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お題 待つ時間【シロクマ文芸部】

    待つ時間。
    小さいころから好きだった。

    それは、
    今も変わらない。

    ***
    保育園で母のお迎えを「待つ時間」

    一人、またひとりと友達がいなくなる。
    ぽつんと残った部屋で、母を想い、描いた似顔絵。

    一色が、二色になり、
    画用紙がカラフルに色づく。
    見上げた母の顔も。

    卒園する頃には、どの色のクレヨンも、どんぐりのようになっていたの。

    ***
    大学の合格発表を「待つ時間」

    半分の確信と、半分の不安が混じり合い、
    冷たく震えた手を包んでくれた父。

    私以上に父の方がそわそわして、
    番号を見つけたときは、大喜びしてくれたね。

    初めて父の涙をみたよ。

    ***
    あなたの返事を「待つ時間」

    真面目なあなたは、私との未来を、先の先まで考えてくれたね。
    怪我をしたら。
    病気になったら。
    つらくなったら。
    そのどれにも「僕が支える」って言ってくれた。

    覚えてる?
    「私が、あなたを幸せにするのよ」
    って言ったら、
    あなたは真っ赤になって、夕日のせいにしたのよ。

    ***
    この子と出会えることを「待つ時間」

    お腹をぽん、と蹴るたびに、この子を感じた。
    まだかな、
    まだかな。
    って、毎日思ってたのよ。

    可愛い洋服も、
    おもちゃも。
    青かな、ピンクかな、って迷うたび、おそろいの物が増えちゃって、
    私たちの世界は、この子が中心になることが幸せだったの。

    ***
    また、あなたに会えることを「待つ時間」

    さみしそうな顔は、もう、しなくていいのよ。
    だって、私は幸せだもの。

    あなたは、人生をこれでもか、ってくらい楽しんで。
    早紀と、その子どもと、たくさんの思い出を作って。

    それで、
    もう十分だ、って思ったら、
    また会いましょう。

    そのときは、たくさん話を聞かせて。

    私は「待つ時間」が好きなんだから。

    もっと、
    もっと、
    ゆっくり楽しませてね。



    #シロクマ文芸部
    「待つ時間」に参加させていただきました🐻

     
     
    40代、会社員。 変化のない日々に、漠然とした不安……何か始めたいと模索中。余暇は読書と語学学習。YouTube(ゲーム実況)を見るのも好きです。 日々、感じたこと。ふと思いついた物語。 そのとき書きたいものを、気ままに書いていきます。

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