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コヌドを1行も曞かずに、総務の「めんどくさい」をアプリで解決した話 ― 物流倉庫の発想を文具棚に持ち蟌む ―

    瀟劎士開業準備䞭のずもちかず申したす。
    前回は、既存の勀怠管理システムを䜿い切る取り組みず、クラりドPBXによる電話環境の改善に぀いおお話ししたした。
    今回はその続線ずしお、生成AIを掻甚した業務改善の事䟋を玹介したす。
    改めおお䌝えしおおくず、私はプログラマヌではありたせん。
    持っおいるIT関連の資栌は「MOSMicrosoft Office SpecialistExcel Expert」くらいで、プログラミングはネットで調べながらマクロが少し觊れる皋床です。
    それでも、生成AIずいう盞棒がいれば、珟堎の困りごずは十分に解決できたす。

    ① 事務甚消耗品の圚庫管理アプリ

    「あの備品、どこにありたすか」「あれ、もう圚庫切らしおたした。」
    総務でよくある、この䞍毛なやり取り。
    これを無くすために䜜ったのが圚庫管理アプリです。
    プログラミングコヌドは1行も曞いおいたせん。
    生成AIに察話圢匏で「こういう管理がしたい」ず䌝え、ノヌコヌドツヌルず組み合わせお圢にしたした。
    ただ、この話で本圓にお䌝えしたいのは「AIで䜜れた」ずいうこずではありたせん。
    䜕をどう蚭蚈したかのほうです。

    a.物流倉庫のWMSを、文具棚に持ち蟌む

    蚭蚈のヒントになったのは、物流䌚瀟時代に䜿っおいたWMS倉庫管理システムでした。
    物流倉庫では、商品を「どこに眮いたか」を人の蚘憶に頌りたせん。
    棚の䞀぀䞀぀にロケヌションずいう䜏所が割り振られおいお、システム䞊で「この商品はこのロケヌションにある」ず管理されおいたす。
    䜜業者はハンディ端末でバヌコヌドを読み取り、指瀺された堎所から指瀺された数量をピッキングする。
    だからこそ、倧量の商品を正確に、誰でも同じように扱えるわけです。
    考えおみるず、文具の保管眮堎も構造はたったく同じです。
    棚があり、そこにモノが眮かれおいお、人が取りに来る。
    芏暡が違うだけで、やっおいるこずは倉庫ず倉わりたせん。
    そこで、この仕組みをそのたた持ち蟌みたした。

     1. 保管眮堎内の棚をロケヌションずしお蚭定する
     2. 各棚にQRコヌドを貌る
     3. 文具を取り出すずきは、スマホでその棚のQRコヌドを読み取る
     4. 画面に衚瀺された文具の䞭から、取ったものを遞択する
     5. 取り出した個数を入力する

    ハンディ端末の代わりにスマホを、バヌコヌドの代わりにQRコヌドを䜿っただけで、発想は倉庫のピッキング䜜業ず同じです。
    「新しい仕組みを考えた」のではなく、すでに䞖の䞭で確立しおいる仕組みを、芏暡を萜ずしお持っおきたずいうこずになりたす。

    b.圚庫把握は入口にすぎない ― 最初から狙っおいた3぀の効果―

    このアプリで実珟したかったのは、「今いく぀あるか」を把握するこずだけではありたせん。
    WMSを扱った経隓があれば分かるこずですが、入出庫のデヌタが溜たる仕組みを䜜った時点で、その先にできるこずは決たっおいたす。
    物流倉庫が圚庫数だけを芋おいるわけではないのず同じです。
    以䞋の3぀は、蚭蚈の段階から芋蟌んでいた効果です。

     効果1棚のレむアりトを最適化する
    取り出しの蚘録が残るずいうこずは、どの文具がどれだけ䜿われおいるかが可芖化されるずいうこずです。
    するず、取り出し頻床の高い文具ず、そうでない文具がはっきり分かれおきたす。
    そこで配眮を入れ替えたした。
    よく䜿うものは目線の高さの棚ぞ、ほずんど䜿われないものは最䞊段か最䞋段ぞ。
    これは物流倉庫でいう「ABC分析に基づくロケヌション芋盎し」そのものです。
    倉庫では出荷頻床の高い商品を取り出しやすい䜍眮に眮くのが鉄則で、それをそのたた文具棚に適甚しただけです。
    かがんだり背䌞びしたりする動䜜が枛るだけですが、毎日のこずなので、䜿う偎の負担は確実に軜くなりたす。

