
プレミアムフライデーのファトラジー揚げ
れんこんの穴が九つ
司会者の眉毛が焦げていく
契約農家はギロギロ目
あの噂は下拵えが終わっている
生産者は三杯酢
肉だねに混ざって謝罪する
卵を擦ると青身が飛び出す
紙粘土とチョコレートが泣いて喜ぶ
はさみ揚げが六枚から十二枚に増えて、四枚に減った
みな誰かの目を持つ
コンロはとうに宇宙になり
蕎麦粉がその星座を数える
伝統芸能の茜色
空から落ちて歯科医になる
マトリョーシカの中間管理職
箱ごと消費されていく
玄関のチャイム
残り油という名の夕焼け
ボウルの底で
「助けて」
そんなものはない、よく探したらあった
残念だよ
炊き込みご飯が衣
太陽をくるんでいく
三百六十五日と三百六十六日
避難口で好き勝手
テロップの中の裁判官
れんこんの穴は閉じた
アシスタントの微笑みが裂ける
憂う歳の最後の一枚
鼻から耳からも街からも
司会者の薫製音が続く
また箱を開けている自分がいた
「お前に来週はない」
一文が焼け残る
Happy premium friday to you.

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