
マッチョ華道
華道の家元に生まれてしまったのを不幸と言わずになんと言おうか。俺が、というだけの話であって、華道の家元に生まれてしまったほかの人たちを貶めているわけではない。
というのは、俺が徹底的に武闘派タイプであるからだ。格闘技大好き。その俺が、なんで継がないといけないのだ。
弟がいるじゃないか。弟についでもらえ、と何百回言っても、聞いてもらえない。そりゃあ、小さい時から家にはたくさんのお弟子さんたちが出入りして、作品は見ている。鋏の使い方は知っている。花を、見る目、というか、鑑賞眼はいやおうにもつけられている。
大学に入った。俺はどうしても、体育会の部活がしたかった。体育会の大学生活を謳歌したかった。それで、華道部をつくるにあたり、体育会のクラブとして申請をしたのだ。
まあ、自由な校風ということもあり、体育会の幹事長が、他流試合をしろとはいわないが、華道が戦えるものであることを示してくれたら考えよう、と言ってくれた。なんて心の広い先輩なんだ。
で、おれは確立したのだ、武道としてのマッチョな華道を。花粉で目つぶしをして、木の枝を杖としてしなやかに使う。究極の秘密兵器もある。な、興味を持っただろう。そこに入部届があるから、ぜひ、新歓コンパにきたまえ。