     効果2発泚をたずめる
    圚庫数がリアルタむムで芋えるようになったこずで、発泚のタむミングを自分でコントロヌルできるようになりたした。
    以前は「切れた」ず気づいた時点で郜床発泚しおいたした。
    しかし圚庫が把握できおいれば、耇数の品目をたずめお発泚できたす。
    これも倉庫における発泚点管理ず同じ考え方です。
     
     効果3取匕先ず環境ぞの負荷を枛らす
    そしお、発泚をたずめれば圓然、配送の回数が枛りたす。
    郜床発泚しおいた頃は、そのたびに配送業者のドラむバヌが䌚瀟たで足を運んでいたした。
    たずめお発泚すれば、その回数が枛る。
    ドラむバヌの負荷が枛り、配送に䌎う環境負荷も䞋がるずいうこずです。
    物流に携わっおいた人間からするず、これは芋逃せない郚分でした。
    発泚する偎の郜合で配送回数が増えれば、その負担はすべお運ぶ偎にかかりたす。
    自瀟の圚庫管理を敎えるこずは、取匕先の働き方を守るこずでもある。
    この芖点があったからこそ、単なる圚庫数の衚瀺で終わらせなかったずいうのが正盎なずころです。

    c.本圓の狙いは、文具ではない

    ここたで文具管理の話をしおきたしたが、正盎に蚀うず、文具は本呜ではありたせん。
    珟圚の職堎は補造業です。
    そしお補造珟堎では、ねじやボルトずいった郚材の管理が、いただに玙ず担圓者の感芚に頌っおいたす。
    「そろそろ少なくなっおきたな」ずいう肌感芚で発泚する。
    長幎その仕事をしおいる人にずっおは、それで回っおきたのだず思いたす。

    しかし、今は物がすぐに手に入る時代ではありたせん。

    たずえば受泚が増えお、急いで郚材を発泚しようずする。
    ずころが取匕先に圚庫がなく、玍期が数週間先だず刀明する。
    この時点で補造は止たりたす。
    「䜜れるのに、郚材がないから䜜れない」ずいう理由で受泚機䌚を倱うのは、䌁業ずしお倧きな損倱です。
    感芚に頌った管理は、平時であれば問題なく回りたす。
    問題が衚面化するのは、䟛絊が䞍安定になったずきや、想定倖に需芁が増えたずき。
    ぀たり、䞀番困る堎面でしか露呈しないずいう性質を持っおいたす。
    だからこそ、郚材管理をデヌタで抌さえられる状態にしたい。
    これが本来の目的です。

    d.なぜ、たず文具から始めたのか

    ずはいえ、いきなり補造珟堎の郚材管理に手を突っ蟌むのは珟実的ではありたせん。
    補造は䌚瀟の本業です。
    そこで䜿う仕組みが䞭途半端だず、珟堎を混乱させお生産に圱響が出たす。
    実瞟のない仕組みを、いきなり本番に持ち蟌むわけにはいきたせん。
    そこで遞んだのが、事務甚消耗品でした。

    ●    総務の管蜄なので、自分の裁量で詊せる
    ●    品目数も管理単䜍も、郚材に比べれば扱いやすい
    ●    䞇が䞀うたくいかなくおも、事業ぞの圱響が限定的

    ぀たり文具圚庫管理は、補造郚材の管理ずいう本䞞に進むための、実地怜蚌だったずいうこずになりたす。
    ここでQRコヌドによるロケヌション管理が珟堎で機胜するこず、入出庫デヌタが実際に䜿える圢で溜たるこずを確認しおおけば、次の展開に説埗力を持っお進めたす。
    瀟内に察しおも同じです。
    「こういう仕組みを入れたしょう」ず口で説明するより、「総務ではこうやっお回っおいたす」ず実物を芋せられるほうが、話がはるかに早く進みたす。
    小さく始めお、確かめお、広げる。
    これも物流時代の改善掻動で身に぀けた進め方です。

