
Computer World Tour'81 考察 "カセットMTR"
Florianは1981年のComputer World TourでSynthanormaやTriggersummeのSync信号とバッキングトラックの再生用にカセットMTRを使用していた。機種はKarl自伝の記述と実際に確認できる写真もあるためTEAC 144(Portasound)であると思っていた。
しかしSynthanorma関連を調べていた時にSynthesizerStudio BonnのDirk Matten氏本人?によるこんな書き込みを見つけた…(https://amsynths.co.uk/2022/02/04/synthanorma-sq312-sequencer/ )

「Fostex 160?発売年が違いすぎないか?それとも後年使っていたのと混同してる?」と思い、はじめはMatten氏の勘違いかと思っていた。
しかしこれは以前から軽く引っかかっていた以下2つの疑問を解くヒントだった。
疑問1
Florianのユニットを写したこの写真。端子の配列をよく見てみるとTEAC144と違う。しかも端子群とユニットの穴とで形状が合っていない。

ちなみにこちらがTEAC144と思われる(配列が同じ)別の写真。ユニットの穴の形状はピッタリ。撮影日も6月。つまり時系列としてはこちらが先っぽい。
疑問2
FlorianのオークションページにあったFlorian作成のVotraxに関する資料(これだけで大興奮!→ https://www.juliensauctions.com/en/articles/florian-schneider-new-documents-reveal-the-dna-of-robot-pop )の中にあったTEAC144っぽいけど何か違う?MTRのイメージ

この2つの疑問とMatten氏のコメントがふと合わさった。
そうだ!!
『fostex cassette mtr 1981』検索!!

"FOSTEX 250"‼︎これだ‼︎
後ろの端子群は…?

おー!似てる⁉︎
と、ここで新たな疑問
なぜ機種を変更したのか?
という事でこの2機種の大きな違いは何なのか調べてみると、"144"は基本的にミックスされた2chしか出力出来ないが"250"は録音した各チャンネルのパラアウトができる。
確かに写真でもその端子にケーブルが繋がっている。
パラアウトなら後から個別にエフェクトも掛けやすい。
パラアウトはどうしても必要だったのかもしれない。
以上で……んんん??
…144の写真、左下の穴、よく見たら普通ならそこには無いはずの4つの端子…これパラアウトの改造をしていないか⁉︎
(回路図を見たら確かにその改造は簡単にできそうだった)

であれば別に250に変えなくてもよかったのでは?
てなわけで機種変の理由だけは謎のまま…
まとめ
Florianの使用していたMTRは、切り替え時期はわからないが
前期”TEAC 144”
後期”FOSTEX 250”
だったのではないか。"144"でも"250"でも4chでパラアウトしていた。(実際に使っていたのはクロストークの問題でSync信号chの隣を1ch空けて2chの計3chだと思うが。例:1ch=Sync 2ch=空き 3ch=Percussion 4ch=SE)
追記
Matten氏はKraftwerkとの付き合いは長かったので、Kraftwerk初期(Autobahn Tour時)のカセットデッキTEAC A-160とFOSTEX250を混同していたのではないだろうか…?