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✾ いよいよ発売開始! ✾

    昨夜、販売開始のメールが届きました。長かった……です。 そう、待つのは、いつも長い。


    正確には思い出せないが、五十年以上前に読んだ堀口大学訳の本に、シャルドンヌの言葉があった気がする。一時間の待ち時間も長く、永遠の時間も短く感じられる、というようなことが書かれていた――そんな記憶だけが残っている。本は行方不明で、いざ探しても、その言葉を見つけられなかった。

    記憶というのは、こんなふうに都合よく、リズムだけを残していくものなのかもしれない。


    出版すると決めてからは早かった。

    編集をしてもらい、表紙を作ってもらい、私は慣れない登録作業に四苦八苦した。LaLaLaさんが立ち上げてくれた「LaLaLa Books」というレーベルから、この本は世に出ることになった。

    入力項目を確認しては修正し、また確認する。ようやく申請ボタンを押した時には、ひと仕事終えた気分だった。

    四苦八苦して七転八倒しての五日間だった。

    ところが、その後が長い。

    KDPの画面には「レビュー中」の文字。

    販売開始のメールが来ない。

    たった二日なのに、妙に長い。

    何度もメールを確認した。

    まだか……

    ラーメンができるまでの数分でさえ長く感じるのだから、待つというのは不思議なものだ。

    ようやく販売開始のメールが届いた時には、思わず笑ってしまった。

    二日前には永遠のように思えた時間が、振り返ればあっという間だった。

    心のなかで、そっと呟く。

    「……一時間待つのも長いこと」


    この本がここまで形になったのは、
    LaLaLaさんの編集と表紙、そして「LaLaLa Books」という場があったからです。心からの感謝を込めて。



     
     
    美澄キラ|小説 死者と生者が再会する連作短編集『境界線のカフェ』執筆。(Kindleで出版済) 静かな余韻の残る物語を書いています。

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