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ディスクドッグガヌル ② のびしろ

    ①4/3 内容が修正されおいたす

    ヌ ディスクドッグガヌル ヌ
    ヌ ② のびしろ ヌ

    「もう䞀本いくわよダむスケ」
    「倧茔さん、フォヌムが乱れおたすよ。投げるたでのディスクの動きは、投げる方ぞ䞀盎線を意識しお。サクラちゃんはもっずディスクよく芋お走りながらゞャンプのこず考える」
    「ちょ、ちょっず埅っおくれ、さっきから投げっぱなしで腕が」
     数日埌、倧茔ずサクラはグラりンドでディスクドッグの緎習をしおいた。倧茔が投げるたびに、サクラが走っおディスクを捕たえるのを延々繰り返す。゚リがそれを録画しお、数回ごずに党員でフォヌムや飛距離を確認した。
    「ただただいけるでしょ、元野球郚なんだから」
    「野球郚は人間の䞭じゃ䞈倫なほうだっお聞きたしたよ」
    「野球郚をなんだず思っおるんだ」
     サクラは、ずっおきたディスクをもおあそびながら、バテおいる倧茔を芋䞊げる。もう癟本は投げ続けおいるずいうのに、息もあがっおいない。ずんでもない䜓力だ。倧茔のほうもそこそこ䜓力に自身はあったが、むヌ人ず人間の違いをあらためお思い知らされる。
    ここたでキツいなら、匕き受けるずきにもっず考えるんだった
    「じゃあ、もう䞀本」
     サクラが駆けだし、あっずいう間に背䞭が遠くなる。倧茔は構えお、歯を食いしばっおディスクを投げた。

    ヌ

    「ダむスケ。あんた、あたしのスロワヌになりなさい」
     そういきなり告げられたあず、倧茔はサクラから圌女の事情を聞いた。
     曰く、サクラの䞡芪は、圌女がディスクドッグ遞手を目指すのを良く思っおいないそうだ。それでも緎習に励むサクラを支えおいたのは、゚リをはじめずする友人たちだった。
    「前たで、おじいちゃんのお友達に頌んだり、孊校の先生や友達に頌んで投げおもらっおたんだけど」
     サクラはシャワヌを济びお泥を萜ずし、携垯甚のドラむダヌで毛皮を也かしおいる。
    「さっきあんたに投げおもらっお、びっくりしたの。すっごく速く、高くディスクが飛んで、远いかけるあたしの足にも力がこもっお」
    「いや、俺はただ投げただけで」
    「  あのね、今幎の春の競技䌚が、最埌の機䌚なの。ここで優勝できなければ、あたしは蟞める。パパずママずの玄束」
     倧茔は、懞呜に走り、ディスクを远い、取れれば嬉しそうにするサクラの顔を思い出した。よっぜど奜きなんだろう。
    「だから、春の競技䌚たででいいから、スロワヌになっおほしい。お願い」
     サクラは真っ黒な瞳で、倧茔を芋぀めお、頭を䞋げた。

    ヌ

    「いいですか、倧茔さん。ディスクドッグの基本ルヌルは倧きく぀。぀、スロワヌは人間、キャッチャヌはむヌ人であるこず。぀、スロワヌは、キャッチャヌがスタヌトしおから投げるこず。぀、キャッチャヌはより遠く・高く・矎しくキャッチするこず」
     緎習が終わった埌、゚リは県鏡の䜍眮をなおしながら、グラりンド脇のホワむトボヌドに図を曞き蟌んでいった。倧茔はベンチに座っおそれを芋おいお、サクラは隣でストレッチをしおいた。
    「぀目の『遠く・高く・矎しく』で、点数が決たりたす。具䜓的には、キャッチした時の距離ず高さから出した点数に、審査員による芞術点が加わる。そしお珟代ディスクドッグでは、芞術点が最も差が付きやすい芁玠ずされおいお  」
     ゚リの流暢な説明を聞いおいるず、暪からサクラが耳打ちしおきた。
    「゚リはディスクドッグオタクなの。テンション䞊がっおくるず話が長くお面倒だから、適圓なずころで  」
    「倧茔さんなぜ芞術点が倧事か知りたいですか」
     ゚リが錻息荒く芗き蟌んでくるので、倧茔は思わず頷いおしたった。
    「そうそうですよねご説明いたしたしょう」
     サクラが溜息を぀き、クヌルダりンしおくるわね、ず垭を立った。
    「たずは珟代ディスクドッグの歎史からディスクドッグの基瀎ずなったのは䞭䞖ペヌロッパで行われおいた狩猟で  」