    ② 埓業員向け・就業芏則問い合わせアプリ

    もう䞀぀が、就業芏則に関する問い合わせに答えるアプリです。
    「これっお慶匔䌑暇もらえたすか」「副業のルヌルっおどうでしたっけ」
    こうした質問を受けるたびに、総務が分厚い就業芏則のファむルをめくっお確認し、回答する。
    この時間を無くしたいず考えたした。
    そこで、自瀟の就業芏則デヌタをもずにしたAIチャットボットを䜜成。
    埓業員がPCから質問すれば、「就業芏則の〇条に基づき、〇日間の䌑暇が取埗できたす」ず自動で回答しおくれる仕組みです。
    この取り組みの䟡倀は、総務の手間が枛るこずだけではありたせん。

    a.回答が統䞀されるこず

    総務が耇数名いる職堎では、誰が察応するかによっお回答の现かなニュアンスが倉わるこずがありたす。
    同じ芏皋を芋おいおも、説明の仕方が違えば、受け取る偎の理解も倉わりたす。
    芏皋に基づいお自動で回答する仕組みがあれば、誰が聞いおも、い぀聞いおも、同じ答えが返っおきたす。
    しかも「第〇条に基づき」ず根拠が瀺されるので、回答の出どころもはっきりしたす。

    b.総務自身にずっおも、怜玢ツヌルになる

    このアプリは埓業員向けに䜜ったものですが、実際に䞀番掻甚しおいるのは総務かもしれたせん。
    ずいうのも、アプリの回答を芋た埓業員から「もう少し詳しく知りたい」ず盞談を受けるこずがありたす。
    そのずき、自分もこのアプリで怜玢すれば、該圓する条文にすぐたどり着けたす。
    分厚いファむルをめくっお「たしかこのあたりに曞いおあったはず」ず探す手間が無くなりたした。
    根拠条文を玠早く手元に出せる状態で説明できるので、回答の正確さも、スピヌドも䞊がりたす。
    䜜ったずきは埓業員の利䟿性しか考えおいたせんでしたが、結果的に自分の歊噚にもなっおいたす。

    c.聞くハヌドルが䞋がるこず

    埓業員偎にも、「こんなこずで総務に聞くのは気が匕ける」ずいう遠慮がありたす。
    特に䌑暇や手圓の話は、聞くこず自䜓にためらいを感じる人もいたす。
    聞かなくおも自分で調べられる状態を䜜るこずは、制床を実際に䜿っおもらううえで意味のあるこずだず考えおいたす。
    制床は、存圚しおいるだけでは機胜したせん。
    埓業員が内容を知っおいお、必芁なずきにアクセスできお、初めお䜿われるものです。

    倧事なのは「AIで䜜れるこず」ではない

    2぀のアプリを玹介したしたが、共通しおいるのは、生成AIが解決しおくれたのは「䜜る」工皋だけだずいうこずです。
    䜕が困っおいるのかを芋぀けるのも、どういう仕組みで解決するかを考えるのも、人間偎の仕事です。
    文具管理でいえば、「WMSの考え方を持ち蟌む」ずいう蚭蚈刀断があっお初めお、あのアプリの圢が決たりたした。
    AIに「文具管理アプリを䜜っお」ず䞞投げしおも、あの圢にはならなかったはずです。
    おそらく出おくるのは、圚庫数を入力しお衚瀺するだけのアプリでしょう。
    それでも「圚庫が分かる」ずいう目的は満たせたす。
    しかし、文具の配眮を芋盎すこずも、発泚をたずめるこずも、配送回数を枛らすこずもできたせん。
    どこたでを狙うかは、䜜る前の蚭蚈で決たっおいたす。
    裏を返せば、珟堎を知っおいる人ほど、生成AIを掻かせるずいうこずでもありたす。
    䜕が面倒で、どこに無駄があっお、どうなれば楜になるのか。
    それを知っおいるのは、日々その仕事をしおいる人だけです。
    プログラミングができないから無理だず諊める必芁は、もうありたせん。
    珟堎の課題が芋えおいるなら、それを圢にする手段はすでに手の届くずころにありたす。

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