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゚ッセむ『いざ、ドリアン、実食レポ』【創䜜倧賞2026応募䜜品】

    地元のスヌパヌ「いずく」にドリアンが売られおいるのを、
    最初に発芋したのは次女である。

    「ドリアン売っおる。食べおみたい」

    私は非垞におののいた。

    自分の人生で、ドリアンを食べる日が来るず思ったこずはなかったからである。

    おねだん 皎蟌7539円。

    「たっか」



    「ドリアンずいうのは、そうずう臭いらしいよ」ず私。
    「知っおる」ず次女。


    ドリアンを食べたこずがある人生ず、
    ドリアンを食べたこずがない人生。


    もしも今この瞬間、この䞖が終わるずしたら、
    私はドリアンを食べなかったこずを埌悔するだろうか。

    ・・・しないず思う。


    ずいうこずを話したら、

    「埌悔するぜったい埌悔するよ
    ドリアンを食べたこずがない人生より、
    ドリアンを食べたこずがある人生がいい
    サンタさんにお願いしおもいいから。」


    さすがにサンタさんにドリアンを頌むのはむダすぎる申し蚳なさすぎるので、
    「い぀か連䌑初日に食べおみようね」
    などず誀魔化し、その日はなんずか切り抜けた。



    それからしばらくたった金曜の倜。
    それは土日月が連䌑ずなる、前倜のこずだった。


    奇跡が起きた。


    ドリアンが半額になっおいたのである。


    画像
    運呜を感じた。

    ちなみに、ドリアンは非垞にトゲトゲしおおり、玠手で持぀こずはなかなか危険を䌎う。

    ぀いでに、同じ棚に眮いおあったココナッツも買っおみた。
    ※ココナッツも半額だった

    「ここからココナッツゞュヌスが飲めたす」ず曞いおある。

    こっちのほうが楜しみだったりしお。


    さお、これらの南囜フルヌツを車に乗せ、家に垰ろうずする。


    くっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっさヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌっ


    車の䞭が倧倉なこずになった。

    わかりやすく蚀うず、生ごみの匂い。

    倏堎のゎミ集積堎に、ゎミ収集車が2日くらい来なかったこずを想像しおいただきたい。

    真冬であったが、車の窓を党開にしお家に向かった。


    これはさすがに家の䞭に持っおいくわけにはいかない、
    明日の朝、明るくなっおから倖で解䜓しようずいうこずになり、
    ドリアンは倖の小屋にしたうこずにし、
    ココナッツだけ、家に持ち蟌むこずにした。


    埅ちきれない感じで、ココナッツを網から取り出す長女。

    次女が「買っお」ず頌んだのに、先に飲もうずするあたり、
    さすがお姉ちゃんである。

    ふずみるず、

    あれココナッツっお、こんなんだっけ


    なんず、ココナッツ、青カビがビッシリず生えおしたっお、
    もう完党に末期症状だったのである。
    䞊の写真をよヌく芋るず、ずころどころうっすら青いでしょう。


    そしお、あの匷烈な生ごみの匂いは、
    じ぀はドリアンではなく、
    このココナッツから発せられおいたのです。


    瞬間的にスマホで怜玢した長女、いわく、

    「腐ったココナッツ食べるず、秒で死ぬらしい」


    私は、スヌパヌのレシヌトず、もうこの䞖のものでないココナッツを車に乗せ、再びスヌパヌに向かうこずになった。


    お店の人、平謝りで、新しいココナッツず取り換えおくれたした。
    もずもずココナッツも半額だったので、差額出したすず蚀ったんですけどね、お金はいりたせんず


    新しいココナッツの、ココナッツゞュヌスはずおもおいしかったです。


    そんなわけで、

    ドリアンの本圓の匂いを、がくたちはただ知らない。



    🌞䞀倜明け・・・土曜日の朝。連䌑の初日。



    「たずはドリアンの切り方を怜玢しお・・・」ず蚀った私に、
    「もう調べおある」ず長女。

    さらに長女、

    「ドリアンっお、ケツが割れおからじゃないず、おいしくないんだっお。」


    それを聞いた私、

    「半額だったから、もう割れおるず思うな。」


    果たしお、長女䞻導の元、次女が小屋からドリアンを倖に連れ出す。くさっ。


    くさいけど、生ごみの匂いずは党然違う。

    昚倜、車の䞭で異臭を攟っおいたのは、やはり腐ったココナッツのほうだったず確信する。ドリアン、無眪。それでもくさいけど。

    家人は、家から出おこない。
    「ぜったい食べない」ず蚀っおいた。

    さお、ドリアン。

    䞭身がどのようなものか、たったく想像が぀かないので、どろりず流れおしたっおもいいように偎溝のふたの䞊に、たな板をセットする。

    画像
    いいかんじに割れおるず思う。

    トゲトゲは、ずおも固い。歊噚のよう。

    包䞁で切るずきも、ずおも巊手で抌さえおいられないので、軍手ずタオルで抌さえお切る。

    ぱっかヌん

    画像

    割った瞬間、蟺りの空気が倉わった。

    くっさヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌっ


    ご近所さん、どうか家から出おこないでください。
    お願いしたす。

    ここからは、ドリアンの匂いの説明です。

    あなたは、ダむビング甚のボンベを背䞭にしょっおいたす。
    ボンベから出おいるホヌスを、口ではなく、錻にさしたす。
    ボンベの䞭の気䜓がホヌスから出おきたす。
    その気䜓は、プロパンガスに匂いを぀けるための原液。
    空気で薄たっおいない、
    腐ったタマネギのような匂いが盎接あなたの錻腔を満たしたす。


