
【モリスとの出会い】ソラと一緒に旅する世界

紅葉の森を、飼い主とゆっくり歩いていた。
足もとには、カサカサと音を立てる落ち葉。
ときどき風が吹くたびに、枝の上から新しい葉が舞い降りてくる。
そのひとつが、ぼくの目の前をふわりと通り過ぎた。
金色に光る葉っぱ。
ぼくは思わず、風の行く先へ駆け出していた。

「ソラ、どこ行くの?」
背後から飼い主の声が聞こえたけれど、
風の音に混ざって遠くなっていった。
落ち葉を追いかけて、森を抜けると
そこは広い丘だった。
🌾 丘の上のベンチ
丘の上には、古びた木のベンチがあった。
夕陽に照らされて、金色に染まっている。
そのベンチに、ひとりの老人が腰を下ろしていた。

長い旅を続けてきたような、すこし色あせたコート。
そして、やさしく風を見送るようなまなざし。
「風に連れられてきたのかい?」
老人が笑った。
ぼくは小さくうなずいた。
胸の奥がぽっと温かくなった。
旅商人のモリス
そう名乗った彼は、ゆっくりと空を見上げた。
