
イクラの醤油漬けを作ってみた 北海道の秋を召し上がれ
食欲の秋。
秋だからこそ味わえるものがたくさんある。
私が住む北海道は、おいしい物がたくさんある。
北海道に長く住んでいても、秋になると「今年もこれを食べなくちゃ」と思うものがいくつもある。
一番のりに登場したのは、秋鮭。
ここ数年、鮭漁が不良で、価格が高騰している。
鮭は自分が生まれた場所に戻って、産卵すると小学生の時にならった。
川で生まれて、海に出て、遠くの海を泳ぎながら成長して、帰ってくる。
最近は、気温の変化が海水温に影響しているのか、鮭が生まれた場所を間違えているのか。
そんな中、手話サークルの仲間が鮭を釣ってきた。

釣った鮭を捌き、その場で野菜と一緒に蒸し焼きにする「ちゃんちゃん焼き」を作ってくれ、みんなに振舞ってくれた。

鮭のお腹にいたイクラは、じゃんけん大会で勝った2名に贈呈されることになった。
参加者20人の中で優勝してしまい、ちゃっかりいただいてきた。
これは貴重な品。
さっそく「イクラの醤油漬け」を作ることにした。

家にある道具を使ってほぐす。
イクラを40度程度のぬるま湯の中で、
ザルにイクラの塊を押し付けるようにして、ほぐす。
膜で覆われていたイクラがポロポロとほぐれていく。

その間に、保存容器を煮沸消毒。
空き瓶を捨てずに持っていて、良かった。
同時に、漬けつゆの準備。
醤油とみりんを同じくらいの量を鍋にいれ、軽くお酒を入れる。
鍋に火をつけ、アルコールをとばしたら、準備完了。
このざっくりな感じでいいのです。
熱いまま使うと、イクラが白くなってしまうので、粗熱をとります。
そのあとは、瓶にイクラをそっと入れていき、漬けつゆを入れて蓋をしめて、ひと晩冷蔵庫へ。
朝おきたら、いい感じに味がなじんでいました。

イクラの醤油漬けをおいしくいただくお供は、これしかない。
「新米」
ちょうど、新米を買ってきたばかり。
お米も北海道産ゆめぴりか。
つやつやのご飯にイクラを乗っけたら、イクラ丼の出来上がり。
これだけで、何杯もおかわりできる。

醤油漬けを作りながら、義父のことを思い出していた。
この時期になると、義父は毎週のように海へ向かっていた。
山に囲まれた街から、車で何時間も走り、時には釣具屋さんの貸し切りバスに乗って。
船を借りて、海に出て鮭釣りを楽しむ。
巨大なクーラーボックスに食べきれないほど鮭を釣ってきた。
80歳を超えて、地方までの数時間の運転ができなくなり、釣りを辞めてしまってからは、少し元気がなくなったようにも思えた。
とっても久しぶりに友だちに釣りに誘われて、これが最後の釣りになるかもしれないと知床の近くまで行ったことがあった。
久しぶりの長距離運転に不安があったのか、「これから釣りに行ってくる。何かあったときは、頼むな」と遺言の様な電話をのこして、釣りに行った。
少しの心配と命がけで釣りに行く、「釣りバカ」っぷりに、私達家族は苦笑いした。
結婚したばかりの頃は、鮭まるまる一匹を捌くことに四苦八苦していたが、あの頃、毎年鍛えられたおかげで、イクラの醤油漬けもできるようになった。
つやつやの新米に、たっぷりのイクラ。
「うま〜い」と頬張りながら、ふと思う。
あの頃は、毎年のように持って帰ってくる鮭に、少しうんざりしていた。
今なら、もう少しありがたく受け取れるのにな。
イクラに舌鼓をうちながら、釣りバカ義父を思い出していた。