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なぜ私は、あえてキャリア支援が届きにくい場所へ向かうのか


    「恵まれた強い人だけが這い上がる。それでいいんでしょうか?」

    2027年1月15日公開予定の劇場版『虎に翼』。
    予告映像で耳にした、主人公のこのセリフにとても強く心を揺さぶられました。

    人が自分の人生を選ぶとき、本当に自由に選択できる状況にあるのでしょうか。

    世の中には、さまざまな選択肢があります。

    けれど、その存在を知らなければ、選ぶことはできません。
    知っていたとしても、置かれた環境や事情によって選べないこともあります。
    そして、そもそも自分に選択肢があることさえ、気づかずにいる人もいるのではないかと思うのです。

    私は今、法律事務所に勤務しながら、国家資格キャリアコンサルタントとして、主にシングルマザーの就労支援に携わっています。
    そして、本格的に17年間身を置いた物流業界への支援にも取り組もうと準備をしています。

    一見、まったく異なる二つの領域です。

    それでも、私が目指している支援の根っこは同じところにあります。
    その理由を、少しだけ私自身の経験からお話しさせてください。

    🥎あのとき、誰かにつながることができていたら

    高校時代、私はソフトボールの特待生として進学しました。
    中学時代から本格的に競技に打ち込み、進学先から声をかけていただいたときには、その先に大学や実業団へと続く道も見えていました。

    ところが入学後、一学年上の先輩からの理不尽な行為に苦しむことになります。
    大好きだったソフトボールを続けたい。
    でも、この環境で続けることは、もう難しい。

    悩み抜いた末、私は退部を選びました。

    自分が望んで進んだ道を、自分の手で閉ざすような選択でした。
    もちろん、あのとき退部したことが、その後の人生のすべてを悪い方向へ変えたとは思っていません。

    ただ、今になって考えることがあります。

    もし、あのとき、自分の置かれている状況を客観的に見て、一緒に考えてくれる大人がいたら、どうだっただろう。

    続けるか、辞めるか。
    当時の私には、その二つしか見えていませんでした。

    でも、本当に選択肢は二つだけだったのでしょうか。

    学校に働きかける方法もあったかもしれない。
    環境を変える方法を探すこともできたかもしれない。
    どうしても親を頼れない事情もありました。

    もちろん、誰かに話すことによって状況が改善したかどうかは分かりません。

    それでも、誰かにつながることで、自分一人では見つけられなかった選択肢が見えていたかもしれない。

    誰かに相談できるということは、自分の可能性を、そこであきらめなくてもいいことにつながる。

    大人になった今、私はそう考えています。

    🌱大好きな運転席で感じ始めた将来への不安

    社会に出て、私はいくつもの仕事を経験し、今年の2月まで17年間トラックドライバーとして働いてきました。
    その17年の間には、東日本大震災や新型コロナウイルスによる外出規制もありました。

    いつもなら、首都高湾岸線を使って40分足らずで到着できる倉庫まで、下道で8時間かかったり、外出規制が長引くほど個人宅への荷物が増え、物流業はむしろ忙しい。エッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)と呼ばれる人たちは、緊急事態のときでも稼働しなければなりません。

    そんな状況であっても、トラックドライバーという仕事が、
    本当に好きでした。

    しかし、年齢を重ねるにつれて、少しずつ考えるようになったんです。

    「この仕事を、あと何年続けられるだろう」

    好きだからこそ、できる限り続けたい。でも、体力的なことを考えると、いつまでも運転席に座っていられるとは限りません。

    さらに、物流業界では「2024年問題」が大きな話題になりはじめ、徐々に働き方や収入にも変化が生じていました。

    自分より年上のドライバーが、まだ現役でハンドルを握っている姿を見るたびに、自分自身の将来だけでなく、同じ業界で働く人たちのこれからも気になるようになりました。

    このとき、私はキャリアコンサルタントという資格の存在は知っていましたが、「知っていた」というだけで、今の自分が抱えているような将来の働き方について、相談できる専門家だとは思っていなかったのです。
    少なくとも、その時の私にはキャリアコンサルタントは身近な存在ではありませんでした。

    つまり、相談できる相手が存在していても、その人が自分の悩みに応えてくれる相手だと知らなければ、相談しようという発想すら生まれない。

    高校時代とは違う形で、私は再び、そのことを経験していたのだと思います。

    やがて、自分自身のこれからを考えるために、物流業の「働き方」について学んでみようと思い立ち、いろいろと調べる中で出てきたのが、
    あの「国家資格キャリアコンサルタント」でした。

    2023年9月。

    休みの日にオンラインで養成講座を受講し、仕事の日はトラックの待機時間を使って、キャリアコンサルタントの勉強を始めました。

    最初から誰かを支援しようという、大きな志があったわけではありません。出発点は、あくまでも自分自身の将来への不安でした。

    💡「選べない」のではなく、「選べる状態にない」のかもしれない

    資格を取得し、実際にキャリア支援に携わるようになってから、私の関心は少しずつ広がっていきました。

    現在、関わっている支援の一つが、シングルマザーの就労支援です。

    子育てをしながら働き、生活を支えていく。その毎日の中で、自分自身のこれからについて、落ち着いて考える時間を持つことは簡単ではありません。

    養育費の問題、仕事と育児の両立、物価の上昇による家計への負担。

    こうした問題は、本人の努力だけで解決できるものばかりではありません。支援制度が用意されていても、その存在を知らなかったり、利用するまでの手続きが負担になったりすることもあります。

