メインコンテンツへスキップ
見出し画像

【ファンタジー】ケンとメリーの不思議な絆#37

     ✅ケンとメリーの不思議な絆の目次へのリンク


    第六章 時の流れと共に


    おばあちゃんとの対面

    「私はあの子と話をするから、ケン、あなたは決して話をしてはダメよ。これまであなたが隣に住んでいてくれて本当によかったわ。ありがとう。そして、さようなら。ひと足先に天国にいってるわね」

    「お、おばさん。気をつけて」

     メリーの母親は深呼吸を一度してからケンの家を出て、喜び勇んで表にいる青年のケンにいきなり話しかけた。妖精も後を追って飛んで行った。

    「あなたはメリーの息子ね」

     その声が聞こえた瞬間に、表にいたケンの目の前に老女が姿を現した。

    「えっ、はい、そうです。あなたはだれですか。どこから現れたのですか」

    「私は、あなたのおばあちゃんよ。死んでしまってるけど、ここに今までいたの。あなたに会えたことでやっと天国に行けるわ。メリーは誰と結婚したの。あなたのお父さんは誰かしら」

    「僕の父は、日本人でキヨシという人です。お父さんの大切だった友達の名前を僕に付けたと言ってました」

    「そうなのね。そのお父さんのお友達の家がここよ。ケンというの。あなたと同じね。二十年くらい前に、近くの谷に落ちて亡くなったそうよ。私の家のお隣さんでとってもいい人よ。メリーを助けてくれた人よ」

    「えっ、そうだったんだ。なんかすごい複雑だけど、おばあちゃんに会えてよかった。すごい興奮してるよ、僕。お母さんを呼んでくるから待ってて」

    「あっ、ケン。行かないで。それは無理なのよ」

    「えっ、どうして。だってお母さんも絶対おばあちゃんに逢いたいはずだよ」

    「そうね、でもね、もうすぐ私は消えてしまうわ。生きている人と話をしたら消えて天国にいく運命なの。だから、ケン、あなたから伝えてね。メリーに愛していると伝えて。そして、あなたのお父さんのお友達も亡くなってここにいることを伝えてね。最後に孫の顔まで見れて幸せな人生だったわ。神様は最後にあなたをここに呼んでくれたのね。よかった、あなたに会えて。あー、そろそろお迎えが来たようだわ。さようなら、ケン。お母さんとお父さんを大切にしてね」

    「おばあちゃん、おばあちゃん。まって、おばあちゃん、まだ行かないで~」

    つづく


    🌿【照葉の小説】短編以上の小説集
    🌿【照葉の小説】ショートショート集


    ☆ ☆ ☆
    いつも読んでいただきありがとうございます。
    「てりは」のnoteへ初めての方は、以下もどうぞ。

    🌿松浦照葉の販売中の電子書籍一覧
    🌿松浦照葉のプロフィール
    🌿松浦照葉の毎日更新掲示板

    #短編 #中編 #小説 #ファンタジー #創作 #ワイン #ケンとメリー

    あなたへのおすすめ