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Photo bysuama_monaka15

「世の中は“不平等”という平等で成り立っている」【96歳おばあの呟き】

    そうだよ、あんたも分かってるね。

    この世の中は何も平等じゃない、


    むしろ「不平等」だらけさ。



    ばあちゃんがそう思ったのは、結構早かったよ。

    だって、そもそも生まれた瞬間、「よーいドン」の場所からして全員が違うじゃないか。

    家が裕福な子もいれば、その日の食べるものに困る子もいる。 足が速い子、勉強がよくできる子がいれば、その一方ではどれだけ努力しても、体が弱くて思うように動けない人だっている。

    前にも言ったけどねぇ、努力すれば、それが必ず報われるということはない。
    努力しても報われない人はごまんといるし、大して努力もしないのに、するすると階段を登っていく人もいる。

    ばあちゃんもね、そりゃ「なんであの子だけ」とか「どうして私ばかり」って、空を見上げて神様を睨みつけてやったことが何度もあるもんさ。

    人は生まれながらに不平等。

    生まれた時からねぇ、人は「自分の手札」を持ってくるのさ。トランプのようにね。

    そうなると当然、自分の手札はハートやスペード、エースからキングまで色んな種類になる。
    それは人によって違う。持ってる枚数もね。

    まずここで一つ勘違いするのが、「手札が多いと有利」「数字が高いと強い」という考えが生まれてしまうこと。
    そうするともう「不平等」を感じてしまうねぇ。

    でも待ちな。
    そのカードか強いか弱いかなんて、誰も決めていないんだよ。

    「自分の手札が弱い」と決めたのは、あんた自身さ──。



    この世界には、「52枚全てを持ってる人間」なんて絶対にいないよ。必ず持っていないカードがある。誰しもがね。

    ある意味、そこだけが唯一の「平等」かもしれない。

    だから大事なのはねぇ、隣の人の手札を覗き込んで「いいな」と羨むことじゃない。

    今、自分の手の中にあるハートのA、クローバーの7、ジョーカー、なんでもいい。その自分の手札をどう使って遊ぶか。

    それこそが最も重要で、

    その“カードの切り方”が自分の人生になるのさ。

    不平等だからこそ、自分だけの「工夫」と「個性」が生まれる。
    お金がないなら、得るように知恵を絞る。
    才能がないから、人と違う才能を見つける。
    辛い思いをしたから、誰かに優しくなれる。

    そうやって必死に考えて、もがいて出した答えこそが、あんたの「味」になるんだよ。

    ないものねだりは時間の無駄。

    だから自分が持ってる手札で、自分だけの役を揃えな。
    それこそが、不平等に勝てる唯一の方法だよ。

    それに案外ね、人の幸せの「合計」は同じかもしれないよ?

    あの子はあんなに輝いて見える。
    あいつはあんなに楽しそうに成功している。

    だけど実際、人の心の奥底までなんて、誰も見えないもんさ。

    大きな光を浴びている人には、それだけ深い影が落ちていたりするし、 何もかも持っているように見える人が、誰にも言えない孤独に震えていることもある。

    ばあちゃんもそういう人を何人も見た。

    他人と比べて「平等じゃない」「幸せじゃない」と嘆くのは、根本的に比べ方がズレてんのさ。
    平等はないし、幸せっちゅーのはね、「他人との比較の先には、絶対に落ちていない」んだよ。

    世の中が平等じゃないと言うと、なんだかネガティブに聞こえるだろう。

    でもねぇ、それは裏を返せば、「あんたは誰かのようにならなくていい」ってことでもある。

    立派な成功者の真似をしなくていい。
    皆と同じペースで歩かなくていい。

    だって元からこの世界、人間は全員不平等なんだから、ただあんたはあんたのやり方で、あんたの歩幅で生きていけばいいだけじゃないか。

    例え自分の手札がどうしようもなく使えないものでも、
    そん時は神様がくれたその手札を見ながら、 「よくもこんな使えないもんをくれたねぇ(笑)」って、神様に余裕ある態度で笑い返してやりな。

    そんで、神様にその自分の手札を見せびらかせながら、こう言ってやるのさ。

    「ほら、あんたが配ったこんなカードでも、私はこれだけ面白い役(豊かな人生)を揃えてやったよ」


    ってねぇ。

    間違ってもあんただけじゃないよ。この世に不平等を感じているのは。

    皆がちゃんと、不平等を感じてるのさ。

    そうだよ。

    皆がちゃんと、平等にね。


    最後に、ばあちゃんから一言

    世の中は不平等。

    それは冷たいようだけど、逆を言えば、あんたが「誰かの代わり」じゃないっちゅー証拠でもある。

    人と比べて、自分を卑下しちゃいけない。

    配られたカードが何であれ、それをどう愛でて、どう使い切るか。

    その歩みこそが、あんたという人間を一番輝かせるんだよ。

    不公平なこの世界で、あんたが今日まで懸命に生きてきたことを、ばあちゃんは分かってる。だから自信を持ちな。

    それでももし自信を失ったら、そん時はまたここにおいで。

    ばあちゃんが待っててやるから。



     
     
    96歳のおばあちゃんの、何気ない独り言や会話を「世界に届ける遺言」として記録に残しているコンテンツ。 96歳のおばあはデジタルに弱いので、ライターである孫が執筆しております。 読んだ人の気持ちが、少しだけ温かくなりますように。

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