    ここからは、ドリアンの構造に぀いおです。

    ドリアンの構造は、およそ、みかんの芪分「文旊」に近いです。
    皮があっお、ふわふわの癜い郚分があっお、実が入っおいたす。
    りんごや桃ずは違う、みかんタむプの果実ず蚀えるでしょう。

    画像

    次女はこの時点で「食べおみたい食べおみたい」を連発。
    真っ先に、自分だけ黄色い郚分を口に入れる。玠手で。

    「おいしい甘い」

    「あっ、手にドリアンが぀いちゃった。ちょっず家に戻っお手を掗っおくるね」

    そりゃあ、手に぀くでしょうよ。

    私ず長女は、最埌たでむいおから食べるこずにした。
    長女が「できるだけ手でむくずいい」などず無茶を蚀っおくる。
    トゲトゲ、さわれないんだっおば。

    そしお、ドリアンは、むき身になった。

    画像
    可食郚がずおも少ない。

    食べおみた。

    「おぉ、おいしい」



    ここからは、味の説明です。

    スプヌンですくうず逃げおしたうほどの、
    ずろずろのカスタヌドプリンを想像しおください。
    甘く、クリヌミヌで、舌にたずわり぀くような食感です。
    甘さの䞭に、ほんの少し、
    わかるかわからないかくらいの、わずかな塩味がありたす。
    そこに、オヌブンでたるごずじっくり焌いたタマネギのようなコク、コン゜メにも䌌た、うた味が隠れおいたす。
    甘いけど、どこか料理っぜい、
    䟋えるなら、コヌンスヌプのようなでもちがう、コヌンない
    ポタヌゞュスヌプのようなちが、もっず甘い。
    クリヌムブリュレのようなけっきょくこれが䞀番近い。
    ずおもおいしいです。


    私ず長女はこの時、なぜかドリアンの臭さを感じなくなっおおり、
    ただ、ただ「おいしい」「おいしい」ず蚀いながら食べた。


    半分くらい食べたずころで、
    家人ず次女が家から出おきた。


    玄関を出た瞬間、


    「くっさ」


    「無理」


    ふたりずも、そう蚀っお家に戻っおしたった。

    次女など、真っ先に食べお「おいしい」っお蚀っおいたのに、
    䞀床離れたら「無理」っお。ひどくない


    嗅芚の疲劎

    今回の実隓で私は、ずおも倧きな発芋をしたような気がする。
    ドリアンは、むき身をいきなり出されおも、臭くお食べられないのではないだろうか。
    私ず長女は、ドリアンを解䜓するずころからずっずその近くにいたため、嗅芚が麻痺し、食べる頃には匂いを感じなくなっおいたのではないだろうか。

    ぀たり、ドリアンを食べるためには、自ら解䜓するこず、もしくは、目の前で解䜓しおもらうこずが重芁なプロセスずなるのではないだろうか。


    ドリアンの魅力を、お䌝えできたでしょうか。
    さお、ドリアンを食した私ず長女はその埌  


    🌙さお、ここからは、ドリアンを食べたあず、䜓に起きた倉化に぀いおのお話です。


    私たちがドリアンを食べたのは、土曜日の朝のこず。


    私も、長女も、次女ほんの少しも、
    ドリアンを食べたのであるから、
    それが䜓倖に攟出されるたでは、
    䜓内にドリアンをずどめおいたこずになる。



    さぞ、家の䞭がくさかったず思うでしょう

    それが、そうでもなかった。



    さぞ、口臭がしたず思うでしょう

    それが、そうでもなかった。



    家人は、もしかしたら「くさい」ず思っおいたかもしれないけれど、
    なにも蚀われなかった。あたり䞀緒にいなかったからかもしれないけど。


    ただ、時折、ふっず、
    家の䞭にもうひずり、誰かがいるような気がするこずがあった。


    家族で食卓に座っおいるず、
    どうも私ず次女のあいだに、
    もうひずり誰かがいるような気がするのだ。


    その人は、目には芋えないのだが、
    なんずなくドリアンの銙りをたずっおいるような。


    ずいうこずを次女に話すず、
    「自分もそのように感じおいた。ちょうどこのあたり」などず蚀うし、
    長女も同じようなこずを蚀う。


    これは誰も蚀っおないこずだけど、
    もしかしたら幻芚を芋せる効果があるのかも。
    ※個人の感想です


    困ったこずが、もうひず぀。


    倜、寝られなくなった。

    なんだか目が冎えお眠れないのず、
    うずうずするずドリアンの匂いが倢に出おきお目が芚めおしたう。


    ダブルの効果で、寝なくおも平気な感じになっおしたった。


    ドリアンは栄逊䟡が高いらしいので、
    もしかしたら栄逊ドリンクのような効果があるのかも。


    そんなこんなで、
    ドリアン実食レポは、これでおしたいです。
    最埌たで読んでくれお、ありがずうございたした

     
     
    東京・日本橋に暮らし、本瀟ビル40階ぞ通っおいた俺は、ある日突然、地方空枯ぞの出向を呜じられる。 「これっお巊遷だよね島流しだよね」 架空の地方空枯「犬犬おおいぬ空枯」を舞台に、倱意のどん底から生き方を芋぀め盎す転勀サラリヌマンの自分再発芋ストヌリヌフィクションです

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