
娘の“好き”に負けた日。アクシーズファムで財布がゆるんだ話
見るだけのつもりだった父と、好奇心旺盛な娘
土曜の朝、「今日はどうする?」と娘に聞いたら、元気な声で「アベイル行きたい!」という返事が返ってきた。
小学4年生くらいから、自分で服を選ぶようになった娘。この時期って、自己主張や個性が芽生えてくる時期らしく、友だちやSNSの影響もあって、服装にもどんどんこだわりが出てくるものらしい。最近の娘は、しまむらグループのアベイルにハマっていて、地雷系が好きだと聞いていた。
地雷系!?と驚いたものの、調べてみればファッションのジャンルのひとつ。とはいえ、父としてはちょっと疑問が残っていた。「本当に地雷系が好きなのかな?」「もっと好みに合うものを知らないだけじゃないか?」
そんなとき、ふと思い出したブランドがあった。
クラシカルでガーリー、ヨーロッパのアンティーク感ただよう世界観の──アクシーズファム。筆者(父)が昔から「これ、いいなぁ」と感じていたブランド。
娘にも、もしかしたら刺さるんじゃないか?
「前に話したアクシーズファム、行ってみる?」と提案してみたら、思いのほか食いつきがよくて、「行きたい!」と即答。
どうやら妻からも「アクシーズファム、好きそう」と言われていたらしく、すでにネットで調べて気になっていたらしい。心の中で「やっぱり!」とフフッとなる父。
とはいえ、最近は服飾費をどうルール化するか悩んでいた時期だったこともあり、「今日はパパ、買わない予定だけど平気?」と念押しすると、「平気!」と快諾。
よし。見るだけ。あくまで見るだけ。
近場にはもう店舗がなくて、少し遠出にはなったけれど、車で1時間かけてアクシーズファムの入っている商業施設へ出発した。
アクシーズファムに出会った瞬間
お店に着くと、娘の目がキラキラと輝いた。
言葉がなくても分かる。表情で、目線で、もう十分すぎるほど伝わってくる。完全に“ハマった”って顔だ。
店内の世界観は、昔と変わらず圧巻だった。木の風合いのハンガー、落ち着いた装飾、クラシカルで繊細なデザインの服たち──
娘が夢中になって服を手に取る姿を、少し距離をとって見守る。サイズの確認や、店員さんへの声かけは、ちょっと苦手な娘に代わって父がサポート。
「連れてきてよかったなぁ」と、しみじみ思った。
娘がいくつか気になる服を見つけたようなので、店員さんに相談して試着室へ。
妻に送るために、娘が笑顔でポーズを決めた姿を写真におさめた。SNSに載せない約束で。
妻からの返信も、思わず笑みがこぼれるような一言だった。
見るだけのはずが、気づけば…
お店に入ったのは10時40分ごろ。気づけばもう11時半。
1時間以上、店を出ていない。
昼時が近づき、混み始めるフードコートをよそに、娘はまだ真剣なまなざしで服を見つめている。
(お腹、減ったなぁ……)
それでも、こんなにも夢中になっている娘を見ていると、空腹も忘れそうになる。
“見るだけ”の予定で連れてきたけれど、こんなに気に入ってくれたなら──
ふと、「初めてのアクシーズファム記念に、一着だけ買ってあげようかな」と思った。
商業施設ではキャンペーン中で、買い物金額に応じて抽選券がもらえるらしい。謎の確信で「なんか当たりそう」とまで思っていた。
「パパから発表があります。アクシーズファムをすごく気に入ってくれたから、6000円前後なら特別にパパ出資します!」
そう伝えると、娘は大喜びでガッツポーズ。「ヨッシャァ!」と叫んだ。
最終的に娘が選んだのは、いつものテイストとはちょっと違う、暖色系のワンピース。
そして、筆者からの“おまけ”として、娘が気に入っていたベルトも一緒に。
……結果、1万円オーバー。
まぁ、いいか。思い出はプライスレス、ってことで。
連れてきてよかった、心からそう思った
お会計を終え、満足げな娘とともに退店。
抽選券は見事に全部ハズレ。でも、得たものはそれ以上に大きかった。
家で待つ妻へのお土産は、「ご機嫌ウキウキのかわいい娘」。
今回の出来事は、単なる“買い物”ではなかった。
筆者がかつて「素敵だな」と感じていた世界観に、娘も惹かれてくれた。
自分の“好き”と娘の“好き”が重なった、数少ない瞬間。
服を通じて、感性が繋がった感覚。
娘が「これ、かわいい」と言って試着室から出てきたときの笑顔。
「ヨッシャァ!」と小声で叫んだときの、あの目の輝き。
その全部が、何にも代えがたい宝物になった。
みなさんも、お子さんと“感性が重なった瞬間”、ありますか?
そんなエピソードがあったら、ぜひ教えてください。