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好きなことで十分だ。

    昨日、パンチくんへバースデーカードを発送した。市川市動植物園で暮らしているニホンザルの赤ちゃん。今月、1歳の誕生日を迎える。いつだって春は心がざわざわするけど、今年の春はいつもと違うざわざわが押し寄せた。かわいいパンチくんの姿を見ると、ざわざわが少しやわらいだ。

    バースデーカードを贈ると決めてから、カードやシールを買いに行き、文章を考え、シールの配置を考え、かわいいカードになるようにと夢中になった。何かに夢中になるのは、久しぶりだった。パンチくんを知って、好きになったら、意欲まで湧いた。

    ずっと趣味がほしかった。一時期まで旅行が趣味だと思っていたけど、どこかに行かなければできない趣味は、もろいと知った。どこかに行かなくてもできること、夢中になれるものがほしかった。

    姉の家に遊びに行った時。姉は、仕事から帰るとお気に入りのカップにお茶を入れて、お菓子を食べながら録画していたドラマを観始めた。夕食の準備をする前に、ほっと一息つく。義理の兄は、寝る前の時間、隠れ家のようなスペースで、プラモデルを作っていた。塗装したり、加工したり。好きなことで1日を締めくくる。

    世の中の大人は、こうしてどこかへ出かけたりしなくても、自分の機嫌の取り方を知っていて、日々すごしているのだと思った。もちろん、ときどき旅行に行ったり、ちょっとしたおでかけをしたり、大きな気分転換もしている。

    あのころのわたしにとって、旅行は趣味ではなかった。そこにいたくなくて、次から次へと予定を入れた。夜勤明けで仮眠も取らず旅へと向かう。月1回では済まず、2回、3回と遠くをめざす。遠ければ遠いほど、よかった。それがよかったかどうかはわからないけど、わたしの気持ちを維持するためには必要だった。

    料理も手芸もアートも、自分で何かを作ることは好きじゃない。こつこつ続けて完成させる、きらきらしたことを趣味にはできない。だけど、パンチくんに手紙を書いたら、学生の頃から何かをデコレーションしたりするのは、好きだったと思い出した。

    趣味って、本当は人に言わなくてもいい。人に言うための「いかにも」なことじゃなくていいから、自分の機嫌を取る、わくわくすることをいくつか見つけようと思う。趣味というから、ややこしくなる。好きなことで十分だ。

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    もやっとすることも、くすっと笑えるように。 進むためにした転職で、思いがけず立ち止まる。 前を向いたり、下を向いたり。 進むたびにつまづくけど、 いまのわたしでできることを、ひとつずつ。 そんな日々の記録です。

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