
端午の節句を「寿ぐ」小物たち
桜が満開の季節。
頭上に咲く桜に目を奪われがちな毎日にも、足元を見れば土筆が顔をだしていたり、スギナの緑が地面を鮮やかに彩ってくれています。ひな祭りとはうって変わり、「緑」がテーマカラーとなるのが端午の節句。徐々に近づいて来ています。
今回は、端午の節句を彩ってくれる面白い飾りたちをご紹介します。
▢出来たてホヤホヤ。初出しの「玩具尽くし三宝」


本日、完成しました。
江戸時代に端午の節句に登場した「玩具」を描いた三宝です。
「鯛車」「菖蒲太刀」「首馬(くびうま)」「鐙(あぶみ)」など、江戸時代から明治期にかけてお子様が遊んでいた道具を、寺院彩色師さんに描いてもらいました。
ちまきや柏餅など、お節句行事にかかせないお供えものを飾る道具として製作しました。昔話にも花が咲く一品です。
▢菖蒲太刀(しょうぶたち)

「菖蒲太刀」は、かつて子供たちが菖蒲の葉を束にして遊んでいたことから派生した飾りです。菖蒲の葉を束にすると先端が広がることから、このような形状になったと聞いています。「末広がり」な縁起物です。
昔のものでは、床屋さんのトリコロールのような色を彩色したものが多いのですが、こちらは金箔を押し、豪華に製作してみました。
▢小さな柏餅とチマキ

こちらも私が作っています。
ちくちく
ぬいぬい
かわいいでしょ。
お節句(節供)の語源は、「節の日のお供えもの」です。ちまきや柏餅は欠かせません。これらの生菓子が販売されるのは4月以降ですので、それまではこうした飾り物で代用します。
▢卓上の鯉のぼりとか張子とか

卓上で飾れる鯉のぼりの飾り。
当方でデザインをアレンジし、東京の職人に製作してもらっているものです。タペストリー部分には名古屋の「有松絞り」を使用しています。
手前に飾っている小さな張子(はりこ)なども、お節句を楽しませてくれます。
右は「八女の張子」の虎です。虎は「千里を往き、千里を帰る」と言われます。「活発さ」や「親子愛」の象徴でもあり、厄除けの意味も持ちます。
左は「ほぼはりこ」さんの積み重ね式の鯉飾りです。こちらも、ほぼはりこさんと二人でアイデアを出し合って製作していただきました。とても可愛らしく、人気です。
▢博多人形の金太郎や鍾馗(しょうき)さん


博多人形で、手のひらに乗るサイズの五月人形もあります。
情けない顔をした熊に乗った、わんぱくな金太郎。
長い髭に手を当てて何か考えている鍾馗さん(疫病除けと学問の神様です)。

まだまだ、たくさん。
たくさんの飾り物が端午の節句を待っています。
その全てが、お子様の成長を祈る縁起物です。


▢どう飾るかは、お客様の自由です。
山ほどたくさんの職人たちが、お子様の初節句にむけ、楽しく、面白く、色んなものを作ってくれています。その中には「文化を知ってもらえたら嬉しい」という気持ちもあることと思います。
手作りのものはネットショップには多く出品されません。五月人形のカタログにも載らず、AIでも紹介されません。
それでもそれでも。
お子様とご家族様が、楽しく遊んで下さるのを待っています。

