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ジゴクダイバー 3

    ◆バックナンバー◆
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    ※ライオンマスクからのお知らせ※
    この記事は課金記事となっていますが、本編は無料で全て読めます。おたのしみください。


    「お前は誰なんだ」
    「んー、そうだなあ……

    ……刑死者〈ハングドマン〉とでも呼んでよ」「長い」「じゃあジョンで」
    ジョンはふわふわと落下の速度を変えながら、俺をあざける。
    「質問には答えてないぞ。お前は誰なんだ」
    「忘れちゃった、そんなこと」
    「そんな?」
    「自分以外だれもいないのに、自分がだれか気にする必要がある?」
    改めて近づいてみると、旧式のアーマーはぼろぼろでほぼ意味をなしていない。
    相当以前に落とされたようだ。
    「こっちの質問にも答えてよお。きみ、何したの」
    「罪人をかばった」
    「それだけ?」
    「これ以上言う必要はない」
    「いいじゃん、お話しようよお。久しぶりに生きてる人間がここまできたんだから」
    ジョンがけたけたと笑った。スピーカーの音量を落とす。
    「それにさ。ここで別れたらきみはもう一生、うちと話すこともないんだぜ。ジゴクの先輩に、聞いておきたいこととか、ないの」
    俺は「ない」と返そうとしたが、言葉につまった。俺はこの穴のことを


    何も


    知らない。「お前、なんで生きてるんだ?」


    「べつに生きてないけど」
    「アーマーがぶっ壊れてるのに、この速度で形を保ってるのがおかしい。空気抵抗で消滅しているはずだ」
    「アア!」
    声のトーンから、ジョンが膝を打つ音が聞こえた気がした。
    「あー……

    今って、『そういうこと』になってんの?」
    「そういうこと?」
    「光速と時間の関係って知ってる?」
    「光速?」
    「まじか」
    ジョンは狂ったように笑い出した。
    「えっへへへへへへ、おっかしいなあ。きみ、何もしらないんだ。いいよ、やっぱり教えるのやめた。そのまま落ちていけばいいさ」
    「おい、どういうことだ」
    言いぐさが気に障って、俺は言い返した。
    「ううん、聞かないほうがいいよ。認識したらどうなっちゃうかわかんないからさ。


    でも、ひさしぶりにお話できて楽しかったから、ヒントだけあげる」

    ジョンのアーマーが脱げ、中から長い金髪の女が出てきた。


    「『万有罪力〈バンユウザイリョク〉』
    きみとうちを引っ張る『罪力』は、犯した罪の質量で、がぜんちがってくるんだよ」


    髪が、なびいていない。


    「でもさ、じゃあジゴクの底にはなにがあるんだろうね?
    うちらを引っ張っているものは、なんなんだろうね?」
    「『底』だと?!本当に『底』があるのか?!」

    ジョンは落下をやめ、中空にとどまって、ひらひらと俺に手を振った。


    【制御回復。速やかに休眠せよ。カウントダウン省略】
    「おい、待て話は」
    薬品が注入され、

    俺は


    意識を

    失う。


    【続く】


    ジゴクダイバー:設定ファイル②(課金コンテンツ)

     
     
    小説家。代表作:『Q eND A』(角川ホラー文庫)『大谷ポケカ』ライオンマスク名義でゲームやサウナの記事も書く。ホームは『第三玉の湯』。ゲームや小説やサウナ関係の案件を募集中です X:@44900_lion mail:lionmizuburo@gmail.com

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