
秋分・しゅうぶん(新暦9月23日ごろ)
春分と同じく、昼と夜の時間が等しくなる日。秋分から冬至の前日までが「秋」になります。世界的に秋分は「収穫祭」の時期とされることが多いですが、日本のようにご先祖様を供養する祝日(秋分の日)としている例は独特です。最近、台風が多くて心配ですが、木々は着々と色づいてきていますね。いよいよ秋の到来です。
ここからは七十二候のご紹介です。
雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 雷が鳴らなくなる時期 9月23日〜9月27日 (第46候)
古来日本において、雷は単なる自然現象ではなく「神の鳴らす音(神鳴り)」であり、稲作の豊作をもたらす存在でした。3月下旬の春分に、恵みの雨を告げる「初雷」が鳴り響くのに対して、9月下旬の秋分では、役割を終えた雷が静かに声をひそめるということなのですね。
この時期を代表する花は「萩」です。万葉集でも、花の中で一番多く詠まれているのが萩だそうです。こぼれるように咲く花の様子から昔の人は生命力を感じていたのかもしれません。

蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)虫が冬支度を始める時期 9月28日〜10月2日(第47候)
変温動物である昆虫や爬虫類・両生類は、体温を保てなくなると動けなくなるため、本格的な冬が来る前に暖かく安全な地中深くへと避難します。昔の人は、道端の穴が土で塞がれていく変化を目にして、季節の深まりを実感していました。華やかな夏が終わり、生き物たちが静かな冬ごもりへ向かう、少しの切なさと温もりを感じさせる風情深い節目です。普段、昆虫なんて得体のしれない、気持ち悪い対象でしかないけれど、こうやって七十二候のことばに触れると、なんだか健気でかわいいものに感じてきますね?!
この時期は、イワシの群れに見立てた「鰯雲」(魚の鱗のように見えるので「鱗雲」とも言いますね。)がよく見られるようになります。ちなみに、昨日も一昨日も目にしました。

水始涸(みずはじめてかるる)水田を干し稲刈りに備える時期 10月3日〜10月7日(第48候)
「涸」という漢字は「涸渇(こかつ)」などに使われるように、「水がなくなる・尽きる」状態を表します。春、田んぼに水を引くことで生き物が湧き立ち、稲が育ち始めました。その豊かさを支え続けた命の水がひとまず役目を終えて引き、大地が収穫の表情へと切り替わる節目としてこの漢字があてられています。稲刈りに備えて、水を流し出すことを「落し水」と言うそうです。田んぼの水が抜けると、それまで水面に映り込んでいた空や雲の影が消え、代わりに黄金色の絨毯のような稲穂が乾いた風に揺れる景色が広がります。

夏の賑やかさが去り、空、生き物、そして人間の営みが足並みをそろえて「冬を迎える準備」を整える節目の時期が「秋分」なのですね。