
実は私はちょっとだけ特殊な能力の持ち主なのかもしれない!?
私にはある特殊な能力がある。
誰にでもできることではない。
その能力とは何か?
生徒と話す。
どんな作品が作りたいか、
どんな作家が好きか、
などなど。
そこで私は
〇〇なんてどうだろう?
たぶん好きなんじゃないかな?
そこで検索してほらこんなのだよ、と見せる。
好きです!なんでわかったんですか?
とほぼ100%言われる。
ある意味人の頭の中の視覚的なものを読むのが得意なのだろう。そんなジャンルの占いはないけど、
私がその人の好きそうな画家をおすすめする占いをするとしたら、恐ろしい的中率を示すだろう。
そういうわけで、ぼんやりした柔らかい絵が好きなあなたには牛島憲之がおすすめ。
この世は地獄だからというあなたにはフランシス・ベーコンがおすすめ。
キラキラしてるけど懐かしい感じの絵が好きというあなたには大岩オスカールがおすすめ。
別に対象は生徒とも限らない。
現在、家に置いてある展覧会図録の整理をしている。
日本画の先生にこんなのどうでしょう?
と上村松篁や秋野不矩を持っていくと
すごい!ありがたいです!
と言われる。
高村智恵子の切り絵の図録はデザインの先生の方が喜んでくれるかなと持っていくと
大好きです!すごく参考になります!
と喜んでもらえた。
その人の作品や仕事を見ているとこの人ならこういうのに興味があるだろうとかこれは好みだろうとかの予測がつくのだ。
それには理由がある。
私は美術教師を長らくやっている。
職業柄よく美術展に行く。
最近は名前を思い出せるかは微妙だけど、
視覚的な記憶力はやはり良い方だ。
そうすると私の頭の中には
大量の視覚的なデータが入っている。
上の画像は私は好きだけど
たいして知名度は高くないのではと思われる
画家の作品のコラージュ。
左上はフォンタネージ、右上はコロー、
左下はブーダン、右下は高島野十郎。
コローやブーダンはそこそこには知られているかもしれないが、モネとかに比べると知名度は下がる。
フォンタネージも日本では教師として知られていて作品を見たのは初めてだった。
高島野十郎は再評価が進んではいるが、
画壇に属しておらずそんなに知られていない。
あまり有名どころではない人の作品も好きだ。
だからこの生徒はこんな画家を好きなのではないかという組み合わせをよく思いつく。
生徒は若いのでそんなにたくさんの美術品も見ていないことが多い。美術史は習うけど現代の作家は
意外と知らないとか、美術史の中でも少しマイナーだとよく知らないとか、そういう傾向がある。
スマホを持っていても、
AIは聞けば何でも教えてくれても、
自分が知らない範囲のことは
わからないままなのだ。
美術教師が美術館に行くのは
もちろん自分が好きだからだけど
それを何十年続けると頭にイメージのデータベースができる。そのデータベースってけっこう使えるものだなと思う今日この頃。
美術教師って別に腕が良いことだけが必要なのでもなく、その人に合ったヒントを出せたらそれでいいような気もする。
私はそこそこには絵が描けるけど
天才でもなくて特別に腕が良い方ではない。
たけどひとりひとり違う人の良さを伸ばすのは
得意だと思う。
私は他にできる仕事が一つも思いつかない。
ほんとに美術教師になって良かった。
私の持っている唯一の特殊能力が活きる仕事で
ご飯を食べることができるってありがたい。
ただこんなに的中率の高い助言ができても
占い師のように儲かるわけではないのが
ちょっとだけ残念だが。