     ゚リの長い話を、倧茔はスマヌトフォンにメモしおいった。本圓はもっず豆知識や现かい歎史に脱線したが、それを省いおも長かった
     話が完党に脱線しおいる間に、ひずしきり内容を確認する。あずで倧事なずころは倪字にしおおかないず。

    • 昔、狩猟はむヌ人ず人間が協力しお行っおいた。人間が銃や匓で撃った獲物を、むヌ人が鋭い感芚ず身䜓胜力を頌りに回収しおいた。ペヌロッパの人間の貎族にずっお、優秀なむヌ人を召し抱えるこずがステヌタスずなり、そのうち獲物をずるこずよりも、むヌ人の身䜓胜力を芋せびらかすこずが目的になった。ある時、獲物が党くずれず、代わりにある貎族がパむ皿を投げおキャッチさせたのが、ディスクドッグの始たりずされおいる。珟代ディスクドッグに぀ながる欧米圏の歎史。日本には『犬远物』ずいう独自の文化があったが、欧米基準で芏栌された珟代ディスクドッグのルヌルずは倧きく異なるため、衰退しおいる

    • 貎族制や身分制床の解䜓を受け、ディスクドッグが隷属や䞻埓関係の象城ずしお忌避された時期もあった。数癟幎埌、むヌ人文化をめぐるルネサンス的な運動の䞭で、むヌ人の運動家たちが自身の身䜓を䜿った芞術・パフォヌマンスずしおディスクドッグを芋盎し、「むヌ人のスポヌツ」ずしおルヌルを敎備した。これが珟代ディスクドッグの始たり。

    • 䞻圹がむヌ人ずいう歎史的経緯から、スロワヌに䟝存する、ディスクの飛距離による点数距離点はあたり差が出ないルヌルになっおいる。加えお、ゞャンプのために脚をためる目的で、いたずらに遠くたで飛ばすより、䜙裕のある距離で綺麗にキャッチするのがセオリヌずされる。

    • 距離点は、颚向きなどを考慮しお蚭定される基準点から、キャッチした点たでの距離に倍率をかけたもの。基準点から倍の距離以降は距離あたりの倍率が䜎くなるため、そのあたりでキャッチしお点皋床を確保するのがセオリヌ。

    • 高床点は、キャッチした時のディスクの高床に倍率をかけたもの。䞀般的なキャッチャヌは~皋床で、点~点ずなる堎合が倚い。

    • 芞術点は点満点で、人の審査員が出した぀の点数のうち、最も高い点数ず䜎い点数を陀いた぀の平均ずなる。審査の察象は走り・ゞャンプ・着地の姿勢や矎しさ、正確さなど。

    「そろそろ終わった」
     話が終わったころ、クヌルダりンを終えたサクラが垰っおきた。
    「ただただ話足りないんだけどねディスクドッグの歎史を倉えた遞手の話ずか」
    「はいはい。ダむスケ、だいたい䞭身はわかった」
     倧茔は少しうんざりしながら頷いた。
    「①ディスクドッグはむヌ人が䞻圹。②距離や高さより、差が぀くのは芞術点。これであっおるか」
    「うん。③゚リは話が無駄に長い。も远加すべきね」
     ルヌルを知るず、テレビで芋るような遞手たちの華麗なゞャンプにも玍埗がいく。ずいうか、ゞャンプが華麗に芋える者でないず勝おない競技だ。倧茔には、芞術性が絡むスポヌツの経隓はなかったが、そこに厳然ずした有利䞍利があるのはわかった。
    なら、よけいに倱敗できないな
     サクラは䞍利な条件の䞭戊っおいる。圌女のがんばりを無駄にしないためにも、ディスクを正確に投げなければならない。しばらく消えおいたやる気の炎が、わずかに燃えるのを、最近は感じる。

     それから2週間ほど、倧茔は授業のない日にグラりンドに行き、サクラたちずトレヌニングに励んだ。倧茔は埐々にディスクを投げるのに慣れ、サクラずも息が合っおきた。
    「うりゃあ」
     サクラが跳躍し、ディスクを぀かんで着地した。䜓勢も厩れおいない。距離も高床も十分だ。暪で録画しおいた゚リが、すご、ず぀ぶやいた。
    「どうよ、ダむスケこれなら競技䌚で優勝だっおできそう」
    「ああ、慣れおくるず面癜いもんだな」
    「うんうん、゚リもびっくりだよ。スロワヌが倉わるだけで、ずいぶん倉わるもんだねえ」
     ゚リが分析したずころによるず、倧茔の投げるディスクは普通のスロワヌよりかなり速いらしい。そのため、サクラも党速力で走っお跳躍するこずができ、距離やゞャンプの高さのみならず、フォヌムも良くなっおいるようだ。最初の頃に比べお、ゞャンプやキャッチの粟床も栌段に䞊がっおいた。いい感觊だった。そしお、倧茔は䜕より、投げたディスクをサクラが党力でキャッチしおくれるのが、嬉しかった。

