
7年間、原状回復の現場で働いてきた僕が言葉を失った部屋
僕は7年間、賃貸物件の原状回復工事や内装リフォームの現場で働いてきました。
クロスの貼り替えを中心に、床の貼り替えから草むしりまで管理会社から依頼された作業を行っています。
今回紹介するのは、仕事を始めて2年目の頃に経験した、今でも忘れられない現場の話です。
ドアをすべて交換? 一体なぜ?
その物件は、築10年ほどの1LDKでした。
依頼されたのは、部屋全体のクロスの貼り替えに加え、トイレと洗面所のクッションフロアの貼り替え、網戸の張り替えなど。
ここまでは、いつもの原状回復工事です。
ただ、一つだけ気になることがありました。
室内の建具(ドア)が、すべて交換になっていたんです!
僕にとって、ドアをすべて交換する現場は初めてでした。
「一体、何があったんだろう?」
疑問を抱きながら、現場へ向かいました。
そして、部屋に入った瞬間。
僕は言葉を失いました。
始めて「空いた口が塞がらない」になりました。
部屋に入った瞬間、目に飛び込んできた光景
リビングや寝室の壁には、直径20cmほどの穴が10か所ほど開いていました。
中には、壁の向こう側が見えてしまうほど大きな穴もあります。
穴が開いていない場所にも、殴られたような跡が残っていました。
クロスはタバコのヤニで全体的に茶色く変色。
網戸には網がほとんど残っておらず、枠だけの状態でした。
それまでにも、さまざまな状態の部屋を見てきたつもりでした。
それでも、これほど多くの穴が開いた部屋を見るのは初めてでした。
ドアがすべて交換になっていたことにも、納得しました。
後から部屋の事情についても話を聞きましたが、ここでは詳しい内容には触れず、僕が現場で目にした光景を中心に紹介します。
穴を一つずつ塞いでいく
この現場で特に大変だったのは、壁の穴を塞ぐ作業です。
クロスを貼り替えるだけでは、元の状態には戻せません。
穴を一つずつ補修し、クロスを貼れるように下地を整えていきます。
それが何か所もあるため、簡単には終わりません。
普段は完成した壁の内側を見る機会がほとんどありませんが、この現場では壁の内部まで目にすることになりました。
大変な作業でしたが、普段の仕事ではなかなか見られない部分を知る機会にもなりました。
5年経った今でも忘れられない
補修を終え、クロスを貼り替え、建具も新しいものに交換していきました。
作業が終わる頃には、部屋の印象も大きく変わっていました。
このあと、専門の業者による室内クリーニングが入れば、原状回復工事も完了です。
あの現場から、約5年が経ちました。
それからも、さまざまな部屋の原状回復に携わってきましたが、あのときのように壁に大きな穴がいくつも開いていた部屋には、今のところ出会っていません。
7年間の仕事を振り返っても、あの部屋は特に印象に残っています。
今でも、忘れられない現場の一つです。