
土佐赤岡絵金祭りに行ってきた話
幕末期に土佐藩で活躍した弘瀬金蔵と言う浮世絵師が居た。
芝居絵の屏風や祭りで飾る絵馬・提灯などを多数描き、地元では「絵金さん」と呼ばれ、現在でも親しまれている。
近年絵金の作品は県外でも注目されており、近々サントリー美術館でも企画展が開催されるそうだ。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2025_4/
香南市赤岡では毎年7月に「絵金祭り」が開催されている。
通りに並ぶ家の軒下に絵金が描いた屏風が飾られ、蝋燭の灯りで鑑賞するというお祭りだ。
移住して来た翌年に一度訪れたことがあるのだが、今年2年ぶりに再び行ってきた。
土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の赤岡駅で下車し、5分程歩くと会場となっているエリアに到着する。とりあえずお腹が空いていたので赤岡町名物のニラ焼きそばを頂いた。
赤岡には絵金の作品を常時展示している「絵金蔵」という施設がある。以前訪れた時は見ていなかったので、まずそちらを見ることにした。



建物の中で幾つかのエリアに分かれており、なかなかのボリュームだった。じっくり見ていると最後のエリアの始めの方で閉館時刻となってしまう。自宅からそれほど遠くないので、また改めてゆっくりと伺うことにした。
外に出るとすっかり日も落ちていた。いよいよ屏風絵が飾られている通りへ向かう。


この芝居絵屏風展示でおすすめしたいポイントが一つある。それぞれの屏風に描かれている芝居の場面について、ボランティアガイドさんが説明してくれるのだ。知識が無くなんとなく見ているよりも、そこに描かれているストーリーが分かった方が遥かに面白い。蝋燭の灯りだけの薄暗い中で説明書きがやや見づらいこともあり、このガイドさんの説明があると非常に有難いのだ。寧ろこの説明を楽しみに見に行っているまである。

地元の方々が説明役を担っているのかと思っていたら、最近は近隣の大学の生徒さんや、募集で集めたボランティアの方がやっているらしい。いつか機会があれば私もボランティアに参加したいと思った。


写真は撮り損ねてしまったが、同じ場面を描いた河田小龍の手による屏風も展示されていた。河田小龍は一時期絵金に師事していたと言われているが、同じ浮世絵でも力強い絵金の色使いやタッチとは異なる、優美でどこか女性的な雰囲気がある。それぞれの魅力があり、私はどちらも好きな画家だ。
美術館で見る絵金の作品も勿論いいものだが、赤岡の人達やボランティアガイドさんの手によって50年近く続けられている祭りの雰囲気はとても温かく、今もなお絵金が高知の人々に愛されていることが伝わってくる。個人的には高知の夏のイベントの中では一番好きかも知れない。
もし夏の高知を訪れる機会があれば、是非絵金祭りに足を運んでみて欲しい。
