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JAXAが「宇宙太陽光発電」で地上に7-10円/kWhで電力供給を構想、ASUENE Insights Vol.10

    アスエネCEOの西和田 浩平です。
    AI・脱炭素/Climate・エネルギー・M&A・スタートアップファイナンスの世界の最新情報をお届けする「ASUENE Insights」第10回です🚀

    今週は、AI電力需要の拡大に伴うカーボン除去市場の成長、160億ドル規模のデータセンター投資、世界初の宇宙太陽光発電による電力供給など、電力をどう確保するかを軸に産業構造が変わり始めていることを象徴する6記事を解説。AIの進化はソフトウェアにとどまらず、電力・資源・インフラ全体を巻き込んだ競争へと広がり、この流れはさらに加速していく。

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    AI進化による電力需要拡大や、エネルギー自給率向上の重要性なども含め、次世代の経営・投資・産業構造の変化の観点で是非ご覧ください。✨

    【6】AIがカーボン除去市場を拡大へ。データセンター電力需要が新たな需要を創出

    世界のカーボンクレジット市場はまだまだ黎明期でこれから長期で盛り上がっていく。今の世界の市場規模は14億ドル(2,000億円)だが、これが2050年には2680億ドル(39兆円)へ190倍に増加予定となる。この要因が正に「AI」だ。AIのデータセンター電力需要増加によりGHG排出量自体も拡大し、これが企業のカーボン除去クレジットを求める動きが強まるとの予測。

    直近では世界最大のCDR購入企業のMicrosoftが新規契約を止めるとの報道がでていたが、これに対してMicrosoftは「CDRプログラムを終了したわけではない」と公式に否定する見解がでている。また、Microsoftに限らなくても、Google、Meta、Amazon、ShopifyはCDRのカーボンクレジット調達を近年強化しているフェーズ。加えて、最近金融機関のJP MorganもDAC含めたCDRの購入に加えて、CDRにつけるファイナンス提供も開始した。引き続き高品質なremovals市場は長期で拡大していくとみている。

    ・AIデータセンターの電力需要増加により排出量が拡大し企業がカーボン除去クレジットを求める動きが強まると予測されている
    ・カーボンクレジット市場は現在約14億ドルから2050年に約2,680億ドルへと約200倍に拡大する見通しとなっている
    ・データセンター電力は2035年に世界需要の最大4.4%に達する可能性がありテック企業の排出増加が市場を押し上げる要因となる
    ・Microsoft Google Metaはいずれも排出量が50%以上増加しAI成長と排出増の相関が顕在化している
    ・一方で直接排出削減の進展や投資一時停止により短期的には需要減速も見られ市場拡大には不確実性が残る

    【5】100億ドルAIスタートアップMercorに労働者が集団訴訟、AIの個人データ収集と流出問題

    累計4.8億ドル(700億円)を資金調達し、企業価値100億ドル(1.5兆円)の採用AI&AIモデル人材インフラの急成長スタートアップ/Mercor社が労働者から7件の集団訴訟に直面していることが発覚。理由は、第三者によるデータ侵害の発生だ。Mercorの3万人の契約労働者に関する情報が一部外部流出したとされており、録画された面接、顔認証などの生体情報、労働者のコンピューター画面のスクショが流出。Mercorはこういった労働者のデータをOpen AI、Anthropic、Metaに販売して収益をあげるビジネスモデル。Metaはこの問題をうけて、Mercorとの取引を一時停止の措置も講じている。

    強いAIの教育に向けてこういった専門人材からより高度な情報やノウハウを取って、そのデータを販売するビジネスモデル自体は非常に面白いが、AIによる情報漏えいリスクや訴訟は今後圧倒的に多くなる。その中でそれを防ぐようなビジネスモデルの需要も増加するし、AIの攻めと守りの需要がどんどん上がっていく。AIの攻めをやらない企業は淘汰され、守備に全企業に求められる中で準備しないと訴訟がどんどん増えていく世の中になる。

