
待つ時間 | シロクマ文芸部 | 394文字
私は、待ち時間が好きだ。
思い返すと、いつも自分から待ち時間を作ってきた。
部活での集合時間。
遊びに行く集合時間。
とにかく早めに到着していた。
ただ1度、大きく遅刻をしたことがある。
高1の元旦。
当時、付き合っていた彼女がいた。
初詣に行くため、地元の駅で待ち合わせ。
集合時間は10時だった。
起床したのは14時。
PHSには山のような着信。
メッセージも届いていた。
「ほんとごめん」
「大丈夫だよ!待ってるから気をつけて来てね!」
少しも怒っていない彼女。
待ち合わせ場所に到着。
猛省の少年、私。
彼女は嫌味の1つも言わない。
終始笑顔で、短くなったその日のデートを楽しんでくれた。
夕方18時。
高校生の私たちのお別れの時間。
「今日は本当にごめん、それと楽しかった!ありがとう。」
「待ってる時間もデートの時間だから」
優しい笑顔でそう言う彼女。
めちゃくちゃかっこよかった。
私はそれ以降、
「遅刻はしない」と決めている。