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僕は資金調達をしない

    1人で会社をやっていると、たまに聞かれる質問がある。「資金調達はしないんですか?」ってやつだ。世の中はVCがいくつもあって、将来性がある会社を探している。千三(せんみつ)の法則で有象無象に資金を入れる、千に三つも当たれば、それで十分っていう戦略だ。まぁ小賢しい(^-^)

    資金調達はしない。僕はいくつか会社を立ち上げたことがあるが、一度も資金調達のような方法は取らなかったし、銀行からの融資も受けたことがない。まぁ、その程度の能力だと言える(^-^)

    資金調達がビジネスの加速装置であることは認める。他人の金は速いし、補助金ビジネスのカタチだってある。日本は馬鹿のように補助金を出している国だ、思いっきり少額だが(^-^) だが第三者からの資金調達はお金と同時に、目的関数の書き換え装置でもある。出資を受けた日から、会社の一番上の目的に「出資者の利益」という1行が書き込まれる。補助金の場合は、分厚い説明書の仕事が待っている。もちろん、悪いことではないし、それを利用しないことが愚かであることも認める。それが資本というものの契約だからだ。ただ、僕には将来、株主が絶対に承認しない種類の決定をする予定がある。作ったものを丸ごと、僕のものでもない器に移すことだ。利益の最大化と正面から矛盾する決定になる。僕以外の参加者がいたら、株主総会でも取締役会でも永久に通らない。通す方法は1つしかない。許可を取る相手を、最初から作らないことだ。

    つまり僕は、独裁者になるところから始めようとしてる(^-^)

    穏やかでない言葉だが、それは一般的にこの言葉の壊れた姿しか知らないからだ。「独裁者」ディクタトルは、もともと古代ローマの正式な官職である。戦争や内乱の非常時に元老院の議を経て任命され、権限は全部、命令に上訴はなし。ただし任期は最長6ヶ月。そして任務が済んだら、返上する。期限と任務と返上がセットになった全権、それが「独裁者」の本当の定義だ。

    キンキナトゥスという人がいた。畑を耕しているところへ使者が来て、独裁官に任命される。ローマ軍が敵に包囲されていた。彼は軍を率いて16日で敵を片付け、全権を返上して、畑に帰った。数年後にまた呼ばれて、また片付けて、また帰った。ローマ人が独裁者という役職を信用できたのは、返した男の実例があったからだ。

    言葉が壊れたのは後の話である。カエサルが任期に「終身」を付けて制度を壊し、以後2000年、独裁者は「返さない人」の名前になった。壊れたのは言葉のほうで、元の設計ではない。

    1人の会社の代表というのは、合法的な独裁官である。決定は速い。責任は全部僕に来る。そして、ここが肝心なのだが、手放す決定も僕1人で出来る。他人の金で大きくなった主たちは、どれほど帝国が大きくても、あげたくてもあげられない。僕の持ち物は小さいが、いつでも、丸ごと、バトンタッチ出来るのだ。

    独裁者のなり方は簡単だ。1人でいればいい。

    難しいのは、こういうことを彼女に内緒でやっていることだ(^-^)

    蛇足だが、キンキナトゥスというのは彼の仇名だったらしい、巻き毛だったからそう呼ばれたと聞く。そして、奇しくも僕はテンパーだ(^-^)

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