
積読美術館 | 毎週ショートショートnote |410文字
5才から絵画教室に通っていた。
親の意向ではない。
絵を描くことが好きだった。
通っていた幼稚園に絵画教室があり、自然と通うようになっていた。
油絵。
小学校に入る前に始めていた。
先生は油絵が専門だった。
やさしい、おばあちゃんのような先生。
そんな先生の個展が開催された。
幼稚園児だった私は、母親に手を引かれて向かった。
初めて入る油絵の個展。
壁いっぱいに並ぶ絵を見て、
「絵本みたい」
と思った。
そこから、どういうわけか美術館にハマった。
近所の公園にあった近代美術館。
旅先で見つけた美術館。
そして小学校に入ってまもなく、初めて図書室に入った。
本棚には、びっしりと本が並んでいた。
私にとってそこは“本の美術館”だった。
帰宅すると、母親にその話を嬉々として語った。
今度は市立図書館へと連れて行ってもらった。
学校の図書室とは比較にならない。
本、本、本。
到底すべては読めない。
それでも背表紙を眺めているだけで楽しかった。
私にとっての積読美術館。