「ねえ、お祭りに行こうよ」
「夕方まで……なら……」
「えー、夜の花火も一緒に見たいのに……
門限なの?祭りの日だけ何とかならないの?」
「……違う……けど」
「なら、行こうよ……だめ?」
……
私は月を見るのが嫌い……
月を見るたびに思い出してしまう……
あの辛い日々を……
あの孤独な世界を……
だから、私は月を見るのが嫌い……
だから、夜は……
――
「ここからなら、よく見えるんじゃない?」
「うん、そうかも……」
私は月を見るのが嫌い。
でも、はしゃぐ浴衣姿の彼女を見ているとなんだか……
「……つ、月が……き、綺麗ですね……」
「うん!天気もバッチリだね!」
……嗚呼、もうこのまま新月になれ!