
【作曲初心者の曲分析②】“下降ベース”が生む感情の動き 〜Hey Judeをやさしくコード分析〜
前回は、ビートルズの名曲「Yesterday」 を題材に、
“ベースラインの下降”という視点で曲を見てみました。
今回はその流れで、もう一曲。
「Hey Jude 」を取り上げてみます。
同じ「下降」でも、ここまで印象が変わるのか…
そんな発見がある一曲です。
Aメロ:シンプルだけど強い「帰りたくなる力」
キーはF major(ヘ長調)。
Aメロは、
F → C → C7 → F
B♭ → F → C → F
といった、いわゆるスリーコード(主要三和音)を中心にした進行です。
一見とてもシンプルですが、
ポイントは「C7(ドミナントセブンス)」の存在。
このコードがあることで、
👉「ちゃんと元に戻りたくなる」(ドミナントモーション)
そんな“引力”が生まれています。
Bメロ:下降ベースが生む“揺れ”
この曲で印象的なのが、Bメロのベースライン。
B♭ → A → G → F → E
と、なめらかに下降していきます。
面白いのは、
👉コード自体は自然なのに、ベースだけが美しく下がる
(B♭ → F/A → Gm → F → C/E)
という点。
この動きによって、
少し不安になる
気持ちが揺れる
そんなニュアンスが生まれているように感じます。
サビ:借用和音が作る“開放感”
サビ(ナナナ〜)の部分では、
F → E♭ → B♭ → F
という進行が繰り返されます。
ここで登場するE♭は、
本来Fメジャーには存在しないコード。
いわゆる「借用和音」です。
この“ちょっとした外し”があることで、
👉一気に世界が広がるような開放感
が生まれています。
なぜ7分でも飽きないのか?
この曲のすごさは、後半にあります。
同じコードを繰り返しているのに、まったく飽きない。
その理由は、
コーラスが徐々に厚くなる
楽器が増えていく
エネルギーが積み上がる
👉コードではなく「アレンジ」でドラマを作っている
ここは作曲をする上でも、とても参考になります。
Yesterdayとの違い
前回取り上げたYesterday は、
👉内側に向かう“静かな下降”
一方でHey Judeは、
👉外に広がっていく“動きのある下降”
同じ「下降」でも、役割がまったく違うのが面白いところです。
まとめ
シンプルなコードでも感情は作れる
ベースラインの動きが印象を決める
アレンジで曲は大きく化ける
そんなことを教えてくれる一曲でした。
おわりに
「なんとなく良い曲だな」と思っていたものも、
少しだけ分解してみると、違った景色が見えてきます。
これからも、そんな視点で曲を楽しんでいきたいと思います。