
絞られながらの断末魔の遺言
えらく今日は絞られるな。
おいおい容赦がないな。
そこまで絞らないといけないのか?
もう限界なんだが。
中身が全部出ちまう。
これ以上絞られると……
腸がちぎ…れ…る…!
ぎゃあぁ!!!
ほら、ひどいことになった。
あちこちに中身が飛び散る。
終わった………。
終わりとはこんなものなのか。
もういい。
あんたは絞り尽くしてオレを捨てる気なんだ。
どうせあんたはオレのことなんて
どうでもいいんだ。
中身さえあればそれでいいんだろ?
オレが長いこと守ってきたのに。
とうとうおしまいなんだな。
今日限りだな。
少なくともオレは役目は果たしきった。
後悔はない。
オレはこれで終わりだ。
後はオレの中身をちゃんと使ってくれ。
頼んだぞ。
オレはそのために
今日まで中身を守り続けたのだから。

特にお高いバーミリオンは切腹してでも絞り切る。
前回久しぶりに油絵を描いたら、さすがに絵の具がなくなりかけていた。新しく絵の具を買ったので古い絵の具を最後まで使い切って捨てることにした。
ぎゅうぎゅう絞っていると
チューブがちぎれることもある。
長らくのお勤めご苦労さんでした。
ごめんよ。
私は中身が欲しいだけなので
絞りとれるだけ絞ってから捨てることを
許してくれ。