
【🌻28】あったかTシャツ-ロービジョンの私とお父さんの認知症在宅介護9年のお話
寒くなってくると、お父さんの朝のお着替えのことを思い出します。
お父さんは、ものすごい寒がりでした。
冬のお着替えは結構大変。
着替えるときに服が少しでも冷たいと
「冷たいよ!」
と、なかなかのテンションで怒ることがありました。
今思えば、そんなに怒らなくても……と、笑ってすませてしまうようなことですが、当時の私にとっては笑いごとではなかったのです。
朝から機嫌が悪くなってしまうと、そのまま不穏になってしまうことがあります。
そして、それがその日一日の行動に影響しないとも限りません。
デイサービスに行きたくないと言われたら、その日の私の予定は、すべてなくなります。
だから私は、とにかく朝はお父さんに機嫌よくいてもらいたかったのです。
できるだけ穏やかな気持ちで、一日を始めてほしかったのです。
そこで、寒くなってくると、毎朝これからお父さんが着る服を暖房の前に置いて、あたためておきました。
ところが、ひとつ問題が――。
暖房の前でせっかくあたためた服も、お父さんの部屋まで持っていくと、すぐに冷めてしまうのです。
なので私は、服をお父さんが身につける直前まで、自分のおなかに挟んで保温しておくことにしました。
あたためた服をおなかに挟んだまま、お父さんの部屋へ。
今思えば、なかなか妙な姿です。
おなかはモコモコ(笑)。
そして、あるときひらめいたのです。
おなかから服を出しながら……
「テケテテン♪ あったかTシャツ~!」
と、ドラえもんの声まねで言ってみました。
朝から何をやっているんだろう、私(笑)。
でも、お父さんが笑ってくれたので大満足。
介護をしていると、毎日同じことの繰り返しです。
朝起こして、着替えて、食事をして。
そのひとつひとつを、できるだけお父さんが穏やかに過ごせるようにと考えながらやっていたのです。
寒くないかな。
嫌なことはないかな。
今日は機嫌よく過ごせるかな。
そんなことを考えながら、お父さんが少しでも楽しく過ごせるようにと、服をあたためていました。
---
その後、お洗濯がものすごく大変になって、わが家は洗濯乾燥機に買い換えました。
乾燥機を使うようになってからは、服をしっかりあたためられるようになり、おなかで保温するよりはるかにあたたかいので、お父さんはいつもニコニコ。
「気持ちいいね~」
と、とてもうれしそうな声に私もニコニコ。
これは本当に助かりました。
介護は、楽になる工夫ができるなら、どんどんしたほうがいいと思います。
でも
「テケテテン♪ あったかTシャツ~!」
なんて言っていた朝。
今思い出すと、ちょっとおかしくて、懐かしい。
そして、楽しかった。
大変だったことも、こんな小さな思い出になります。
毎朝お父さんの着替えを暖房の前に置いてあっためておくんだけど、お父さんの部屋に持っていくとすぐ冷めちゃう。なので、お父さんが身に付ける直前までは私のおなかに挟んで保温してる。
— 小林直美🌻note気まぐれ更新中@ブラインドライター (@nao_smile29) March 7, 2023
最近は「テケテテン♪あったかTシャツー!」と、ドラえもんの声で言いながら出してみてるんだけどなかなかよい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事がいいなと思ったら「スキ」で応援してもらえると元気が出ます。
これは「ロービジョンの私とお父さんの認知症在宅介護9年のお話」の一部です。
これからも、介護の日々の中で感じていたことを書いていきたいと思います。