
焼鮭だしたら白ごはんに鮭フレークかけて食べ出した旦那
先日の夕飯は焼鮭だった。
鮭を焼いた。
以上。
……ではない。
まず、冷蔵庫を開ける。
何を作ろうか考える。
子どもは何を食べるか。
旦那は何なら文句を言わないか。
昨日は肉だったから今日は魚にしよう。
そうだ、鮭にしよう。
そうやって献立を決めて、鮭を焼く。
ちゃんと焼く。
皮はパリパリ、身はふっくら。
そして食卓に出す。
「はい、鮭。」
妻としての任務完了。
ところが。
旦那、焼鮭を箸で取る。
……と思ったら。
冷蔵庫を開ける。
何かを探している。
嫌な予感。
そして取り出したもの。
鮭フレーク。
……。
…………。
は?
いや、待って。
目の前。
見えてる?
鮭あるよ???
しかも焼きたて。
あなたのために焼いた鮭。
なのに、なぜ今ここで鮭フレーク?
そして旦那。
何のためらいもなく、
白ごはんに鮭フレークをON。
さらに食べる。
「うん、うまい。」
いや、
知らんがな。
私は思わず聞いた。
「なんで鮭フレークかけるの?」
すると旦那。
「鮭フレークも食べたかったから。」
……。
なるほど。
そういうことね。
焼鮭を食べたかったんじゃない。
鮭フレークも食べたかった。
いや、待て。
さらに腹が立つのが、
旦那は全然悪びれていない。
むしろ満足そう。
焼鮭を横に置きながら、
鮭フレークごはんを食べている。
鮭の二刀流。
何なの?
鮭の食べ比べ?
「本日のテーマは鮭です」
じゃないんよ。
私は心の中で思った。
その鮭フレーク、私が買ってきたんだけど。
そして、
その焼鮭、私が焼いたんだけど。
さらに、
その白ごはん、私が炊いたんだけど。
……。
なんだろう。
料理を作る側って、こういう小さなことで地味に傷つく。
別に、
「鮭フレークを食べるな!」
と言っているわけじゃない。
ただ、
今じゃない。
それだけ。
目の前に焼鮭がある日の鮭フレーク。
それは、
「今日はラーメン食べたい」
と言いながら、妻が作ったチャーハンを目の前にしてカップラーメンを食べるのと同じくらい、
「え、私の存在は?」
となる。
そして一番腹が立つのは、
これを本人に言っても、
「そんなに怒ること?」
って顔をするところ。
違う。
鮭フレークだけの話じゃない。
日々の積み重ねなんだよ。
妻は献立を考えている。
買い物もする。
作る。
片付ける。
その中で、
「家族がおいしいって食べてくれたらいいな」
と思っている。
それなのに、
焼鮭を出した瞬間に鮭フレークを出される。
……。
もう一度言わせてほしい。
鮭、あるよ?
しかも、
焼いたよ?
そして旦那は今日も何も知らず、
「鮭フレークうまい」
と言っている。
私は心の中で、
「明日は自分で焼いてください」
とつぶやいた。
たぶん明日には忘れる。
でも私は覚えている。
こういう小さなことを、
妻は意外とずっと覚えているのである。