    私は、こうした支援に携わるなかで、一つのことを強く意識するようになりました。

    それは、「選択肢があること」と「自分で選べること」は違うということ。

    例えば、利用できる制度をいくつも紹介されたとしても、自分にとって何が必要なのか、どう利用すればよいのかが分からなければ、選択することは難しいですよね。

    反対に、誰かとの対話を通じて、自分の状況を整理できたことで、今まで見えていなかった道が見つかることもあります。

    大切なのは、支援する側が答えを決めることではないということ。

    本人が自分の意思で選べるように、その手前にある障壁を一緒に整理していきながら、この先どうなっていきたいのか?までを一緒に考える。

    私は、そこにキャリア支援の大切な役割があると考えています。

    🌱そして、もう一度、物流の現場へ

    私がこれから力を入れたいと考えているのが、物流業界への支援です。

    インターネット通販の普及によって、物流は私たちの暮らしに欠かせない存在となっています。

    その一方で、ドライバー不足、高齢化、労働環境の改善、賃金問題など、業界が抱える課題は山積しています。
    そして、私が気になっているのは、メディアが取り上げる社会問題だけではありません。

    その現場で働く、一人ひとりのことです。

    ・日々の仕事に追われ、自分の将来について考える機会がない。

    ・制度や法律が変わっても、それが自分の仕事や生活にどう関係するのか分からない。

    ・経営者や管理職も、次々と変わる制度への対応や人材確保に追われている。

    そうした状況の中で、はたして、
    必要な情報や学びの機会が、現場まで十分に届いているのだろうか、
    という懸念がありました。
    そこで私は、そこにこそ自分が関われる余地があるのでは?と思ったのです。

    2026年2月。
    私自身も勤務先の突然の廃業によって、大好きだったトラックの運転席を、自分の意思とは関係なく降りることになりました。

    働く場所が、ある日突然なくなる。

    それは、将来のことを考える時間や準備が十分にないまま、次の選択を迫られる経験でもありました。

    だからこそ、働く人が困難な状況に直面して初めて自分の将来を考えるのではなく、日頃から情報や相談相手につながれる環境をつくりたい。

    突然の失業。
    それは、長年お世話になった物流業界へ、今度は違う立場から関わっていきたいと思う出来事でもありました。

    🌱支援を必要とする人が、支援を探し当てなければならないのだろうか

    物流業界とシングルマザー。

    支援する対象も、抱えている問題も異なります。
    けれど、私がこの二つの領域に向かう理由には、共通するものがあります。

    どちらも社会的な課題が大きく、改善が求められている領域であること。

    そして、必要な情報や支援にたどり着くことが、必ずしも容易ではない人たちがいることです。

    高校時代の私も、将来に悩んでいたドライバー時代の私も、誰かに相談することで違う選択肢が見えるかもしれないとは考えられませんでした。

    だから、今はこう思うのです。

    支援を必要としている人が、自分で支援を探し当てるのを待つだけで、本当に必要な人へ届くのだろうか。

    相談するという発想を持てない人もいます。

    誰に、何を相談すればよいのか分からない人もいます。

    だからこそ、私は、支援する側からその人たちのいる場所へ近づいていきたい、そう思いました。

    それが、私があえてキャリア支援の届きにくい場所へ向かおうとしている理由です。

    💡あなたの「これまで」を、「これから」の力に

    もし今、自分のこれからについて一人で考え続けているのなら、

    今見えているものだけが、すべての選択肢ではないかもしれません。

    自分では気づいていない経験の価値も、まだ知らない制度や支援も、あるかもしれません。
    そして、それを一緒に考える人がいることを、知っていてほしいのです。

    自分の「これまで」を、「これから」の力に。

    私は、その過程で一緒に考えるキャリアコンサルタントでありたいと思っています。

    今すぐでなくても構いません。
    いつか、誰かと話してみようと思ったとき、

    「ああ、そういえば、こんな人がいたな」

    そう思い出してもらえたら。
    そして、必要なときに手を伸ばしてもらえたら。

    私は、その手が届く場所にいたいと思っています。


    🌱キャリア相談について

    この記事では、物流業界とシングルマザーの方々への支援を中心にお話ししましたが、もちろん、ご相談いただける方を限定しているわけではありません。

    年齢や性別、職業、これまでの経験にかかわらず、仕事や働き方、これからの人生について考えている方のお話をぜひお聴かせください。

    「今の仕事を続けていていいのだろうか」

    「これから何をしたいのか、自分でもよく分からない」

    「誰かに話を聞いてもらいながら、頭の中を整理したい」

    そんな漠然とした思いでも構いません。

    相談するために、あらかじめ答えを用意する必要はありません。

    まずは、今の状況や気持ちを言葉にするところから、一緒に考えてみませんか。

    ご相談は、公式LINEからお気軽にお声がけください。



    引用・参考

    劇場版『虎に翼』予告①(2026年9月15日公開/東宝MOVIEチャンネル)

    公式予告映像はこちら(0分45秒付近)


     
     
    「私には何もない」と思っている人へ。仕事、子育て、失敗や遠回りも、生きてきた中で身につけた力になります。「生き様は、スキルになる。」をテーマに、自分ではまだ気づいていない力と選択肢を見つけるヒントを発信。国家資格キャリコン|非認知能力育成トレーナー|「KURUMA-ZA」主宰

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