メインコンテンツへスキップ
見出し画像

お買い物はやっぱり軽井沢ざんしょ

    自分はファッションセンスという概念からは遠く離れたところにいて、何を着ても似合うような天性のルックスにも恵まれず、七難隠す若さもとっくの昔に失った。こういうのが近場で普通に入手できる無難な服を着ていては、単に年を取った透明人間になってしまう。自意識だけは過剰なので、もう少し面白い服はないのか、とジェネリックでない服を探そうとすると、行き着く先はセカンドストリートなどで売っている古着である。実際、古着は有り難い。買える値段でそこそこ名の通ったブランドのやつも含む多様な服が手に入るし、安いものはタダ同然に安く、万が一失敗しても経済的・精神的・環境的なダメージが新品よりずっと低い。着るものが必要ならば古着屋に行っておけばまず無駄足にはならない。ただ最初に書いたようにセンスはないので、本当に似合ってるのかどうかは自分にはわからない。

    大学受験中の息子は来週末に大事な面接がある。高校3年生になってそれまでの理系指向から方向転換してデザイン系の大学を志望しており、払い続けてきた学習塾代は全部どぶに捨てる形になったが、本人は小学生時代から好きでやってきたことが入試に生かせるようなので嬉しいだろう。iPadで何やら3Dの設計図を描いたり、3Dプリンタで出力したNゲージみたいなものに塗装をしたりと、子供の頃からやっている遊びの延長にしか見えないことをしているが、将来はビッグなデザイナーになってこの土地の郷土史に名を残したいようである。おうおうがんばれ。まずは大学に受かることだ。先日受けた一次選考には無事に通って、まずは面接に臨む資格ができたことがわかったので、それなりの格好をさせなければならない。息子の通う高校に制服はない。一般的な大学と違ってデザイン系なので、無難できちっとしているだけでは先方もアーティストだからインパクトが薄いだろうと、もう少しクリエイティブそうに見える良い服を、ということになった。そうすると近場の紳士服店やイオンモールなどでは心許ないので、もうワンランク上のお店が集まるところに行かねばならない。それだけのために東京まで出るのも大変なので、もう少し近場で準東京みたいなところに行くことにした。軽井沢のアウトレットモールである。

    画像
    画像

    最後にここに行ったのはコロナ禍よりも前の時期だったから、もう7~8年は経っていると思うけど、たしかに後々まで愛用できる良いものが買えたのである。こういうパッとした場所に出るのも本当に久しぶりのことで、場所柄見るからに富裕な層の人々も多い。自分などはまったくの場違いなので、どんな顔をして歩いたらいいのかもよくわからず、キラキラとした飼い主に連れられてドッグランで走り回るわんこさんたちを見て「この犬どもめ……」と見たままのことをつぶやくぐらいしかできない。最初に入ったいくつかのお店では、自分には普通の品物との違いが見分けられないジャケットに当然のように40万円台の値札が付いているのを見て、回れ右するしかなかった。それでも3つ目ぐらいに入ったお店ではまあ安心できる値札でそれなりに良いものが買えそうだったので、ほっとする。店員さんにも服選びのアドバイスをもらい、その人が選んでくれたジャケットの1つと、それに合わせるシャツを試着した息子を見て、納得の上で買うことができた。ほどなく別のお店で靴も買えた。これらを合計すると労働者層にはなかなかの出費になったけど、覚悟の上である。意外とすんなり買うものが決まって安堵した。車で2時間半かけて軽井沢まで出てきた甲斐があった。

    画像

    モール内を歩く買い物客たちは、近所でいつも見かける地元民とは明らかに違って、品川ナンバーの高級外車から「いかにも」としか表現できない出で立ちのカップルが降りてきたり、頭からつま先までいわゆるゴスロリファッションで固めた女子2人組が土産物屋さんにいたりして、いやはや世の中には色々な人がいるものだなあ……とぼんやり観察するしかなかった。こういう人々も東京にいれば都市の猥雑さに埋没するのかもしれないけど、ここは自宅と地続き感のある避暑地だから余計に異次元なのだろう。自宅よりさらに標高が150メートルほど高く、夕方が近づくと若干冷えてきた。旧軽井沢にも寄りたかったので、用事を済ませたらそそくさとモールを後にした。今回は自分のものは何一つ買っていない。

    画像
    一部加工済み
    画像
    幼少期に見たアニメのミツバチキャラの記憶が呼び起こされ、何をあきらめないのかも気になる
    画像
    紅葉が始まっていた

    昭和の高級避暑地の残り香がぷんぷんする旧軽銀座を少しだけ散歩。日が暮れかかっていよいよ寒くなってきて、慣れない場所に出てくたびれたので、その辺の喫茶店で一休み。

    画像
    画像

    特に有名な老舗というわけでもなさそうな、いい場所にあったからぱっと入っただけのお店だったけど、久々に大変おいしいマンデリンをいただいた。さすが軽井沢、喫茶レベルは高いらしい。かつてはジョンとヨーコも頻繁に訪れていたという軽井沢、半年に一度ぐらいは遊びに来るのも楽しいな、と思いつつ帰路へ。しかしアウトレットモールで雑多な都会っぽさに当てられてからの夜に山越えルートで2時間半はだるく、帰宅したらぐったり疲れた。やはり5年に一度ぐらいがちょうどいいのかもしれない。

    あなたへのおすすめ