     もう䞀本、ずサクラが動き出そうずしたずき、グラりンドの倖から声がかかった。
    「スミマセン、代わっおもらえたすか」
     身なりのいい赀毛の青幎だった。人間だが、倖囜人のようだ。
    「僕のトモダチが、ここ、䜿いたいっお蚀っおる。予玄もしおあるんですよ」
     圌の蚀葉に、゚リはスマホに肉球をすべらせる。
    「わ、ほんずだ。普段めったに予玄入らないから、確認忘れおた。ごめんなさい」
    「仕方ないわね、今日は筋トレずランニング䞭心にしよっか。ダむスケも悪いわね、来おもらったのに」
    「いや、かたわないけど  」
     倧茔が気になったのは、ディスクドッグ甚のグラりンドなのに、青幎の近くにはむヌ人がいないこずだった。
    「スミマセン、君たち。ありがずう」
     青幎は人圓たりのよさそうな笑みをうかべながら歩いおきお、出おいく倧茔たちずすれ違う。そしお、公園の脇に留たっおいる高玚そうな車に声をかけた。
    「ディアナ、堎所があいたよ」
    「え”」
     ゚リがその名前を聞いお、おかしな鳎き声をあげお振り返った。

     車から、现長い圱があらわれる。切れ長な灰色の県、銀色の長い毛皮、すらりずした長い脚、長い錻先。凛ずした立ち姿。海倖ファッション誌のセレブなモデルのようだ。身長は倧茔よりも高い。
    「う、うっそォッ」
    「え、マゞなんでこんなずころに」
     ゚リずサクラは驚きすぎお耳をひくひくさせおいる。
    「誰有名人」
     倧茔が聞くず、゚リが早口でたくし立おる。
    「あの方はですねえディスクドッグの本堎、ペヌロッパのゞュニア倧䌚でデビュヌ以来負けなしの最匷遞手、ディアナ・ボルゟむさんですよぉヌその優雅で完璧なキャッチスタむルは、ゞュニアクラスの今ですでに『珟代ディスクドッグの到達点』ず蚀われおいるほど  なんでこんなずころに  はぁ、近くで芋るずすっごい矎人だぁ  旅行か䜕かかなああ、埅っお、いい匂いがするゥ」
     うっずりずした県差しで芋぀める二人を埌目に、ディアナず呌ばれたむヌ人は、倧きな歩幅で颯爜ずグラりンドぞず向かっおいく。すれ違いざた、にっこりず埮笑めば、二人は「はぁ」ずずろけた声をあげた。
    「あ、そうだ。キミタチ、ディスクドッグやるのかなこれから、ディアナず軜く緎習するから、よかったら芋るかい」
     赀毛の青幎は䞊着を脱ぎ、スポヌツりェアにディスクを持っおいた。
    「芋たすぜひ芋させおくださいこんなに間近で、䞀流のキャッチが芋られるなんお、普通ありえないんだから」
     今床はサクラが食い぀いた。尻尟はものすごい勢いで巊右に振れおいる。本圓に有名な遞手らしい。
     青幎はディアナに倖囜語で䜕事か話し、ディアナは頷いた。おそらく、二人が緎習を芋孊するのを蚱したのだろう。
     二人は、りォヌミングアップを始めたディアナに釘付けになっおいる。ディアナの䜓は现く、それでいお匱い印象は党くない。むしろ匷靭な金属のようだ。研ぎ柄たされた、走り、跳ぶための肉䜓だ。倧茔が甲子園で芋た、党囜の倩才たちず同じようなオヌラがあった。結局、倧茔たちが届かなかった、頂きに立぀者の。
    「熱心な子䟛たちですね。日本の子䟛たち、みな向䞊心高くお玠晎らしいですディアナ、子䟛奜きですから、OKしおくれたした」
     青幎が準備運動をしながら、倧茔に声をかけた。
    「子䟛ゞュニアクラスずいうなら、サクラたちず歳はあたり倉わらないんじゃ  」
    「おおそうですかスミマセンじゃあ、ディアナのラむバルですね」
     青幎の朗らかな笑みず察照的に、倧茔の背筋には、嫌な汗が぀たった。
    「ディアナは、留孊生です。春の競技䌚に参加するんですよ」

    ③に続く→

     
     
    小説家。代衚䜜『Q eND A』角川ホラヌ文庫『倧谷ポケカ』ラむオンマスク名矩でゲヌムやサりナの蚘事も曞く。ホヌムは『第䞉玉の湯』。ゲヌムや小説やサりナ関係の案件を募集䞭です X:@44900_lion mail:lionmizuburo@gmail.com

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