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䞉島由玀倫『金閣寺』感想矎しすぎる文䜓に床肝を抜かれた䞉島文孊初䜓隓

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    䞉島由玀倫『金閣寺』あらすじず感想「金閣寺を焌かねばならぬ」。ある青幎僧の砎滅ず内面の枊

    今回ご玹介するのは幎に新朮瀟より発行された䞉島由玀倫著『金閣寺』です。

    早速この本に぀いお芋おいきたしょう。

    【新装版、新・䞉島由玀倫】

    金閣を焌かなければならぬ――。砎滅に至る青幎の「告癜」。

    最も読たれおいる䞉島䜜品。囜際的評䟡も高い。〔新解説〕恩田陞

    「矎は  矎的なものはもう僕にずっおは怚敵なんだ」。吃音ず醜い倖貌に悩む孊僧・溝口にずっお、金閣は䞖界を超脱した矎そのものだった。ならばなぜ、圌は憧れを焌いたのか? 珟実の金閣攟火事件に材を取り、31歳の䞉島が自らの内面党おを蚗した䞍朜の名䜜。血ず炎のむメヌゞで描く〈珟象の吊定ずむデアの肯定〉──䞉島文孊を貫く最倧の原理がここにある。

    巻末に甚語、時代背景などに぀いおの詳现な泚解、䜐䌯地䞀、䞭村光倫、恩田陞による解説、さらに幎譜を付す。

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    䞉島由玀倫1925-1970Wikipediaより

    『金閣寺』は蚀わずず知れた䞉島由玀倫の代衚䜜です。

    私がこの本を手に取ったのは以前ブログで玹介した小阪修平『思想ずしおの党共闘䞖代』がきっかけでした。

    元々この『思想ずしおの党共闘䞖代』もスリランカにおける幎の孊生達の歊装蜂起に぀いお孊んだ流れで手に取ったものでしたが、日本における孊生玛争に぀いお孊んでいおぶ぀かるこずになったのがやはり䞉島由玀倫の存圚でした。党共闘ず䞉島由玀倫ずいえば、近幎公開された『䞉島由玀倫vs東倧党共闘〜50幎目の真実〜』ずいう映画で話題になりたした。

    日本の思想や時代の流れを考える䞊でやはり䞉島由玀倫は倖せたせん。

    そしお私は前々からい぀か䞉島由玀倫䜜品を読んでみたいず思っおいたのでありたした。

    ず蚀いたすのも、私は幎にロヌマに滞圚しおおりたした。そしおその時にお䞖話になったむタリア人のガむドさんに「䞉島由玀倫は玠晎らしい。圌の文䜓は非垞に矎しい。ドスト゚フスキヌが奜きなあなたなら必ず気に入るでしょう」ず薊められおいたのです。

    むタリア人から䞉島由玀倫を薊められるずいう䜕ずも䞍思議な䜓隓・・・ドスト゚フスキヌ奜きの私ずしおはこれはぜひ読んでみたいず匷く思ったのでありたした。

    ただ、その埌も旅行蚘の執筆や仏教の勉匷もあり、なかなか䞉島文孊に取りかかるタむミングを芋出せないたた時が過ぎおしたったのですが、その幎埌ようやく機が熟したした。スリランカ仏教の流れで期せず亀差した䞉島由玀倫。この機䌚を逃す手はありたせん。私はそこから䞉島䜜品を䞀気に読んでいくこずにしたのでした。

    そしお私が䞀番最初に読んだのはやはり代衚䜜『金閣寺』でした。

    私にずっおこれが最初の䞉島䜜品。緊匵の䞀瞬です。

    「幌時から父は、私によく、金閣のこずを語った。」

    この蚀葉から始たる物語。

    䞉島の独特の文䜓はどこから始たるのか。䞖界で称賛される矎しさはどこにあるのか。

    淡々ず語られる冒頭の蚀葉を私は泚意深く読み進めたした。

    するず、なんず、最初のペヌゞ目にしお私の胞を打぀矎しい描写が珟れたのです。

    舞鶎湟は志楜村の西方䞀里半に䜍眮しおいたが、海は山に遮られお芋えなかった。しかしこの土地には、い぀も海の予感のようなものが挂っおいた。颚にも時折海の匂いが嗅がれ、海が時化るず、沢山の鷗がのがれおきお、そこらの田に䞋りた。

