
【ハロウィンの夜】ソラと一緒に旅する世界|ちょっと怖いけど歩きたい道
オレンジ色の灯りが、夜の街をふわりと包んでいた。
ハロウィンの夜。
道の両側にはカボチャランタンが並び、光と影が揺れている。
ぼくはその小道の入り口で、立ち止まった。

きらきらと瞬く灯りはきれいだけれど、影は大きく伸びて、見慣れた街並みを少し違うものに見せていた。
カサッ……。
風に吹かれた落ち葉の音に、思わず耳がぴくりと動く。
「ちょっと……怖いかも」
心の中でそうつぶやいて、前足を止める。
そのとき。
背中に、トントン、と小さな気配。
振り返ると、飼い主がすぐそこに立っていた。

彼女の足音は、不思議と安心を連れてくる。
目を合わせると、何も言わなくても
「大丈夫だよ」 と伝わってきた。
そのぬくもりを背に受けながら、ぼくはもう一度、小道の先を見つめた。

怖さは、なくならない。
でも、誰かがそっと寄り添ってくれるだけで、胸の中の緊張が少しずつほどけていく。
一歩。 カサッ。
落ち葉を踏みしめる音が、今度は少し勇ましく響いた。
進んでみると、ランタンの灯りは思ったよりもやさしかった。

影は怖い形をしていたけれど、近づけばただの木や石ころ。
ぼくは胸の奥で小さく笑った。