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月を連れて帰った日|シロクマ文芸部「月をみる」

    月を見る。

    月が好き。
    満月を見上げると
    周りの雑多な音たちも消えてしまうくらい
    私と月の静かな時間になる。

    その時間がたまらなく好き。

    「おうちにも浮かべたいな」

    街をぶらぶらしていたら

    花屋で黄色くて丸い花をみつけた。
    「あ。月。」
    かわいくて、つい買ってしまった。

    二千八百円。

    花、高くなったなぁって思った。

    それでも家に帰って飾ってみたら、
    部屋の中に小さな月が二つ浮かんだ。

    なんでもない一日だったけど、
    部屋に花があるだけで、ちょっと嬉しい。

    二千八百円の月。

    まあ、いいか。



    小牧幸助さん企画に参加させていただきました。
    ・シロクマ文芸部
    ・お題「月を見る」

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    日々の暮らしの中で、誰も気付かないやさしい“ものの声”を拾い上げ、言葉として届けています。風や草花、古いものや看板のささやき、そんな世界の片隅の物語を、読んだ人が“生きててよかった”と感じられるような文章で綴ります。

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