昔の常識で決めつけちゃダメだよ。今日と明日は同じじゃない。新しい風が、きっと吹く」

    みんな『宇宙兄弟』を読んで、教室では宇宙ブームが起きていた。

    ムッタやヒビトの言葉がみんなの胸に勇気と希望を灯していた。

    宇宙に憧れ、そして、宇宙飛行士を夢見るソラを応援した。

    「そっか…僕の敵は、だいたい僕だったんだ」

    ソラは思った。

    宇宙の夢をあきらめそうになったのは自分。

    親の言葉に傷ついたけど、一番の敵は自分だったんだ。

    ヒビトのように「絶対は俺の中にある」と、なぜ思えなかったんだろう。

    ソラの顔つきは変わった。

    数日後、ソラは、また、リビングの扉を開けた。

    父と母が「また、宇宙の話か」という顔をした。

    「お父さん、お母さん、前に言ったけど、僕は、宇宙飛行士になる。あの時、笑われたけど、僕は本気だ。本気で宇宙を目指す!」

    父は不機嫌そうに言った。

    「もっと現実を見ろと言っただろう。宇宙飛行士になれるのは、たった数人なんだ。どれだけ頑張っても、その努力が無駄になるかもしれないんだぞ」

    「無駄じゃない!」

    ソラは反論した。

    「確かに、難しいのはわかってる。僕は凡人かもしれない。でも、凡人だからって、夢見ちゃダメな理由なんてない!」

    ソラはカンナが調べてくれたJAXAの募集要項のコピーを見せた。

    「今は、昔と違って、色々な人がチャレンジできるんだ! お父さんやお母さんが思っている『昔の常識』とはもう違うんだ!」

    父は静かに言った。

    「並外れた努力を続けることができるのか? 途中で心が折れたらどうする?」

    ソラは言葉を選ぶように言った。

    「途中であきらめそうになる時が来るかもしれない。でも、僕の一番の敵は僕だから。僕は、僕に負けない!」

    ソラの目は輝いていた。

    「そして、僕には仲間がいる。みんなが応援してくれる。ショータやミサキやカンナが励ましてくれたんだ。僕の夢は、みんなの夢でもあるんだ」

    母はそれを聞いて涙ぐんだ。

    「あなた、ソラを応援してあげましょうよ」

    父は深くため息をつくと、ゆっくり話した。

    「お前の夢を笑ったりして悪かった。いい仲間がいて幸せだな。自分に負けないと言ったその気持ちを一生忘れるんじゃないぞ」

    母は優しい目をして言った。

    「ソラ、頑張るのはいいけど、無理だけはしないでね」

    ソラは笑顔で「はい!」と答えた。

    そして、つぶやいた。

    「It's a piece of cake!」

    ソラの物語は、はじまったばかり。

    ショータやミサキやカンナも、それぞれ夢に向かって物語を描いていく。



    前回のスピンオフです✨


     
     
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