    新朮瀟、䞉島由玀倫『金閣寺』P

    「しかしこの土地には、い぀も海の予感のようなものが挂っおいた」

    なんずいう衚珟でしょうこの時点で私は䞉島文孊の匷烈な文䜓を感じるこずずなりたした。

    そしおこれから先も䞉島スタむルはずどたるこずを知りたせん。

    その䞭でも特に印象に残っおいるのが次の䞀節です。

    たたたた、機関孊校の制服は、脱ぎすおられお、癜いぺンキ塗りの柵にかけられおいた。ズボンも、癜い䞋着のシャツも。  それらは花々の真近で、汗ばんだ若者の肌の匂いを攟っおいた。蜜蜂がたちがえお、この癜くかがやいおいるシャツの花に矜根を䌑めた。金モヌルに食られた制垜は、柵のひず぀に、圌の頭にあったず同じように、正しく、目深に、かかっおいた。圌は埌茩たちに挑たれお、裏の土俵ぞ、角力すもうをしにいったのである。

    脱ぎすおられたそれらのものは、誉れの墓地のような印象を䞎えた。五月のおびただしい花々が、この感じを匷めた。わけおも、庇を挆黒に反射させおいる制垜や、そのかたわらに掛けられた垯革ず短剣は、圌の肉䜓から切り離されお、华っお抒情的な矎しさを攟ち、それ自䜓が思い出ず同じほど完党で  、぀たり若い英雄の遺品ずいう颚に芋えたのである。

    新朮瀟、䞉島由玀倫『金閣寺』P

    よくぞたあこれだけの矎しい蚀葉を䞊べられるなず私はもはや呆気に取られおしたいたした。特に「そのかたわらに掛けられた垯革ず短剣は、圌の肉䜓から切り離されお、华っお抒情的な矎しさを攟ち、それ自䜓が思い出ず同じほど完党で  、぀たり若い英雄の遺品ずいう颚に芋えたのである。」ずいう衚珟・・・䞉島由玀倫にしかできない圧倒的な矎文ずはこういうこずかず唞ったのでありたした。

    こうした䞉島の矎しい文䜓に぀いお、巻末の恩田陞氏の解説では次のように述べられおいたした。これがたた玠晎らしく、私は二重に唞るこずになりたした。

    䞖の䞭には、あたりにもむメヌゞが先行し、そのむメヌゞが広く人口に膟炙しおしたっおいるがために、オリゞナルのほうがコピヌめいおしたう、ずいう珟象が存圚する。有名芳光地に行っお「絵葉曞みたい」ず思ったり、初来日の西掋名画を矎術通で芋お「教科曞ず同じだ」ず思う、ずいうような。

    私は金閣寺を芋るたびに、毎回必ず「プラモデルみたい」ず思っおしたう。そこにあるのはオリゞナルそのもののはずなのに、なぜか「金閣寺の暡型」が建っおいる、ず思っおしたう。おたけに、兄がプラモデルに塗っおいたツンずくる塗料の匂いたで、錻先に蘇っおしたうのである。

    そう、正盎蚀っお金閣寺はあたりにも「はりがお」めいおいる。もっずいうず、曞割めいおいる。どこずなく胡散臭く、嘘臭い。芝居がかっおいるずいっおもいい。そしお、それはそっくりそのたた䞉島由玀倫の䜜品の印象にもあおはたる。

    䞉島由玀倫の文章は、どこずなく金の塗料の匂いがする。あたりにも完璧か぀誰にも真䌌できない矎文しかも、蚀われおみるず、それ以倖の衚珟は有り埗ないず思わされるゆえに、぀る぀る滑っお、匕っかかりがない。金閣寺がい぀も曇りなくぎっかぎかで、「汚し」を぀けようなどずいう気にならないのず同じである。

    だからこそ、『金閣寺』は䞉島以倖には曞かれえなかったし、圓然䞉島の最高傑䜜なのだ。曞かれるべきものず曞くべき人がピタリず䞀臎したずいう点で、『金閣寺』は日本文孊史䞊最も幞運な䜜品なのではあるたいか。超豪華な「はりがお」同士がこの䞊ないタむミングで出䌚っおしたった結果、そこに黄金真実が出珟したのだ。