    ・Mercorはデータ侵害により面接録画や顔認証データなどを含む個人情報を流出させたとして少なくとも7件の集団訴訟に直面している
    ・同社はAI学習用データ確保のため応募者情報やPC監視データを収集し顧客企業と共有していた疑いがあり規制違反が指摘されている
    ・AI開発競争の激化により専門性の高い実務データの収集が進み企業機密や第三者データの混入リスクが急拡大している
    ・Metaは調査のため提携を停止し業界全体でデータ出所と責任の曖昧さが問題化している
    ・データ収集競争の加速によりプライバシー侵害や情報漏洩リスクが構造的に高まりAI産業の規制強化圧力が強まる可能性がある

    【4】Related Digital、Oracle向け160億ドル(2.3兆円)のデータセンターで資金調達完了

    AI需要の拡大により、データセンターは単なるITインフラではなく「電力×資本×不動産」が融合した巨大産業へと変わり始めている。今回の160億ドル規模の資金調達はその象徴で、BlackstoneやPIMCOといった金融プレイヤーが本格的にAIインフラに入り込んできている点が重要だ。データセンターはテック企業の設備投資ではなく、完全に金融市場の投資アセットクラスになっている。60億ドルがBlack StoneとRelated DegitalのEquity投資で、100億ドルがPIMCO主導の固定金利の債務で構成。

    今後はAI企業の競争軸がソフトウェアだけでなく、電力・設備・資金をどれだけ確保できるかに移る。AIインフラ投資はエネルギー・不動産・金融を巻き込んだ次の巨大市場へと拡張していく。より巨額の資本をもっているプレイヤーがさらに強くなる時代へとシフトしてきている。

    ・Related Digitalはミシガン州で建設中の160億ドル規模のOracle向けデータセンターに必要な資金調達を完了した。
    ・資金はBlackstoneのエクイティと、PIMCO主導の長期固定債務で構成され、約100億ドルの債券をPIMCOが取得した。
    ・このデータセンターは1GW超の大規模施設で、OpenAIとOracleが主導するAIインフラ拡張戦略の一環として2026年2月に建設が開始された。
    ・Alphabet、Amazon、Meta Platformsなどビッグテックは今年だけで約6500億ドルをAIインフラに投資する見通しである。
    ・AI需要拡大によりデータセンターは電力・資本ともに巨大化し、金融市場を巻き込んだインフラ投資競争が加速している。

    【3】太陽光発電は昨年急拡大、勢いは止まらない。太陽光発電の新記録を達成する国が増える一方、化石燃料に依存する国には追いつくべき明確な理由がある

    2025年は世界の再エネ発電量が初めて石炭を上回り、太陽光・風力など再エネが世界の34%を占め、石炭の33%を超えた。これは非常に画期的なことで新規増設は直近もマジョリティは再エネとなるため、今後も再エネがNo.1電源となる時代がここから続くこととなる。

    過去の補助金による再エネ賦課金を批判する人が多いが、たしかに金額の大きさ自体には議論の余地がもっとあったと思うが、これによりJEPXや世界のSpot Priceの昼間の値段が供給増により0-1円/kWhまで下がっていることでしっかりと電気代が低下している恩恵を理解できていない人がまだまだ多い。

    また化石燃料にも過去だけでなく今も多額の補助金が出されており、再エネを増やすことで化石燃料に使う補助金を減らすことができるので、そういう意味でも国民全体の負担はむしろ減ることなる。電力は料金制度や補助金制度が非常に複雑に設計されていることからなかなか消費者の理解が進みにくい領域ではあるが、今後はここらへんも徹底解説して発信していきたい。

    ・2025年は世界の再エネ発電量が初めて石炭を上回り、太陽光、風力、水力、バイオ燃料が世界の電力の約34%を供給し、石炭の33%を超えた。
    ・太陽光は2025年に風力を抜き、世界最大の再生可能電源になったため、再エネが石炭を超える歴史的転換の主因となった。
    ・チリは電力の25%、ハンガリーは27%を太陽光で賄い、太陽光比率10%以上の国は2020年の15カ国から2025年に50カ国以上へ増えた。
    ・2025年5月の昼間平均では、世界の電力の25%を太陽光が供給し、オランダは77%、ハンガリーは91%まで到達したため、蓄電池整備が次の課題になる。
    ・米国は需要増の88%をクリーン電力で賄った一方、インドは需要増の半分超を化石燃料で賄っており、日射量の多い国では太陽光の未開発余地が大きい。

