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【速報】映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』初日舞台挨拶へ。締切18時間前に引き寄せられた日


    2月19日の午後。

    私は、2月23日発売のKindle新刊『コンサート鑑賞手帳』の最終原稿を追い込んでいた。

    予約販売を設定していたため、翌朝8時59分までにAmazonへデータ登録と出版申請を完了させなければならない。締切まで、残り18時間。

    正直、余裕はなかった。

    そんなとき、オンラインサロンの友人からメッセージが届いた。

    明日の午前中、映画を観に行きませんか。初日の舞台挨拶つきです、と。

    作品名を見た瞬間、手が止まった。

    『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』。

    しかも、初日舞台挨拶にはブーニン本人が登壇するという。

    学生時代、みんなで憧れた、あのブーニン。

    ショパンコンクール優勝のニュースに沸き、レコードをレンタル店で借りてカセットテープに録音し、ラジカセで何度も何度も聴いた。

    お金はなかったけれど、あの音だけは手元に置いておきたかった。

    名前を口にするだけで胸が高鳴った存在。

    その人が、いま同じ空間に立つ。

    あの頃、ラジカセでブーニンを聴いていた自分が、そのまま隣に立っているような気がした。

    単なる映画鑑賞ではなかった。

    誘ってくれた彼女は、私が2021年のショパンコンクールをリアルタイムで追いかけていたことを知っている。

    その時間が、『ショパンコンクール鑑賞手帳2025』の出版につながっていることも。

    だからこそ、今回の映画の話題で私を思い出してくれたのだろう。

    でも、いま私が新刊『コンサート鑑賞手帳』を制作中で、原稿の締切18時間前に追い込まれていることまでは、彼女は知らなかった。

    ショパンコンクールの配信を、寝不足になりながら追い続けたあの日々。

    演奏順や感想を書き留め、ただ観るだけでは足りないと思った時間。

    記録したい。残したい。

    その積み重ねが、鑑賞手帳という形になった。

    点は、いくつも打たれていたのだと思う。

    そしてこの日。

    その点が、一本の線になった気がした。

    本の締切は18時間後。

    映画に行けば、作業時間はさらに削られる。

    迷いはあった。

    それでも私は、チケットを購入した。

    これは偶然ではない。

    そう感じたからだ。

    そこからは徹夜だった。

    朝5時30分、出版申請完了。

    2月23日発売に間に合った。

    出かけるまでに眠れる時間は45分。

    ほとんど眠れないまま、新宿へ向かった。

    会場は、109シネマズプレミアム新宿。

    坂本龍一さんが音響監修を手がけた、日本でも屈指の音響環境を誇る劇場だ。

    革張りのリクライニングシート。

    専用ラウンジではポップコーンとソフトドリンクがインクルーシブ。

    映画を「観る」というより、「音を聴く」ための空間。

    実は、この劇場に来るのは2回目だった。

    昨年2025年9月、映画『ピアノフォルテ』を観るために、初めて足を運んだ。

    ショパン国際ピアノコンクール2021を追ったドキュメンタリー。

    反田恭平さんが2位、小林愛実さんが4位に入賞して、話題になったときのものだ。

    当時は、リアルタイムでコンクールを追いかけていた。

    普段はわざわざ新宿まで出ない私が、このドキュメンタリー映画では、音響を体験したくてこの劇場を選んだ。

    そして今日。

    ショパンコンクール優勝者スタニスラフ・ブーニンを描いた映画の初日舞台挨拶。

    あのコンクールを追いかけた映画と、その歴史を象徴するピアニストの物語。

    同じ劇場で、続きの章を読むような感覚だった。

    実は、前回この劇場に来たのは、著書『ショパンコンクール鑑賞手帳2025』を発売したタイミングだった。

    そして今回も、新刊『コンサート鑑賞手帳』の発売直前。

    偶然といえば偶然だ。

    でも、音楽を追いかけてきた時間と、自分の本づくりのタイミングが、なぜか重なっている。

    あとから振り返ると、不思議な一致だと思う。

    最近、流れがつながりすぎている。

    今月、私は反田恭平さんのショパン《ピアノ協奏曲第2番》弾き振り公演を客席で聴いたばかりだ。

    ピアニストでありながら指揮も務める、あの特別な舞台。

    そのときの体験も、客席前方からの視点でnoteに記録している。
    そのときの記事はこちら。


    その余韻がまだ心に残っているうちに、今度はブーニンの物語。

    点だった出来事が、ようやく一本の線になったようだった。

    コンサートや映画は、ただ観るものではない。

    よく聞く話だけれど、予備知識があると「あの場面はそういう意味だったのか」と気づけて、もっと知りたくなるし、楽しさが増すという。

    今回、私はまさにそれを体感した。

    ショパンコンクールをリアルタイムで追いかけていた時間。

    反田恭平さんの演奏を客席で聴いた記憶。

    鑑賞の記録を書き続けてきたこと。

    それらが重なったとき、映画の中の一言が、自分のこれまでの時間と結びついて聞こえてきた。

    ああ、ここにつながっていたのか。

    そう思う瞬間が、確かにあった。

    偶然に見える出来事も、自分が追いかけてきた時間の延長線上に現れることがある。

    私は、ブーニンに引き寄せられたのだと思う。


    この続きは、こちらの記事へ。


    ※今回締切を抱えていた新刊『コンサート鑑賞手帳』は、2026年2月23日に発売いたしました。鑑賞の記録を残したい方のための一冊としてまとめたものです。
    ※Kindle版は閲覧のみ可能です。書き込んで使いたい方はペーパーバック版をご利用ください。


    あの頃、ブーニンをどんな環境で聴いていましたか。
    レコードでしたか。ラジカセでしたか。

    ※映画の詳細や上映情報は、こちらの公式サイトをご覧ください。


    ※この記事にはAmazonアソシエイト(アフィリエイト)リンクが含まれます

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