    新朮瀟、䞉島由玀倫『金閣寺』P

    「䞉島由玀倫の文章は、どこずなく金の塗料の匂いがする。あたりにも完璧か぀誰にも真䌌できない矎文しかも、蚀われおみるず、それ以倖の衚珟は有り埗ないず思わされる」

    そう、たさにその通りなのです

    どうしおこんな文章が曞けるのか。どうしおこんな衚珟が出おくるのか。過剰ずすら蚀えるほど矎しく食られた文䜓

    文章を曞きたいず思う人間にずっおこれほど敗北感を感じる文章はないのではないかず思うほど圧倒的な矎文です。

    ず同時に、これは自分の理想ずする文章ではないし、珟代においお受け入れられる文章なのかず蚀われるずそれも怪しい。そんな印象も持っおしたいたす。ですがそんな疑問も吹き飛ばす陶酔感が確かにありたす。よくわかりたせんがい぀の間にか没入させられおしたう蚀葉の矎しさが間違いなくあるのです。これは衝撃でした。

    そしおストヌリヌにしおも、䞻人公の告癜ずいう圢で物語が進んでいくのでありたすが、た粘っこいどこたでも匷烈な自意識が枊巻いおいたす。自分は他者ず違う。それもどうにもならないほど違うずいうこずにコンプレックスを持ちながらそれを誇り、自身のアむデンティティヌずもなっおいる。

    もうどうにもならないくらいどうにもならない青幎僧の内面がこの䜜品では語られたす。

    「金閣寺を焌かねばならぬ」

    なぜ青幎僧はそう思わねばならなかったのか。それを幌少期からその決行たで我々は芋おいくこずになりたす。

    そしおこの䜜品を読んでいおふず思ったのは、『金閣寺』はドスト゚フスキヌの『眪ず眰』ず察になる䜜品かもしれないずいうこずでした。

    『金閣寺』の解説では同じくドスト゚フスキヌの『カラマヌゟフの兄匟』に察する蚀及がありたしたが、私にずっおは『眪ず眰』のむメヌゞが匷く想起されたした。

    ず蚀いたすのも、『金閣寺』はある自意識過剰な青幎僧が金閣寺を焌くたでの心理状況を描いたものであるのに察し、『眪ず眰』はある知的な貧乏孊生が金貞し老婆を殺害した埌の心理的葛藀を描いた䜜品であるからです。

    この䞡䜜品に共通するのは過剰すぎる自意識です。そしお䞖間を揺るがす倧きな眪。

    『眪ず眰』では老婆ずその効を斧で殺すずいう事件を起こした䞻人公。

    そしお䞉島由玀倫は幎に実際に攟火され焌け萜ちた金閣寺を小説の題材にしたした。

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    焌倱盎埌の金閣舎利殿 Wikipediaより

    䞡䜜品共に、取り返しの぀かない巚倧な眪ず䞀人の青幎の匷烈な自意識が結び぀いおいたす。

    『眪ず眰』ず違っお『金閣寺』ではその事件埌は描かれたせん。ですが描かれないからこその䜙韻ずいいたすか、想像の䜙地がありたす。この攟火埌をあえお描かないずいうこずにもこの䜜品の特城があるのではないでしょうか。たさに私はこの䜜品を読んだ埌の異様な持続力を䜓感しおいたす。読み終わっおそれで終わりではないのです。読埌䜕日経っおもこの小説の異様な感化力が持続し、今でも「あれは䜕だったのか」ず私を掎んで離さないのです。

    私は『眪ず眰』をか぀お「ドスト゚フスキヌの黒魔術」ず呌びたした。ドスト゚フスキヌの䜜品は私たちに異様な感化力を以お襲いかかっおきたす。

    そしおたさに䞉島由玀倫の『金閣寺』もそのような䜜品だず確信したした。この文䜓。この熱量・・・恐るべき䜜品です。これから䞉島由玀倫の䜜品を読んでいくのが楜しみになりたした。

    いやものすごい䜜品でした。

    機が熟したこのタむミングでこの䜜品を読めたこずにも倧きな意味があったず思いたす。圓時の時代粟神や䞉島由玀倫ずいう巚倧な人間の思想に觊れるこずができた玠晎らしい読曞ずなりたした。

    ぜひぜひおすすめしたい䜜品です。

    以䞊、「䞉島由玀倫『金閣寺』感想矎しすぎる文䜓に床肝を抜かれた䞉島文孊初䜓隓」でした。

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