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100年続いた商店から、次の100年へ。僕が青梅でやろうとしていること。

    2027年の春、東京都青梅市大柳町に
    「SHOTEN NAKAJIMA」というお店を
    オープンする予定です。

    場所は、大正時代から約100年続いた、
    妻の祖父母の旧「中島茂十郎商店」。

    9年ほど前に閉店してから、ずっと使われていなかった建物です。

    今回、この場所を使わせてもらって、新しく事業を始めることになりました。

    SNSでは開業の報告をさせてもらいましたが、実際にどんなことをやろうとしているのか、なぜこの事業を始めようと思ったのか。

    なかなか一度の投稿では伝えきれないので、今回は少し詳しく書いてみようと思います。

    そもそも、何のお店をやるのか。

    最近よく聞かれる質問です。

    カフェ? レストラン? 食品加工場? 商店?

    どれも間違いではありません。

    今回つくろうとしているのは、CAFE・SHOP・LABOの3つの機能を持ったお店です。

    CAFEでは、青梅・奥多摩をはじめとした地域の食材を使った料理やコーヒーを提供します。

    普段使いできるカフェでありながら、週末の夜には予約制でコース料理も提供する予定です。

    SHOPでは、地域の生産者や職人がつくる商品、自分たちが加工した食品などを販売します。

    そしてLABO。

    ここでは、地域の農産物を加工したり、発酵食品や保存食、惣菜、焼菓子などを製造します。

    例えば、地元の農家さんから仕入れた野菜を、カフェで料理として提供する。

    一方で、規格外のものや余剰分は、ピクルスやドレッシングなどに加工して商品化する。

    その商品を店頭で販売したり、将来的にはECや卸売につなげたりする。

    一つの食材から、いくつもの価値を生み出せるようにしたいと考えています。

    簡単に言うと、つくって、食べてもらって、買って帰ってもらう。

    その一連の流れを、一つの場所でできるようにしたいんです。

    料理人として、これまで感じてきたこと。

    僕はこれまで、フランス料理を中心に料理人として働いてきました。

    フランスの三つ星レストランでの研修や、国内のレストランでの経験、店舗の立ち上げや運営など、本当にいろいろな経験をさせてもらいました。

    もちろん、今でも料理をつくることは大好きです。

    ただ、料理人として経験を重ねる中で、少しずつ興味の対象が広がってきました。

    以前は、どうしたらもっと美味しい料理がつくれるか、どうしたらお客様に喜んでもらえるか。

    そんなことを中心に考えていました。

    でも、いろいろな生産者の方と関わるようになって、料理をつくる前の段階にも、ものすごく面白い世界があることを知りました。

    食材がどうやって育てられているのか。

    どんな人が、どんな想いでつくっているのか。

    どうしてその土地で、その食材が生まれたのか。

    そういう背景を知ることで、料理に対する考え方も変わってきた気がします。

    美味しい料理をつくることは、料理人として当たり前に追求していきたい。

    でも、それだけではなく、料理を通じて何ができるのか。

    最近は、そんなことを考える機会が増えました。

    青梅・西多摩には、面白い人がたくさんいる。

    これまで青梅・西多摩地域を中心に、たくさんの生産者や職人の方々と関わってきました。

    東京和牛を育てる竹内牧場さん、浅野養鶏場さん、養沢ヤギ牧場さん、地域の農家さんやきのこの生産者さん。

    食材だけでなく、木工やガラス、藍染めなど、ものづくりをしている方々ともつながりができました。

    例えば、奥多摩の材木屋「森と市庭」さんと、青梅の木工作家「遼有堂」さん。

    間伐材や立ち枯れの楢の木を使って、料理を盛り付けるお皿をつくってもらいました。

    普通なら使い道が限られてしまうような木材でも、少し見方を変えれば、レストランで使う素敵な器になる。

    青梅の藍染工房「壺草苑」さんでは、藍染めのコックコートも制作していただきました。

    こういった取り組みは、自分自身もすごく楽しかったですし、料理人としての表現の幅も広げてもらいました。

    そして何より、この地域には面白い人が本当にたくさんいるんだなと感じました。

    ただ、その魅力がまだ十分に知られていないことも多いと思っています。

    素晴らしい食材をつくっていても、販売先が限られていたり。

    面白い技術を持っていても、知ってもらう機会が少なかったり。

    もちろん、僕が知らないだけで、すでにいろいろな取り組みをされている方もたくさんいます。

    でも、料理人という立場だからこそ、そこに新しい接点をつくれるんじゃないかと思っています。

    食材を加工することで、できること。

    今回の事業で特にやりたいことの一つが、食品加工です。

    僕自身、以前から発酵や保存食づくりが好きで、味噌や魚醤、コンブチャなど、いろいろと試してきました。

    もともとは料理の幅を広げたいという気持ちから始めたことですが、こういった技術は地域の農産物にも活かせると思っています。

    農産物は、天候や収穫時期によって生産量が大きく変わります。

    たくさん収穫できたからといって、すべてが売れるわけではありません。

    形が悪い、大きさが揃わない、少し傷がある。

    味には問題がなくても、流通しにくいものもあります。

    そういった食材を加工して、保存できる商品にする。

    それによって食材を無駄にせず、新しい販売先をつくることができるかもしれません。

    ただ、食品ロスを減らすことだけが目的ではありません。

    美味しいから買いたい。気に入ったからまた食べたい。

    まずは、そう思ってもらえる商品をつくること。