    【2】原子力発電で世界をリードする国はどこか。米国は依然として最大の原子力発電国だが、中国の原子炉建設が急増中

    過去から伝えているとおり、原子力がどんどん再評価されてきている。エネルギー安全保障と脱炭素の両方を担うことができるからだ。一方で、原子力発電所は戦争やテロでも標的にされて狙われやすいことから、異なる文脈で安全保障の観点でよくないとの懸念も指摘されているため、防衛や安全対策も重要だ。

    アメリカがトランプ大統領で脱炭素投資が停滞している隙に、中国はクリーンテックで覇権を握ろうとしている。再エネの圧倒的な強化に加えて、さらに原子力の新設も圧倒的なスピードで進めようとしている。このペースだと、2030年には中国が原子力でもアメリカを抜く予測だ。アメリカだけでなく、中国の動向もしっかり追っていかないといけない。

    ・世界的に原子力は再評価されており、エネルギー危機や脱炭素の必要性が背景となり、米欧や日本、台湾で再稼働・拡大の動きが進んでいる。
    ・発電量ベースでは米国が世界最大で、中国が2位、フランスは3位だが電力構成比では最も原子力依存度が高い。
    ・中国は現在60基を運転し約30基以上を建設中で、世界の建設中原発の約半数を占めるため、圧倒的な拡大フェーズに入っている。
    ・中国の原子力発電量は2025年に488TWhへ増加し前年比37TWh増となり、このペースが続けば2030年までに米国を上回る可能性が高い。
    ・米国も原子力復活を目指し政策支援を強めているが、大規模新設は進んでおらず、今後の成長は中国主導で加速する可能性がある。

    【1】世界初「宇宙太陽光発電」で地上に電気供給 JAXA、マイクロ波で

    昔からずっと話がでている宇宙太陽光。非常にワクワクする話だが、宇宙太陽光は地上とは異なり天候に左右されないため、地上と比べて5倍の発電効率をもつ。これをまずはJAXAや宇宙システム開発利用推進機構(JSS)が26年度に宇宙で創った電気を地上に送る実証実験を行うもの。米国のカリフォルニア工科大学が2023年に宇宙の衛星から地上にマイクロ波を送る実験に成功しているが、JAXAも同様に小型衛星を高度450kmの軌道に打ち上げ、電気をマイクロ波に変えて、国内・地上の狙った場所にマイクロ波を送るというプロジェクト。名前は「OHISAMAプロジェクト」。

    2050年までに発電用の大型衛星を打ち上げて、つくった電力の60%を地上にマイクロ波で送って供給することで、原子力1基分の電力を供給できる目論見だ。衛星の建設費には1兆2000億円の金額がかかる見込みだが、1kWhの発電コストは地上と同様の7-10円/kWhに抑えられるとの話もでており、実現性も徐々に増している。

    宇宙太陽光×宇宙データセンターの構想もあるし、宇宙を使ったビジネスモデルも今後長期で繁栄していく中で、今はまだまだ黎明期。こういった領域にも資本力は必要だが大きなビジネスチャンスが沢山眠っている。アメリカだけでなく、日本の官民連携でしっかりと追従していくことに期待だ。

    ・JAXAは2026年度にも小型衛星からマイクロ波で地上に電力を送る世界初の実証実験を実施予定
    ・宇宙太陽光は天候に左右されず地上の約5倍の発電効率を持つとされ、安定電源として期待されている
    ・将来的には静止軌道に大型発電衛星を配置し、原発1基相当の100万kW規模の電力供給を目指す
    ・実現には大型構造物の宇宙建設や打ち上げコスト、送電効率、電波規制など多くの課題が残る
    ・各国も開発を加速しており、宇宙太陽光は電力確保と宇宙覇権の両面で競争領域となっている

    ◾️最後に
    アスエネは、AI脱炭素クラウド事業で大企業とサプライチェーンを中心に30,000社以上のグループ企業導入実績を有する日本・アジアNo.1のClimate AIのメガスタートアップです。

    今後もこの産業に本気で向き合う仲間や連携パートナーを増やし、世界のエネルギー・脱炭素・AIの巨大な産業と市場の記事や魅力を定期的に発信していきます。是非「いいね」や「フォロー」で応援いただけると、とても励みになります!✨️

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