    その結果として、食材が無駄にならず、生産者にも還元できる仕組みになればいいなと思っています。

    商店という場所に、もう一度役割を。

    今回使わせてもらう建物は、もともと妻の祖父母が営んでいた商店です。

    昔の商店は、ただ買い物をする場所ではなかったと思います。

    近所の人が立ち寄って話をしたり、地域の情報が集まったり。

    日常の中で、人と人が自然につながる場所でもあったはずです。

    今は買い物も便利になって、わざわざ商店に行かなくても大抵のものが手に入ります。

    それはそれで素晴らしいことです。

    でも、地域の中に、特に用事がなくてもふらっと立ち寄れる場所があることって、結構大事なんじゃないかなと思っています。

    コーヒーを一杯飲みに来る人。

    野菜を買いに来る人。

    近所の人と話をしに来る人。

    遠方から料理を食べに来る人。

    ワークショップに参加する親子。

    いろいろな目的で人が集まって、そこで新しいつながりが生まれる。

    そんな場所になったら面白いなと思っています。

    僕がやりたいのは、一店舗をつくることだけではない。

    もちろん、まずはSHOTEN NAKAJIMAをしっかりと運営していくことが最優先です。

    ただ、今回の構想には、その先にやってみたいこともあります。

    例えば、青梅に来る人が増えて、周辺のお店にも足を運んでもらえるようになること。

    地域の生産者の商品が、今までとは違う場所でも販売されるようになること。

    新しく何かを始めたい人が、青梅という場所に可能性を感じられるようになること。

    将来的には、レストランの展開や、地域にある空き家・古民家の活用にも挑戦してみたいと思っています。

    青梅には、自然も歴史も文化もあります。

    都心からのアクセスも決して悪くありません。

    それなのに、まだまだ知られていない魅力がたくさんあると思っています。

    一方で、空き家が増えたり、商店が閉まったり、地域の担い手が減ったり。

    そういった課題もあります。

    でも、使われていない建物があれば、新しい使い方を考えればいい。

    活用されていない資源があれば、どうすれば価値を生み出せるか考えてみる。

    一つひとつは小さなことかもしれませんが、そうした取り組みが増えていけば、街はもっと面白くなるんじゃないかなと思います。

    そして、僕自身がその一つのきっかけになれたら嬉しいです。

    きれいごとだけでは、続けられない。

    ここまで書くと、ずいぶん理想的な話に聞こえるかもしれません。

    ただ、僕はこれまで店舗の立ち上げや運営にも関わってきたので、事業を続けていくことの難しさも感じています。

    どんなに良い取り組みでも、利益が出なければ続けられません。

    地域に貢献したいという気持ちだけでは、家賃も人件費も払えません。

    だからこそ、今回の事業では、地域との関わりだけでなく、しっかり収益を生み出せる仕組みをつくりたいと思っています。

    CAFE・SHOP・LABOの3つを組み合わせるのも、そのためです。

    一つの食材をさまざまな形で活用することで、原価や廃棄を抑える。

    製造を一元化することで、作業効率を高める。

    飲食だけではなく、物販や加工品の販売など、複数の収益源を持つ。

    そして、生まれた利益を、新しい設備や商品開発、人材育成、地域との取り組みに再投資していく。

    地域のためになることと、事業として成り立つこと。

    この二つを両立させることが、今回の挑戦で大切にしたい部分です。

    最後に。

    正直、今回の挑戦には不安もあります。

    これまで料理人として働いてきましたが、自分で事業を立ち上げるとなると、考えなければならないことが本当にたくさんあります。

    資金のこと、建物のこと、設備のこと、集客のこと。

    思うように進まないこともあります。

    それでも、やってみたいと思えるのは、これまで関わってきた人たちや、この地域に可能性を感じているからです。

    僕は、料理には人をつなぐ力があると思っています。

    美味しいものを食べて、自然と会話が生まれる。

    食材をきっかけに生産者のことを知る。

    一緒に何かをつくることで、新しい関係が生まれる。

    そんな小さなつながりが積み重なって、地域が少しずつ面白くなっていく。

    SHOTEN NAKAJIMAを、そんな場所にしていきたいです。

    100年前に始まった商店が、時代を超えて、また新しい役割を持つ。

    そして、この先の100年にも何かを残していけたら。

    まだまだ構想段階のことも多いですが、一つずつ実現していこうと思っています。

    現在、開業に向けてクラウドファンディングにも挑戦しています。

    もし今回の記事を読んで、少しでも面白そうだなと思っていただけたら、ぜひプロジェクトページも覗いてみてください。

    https://readyfor.jp/projects/shoten_nakajima_ome

    支援はもちろん、シェアしていただけるだけでも本当にありがたいです。

    これからも、開業までの過程や、実際に取り組んでいることなどを発信していこうと思います。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

    この記事が参加している募集

     
     

    TAKUMI

     
     
    西多摩フードラボ/bistro Aoshi 西多摩出身の現役シェフ。 今も現場に立ちながら、 西多摩地域の飲食店支援を行っています。 ▼対応可能 ・出張料理/ケータリング ・飲食店コンサル/メニュー開発 ・イベント企画 ・生産者コラボ企画 仕事のご相談はDMから

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