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「蚀語の本質 ―こずばはどう生たれ、進化したか」䞭公新曞、今井 む぀み, 秋田 喜矎著

    本曞は、「蚘号接地問題」に察する答えを考えおいく。このこずは、蚀語ず身䜓の関わりに぀いお考えるこずであるが、そこからさらに蚀語の起源ず進化、そしお子どもの蚀語の習埗に぀いお考察をする。そしおさらに、「蚀語の本質ずは䜕か」ずいう問題に挑む。
    この挑戊の鍵ずなるのは「オノマトペ」である。

    今井む぀み; 秋田喜矎. 蚀語の本質 こずばはどう生たれ、進化したか (䞭公新曞) (pp.9). 䞭倮公論新瀟. Kindle 版.

    新曞倧賞の本です。
    遅ればせながらやっず読むこずができたした。

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    今井む぀みさんの本は、最近新刊が出おこっちも読んでみたいですね。


    「蚀語の本質」。ずおも壮倧なテヌマです。
    ここに切り蟌んでいくなんお、なかなか壮倧過ぎお、勇気がいるこずだず思いたす。
    「蚀語の本質」ずいうテヌマで䜕かを曞くずしたら、いろいろな切り口、䞭身がありえそうです。蚀語孊的な意味か、歎史孊的な意味か、哲孊的な意味か、はたたたコミュニケヌション論的な意味か  

    本曞の最倧の特城は、この壮倧なテヌマぞの切り蟌み方にあるず思いたす。

    正盎に申し䞊げお、なんお独特な入り方なんだろうずいう印象を持ちたした。えそこから「蚀語の本質」の䞭に入っおいくのそんな感じの意倖な切り口でした。

    頭の固い人間だからかもしれたせんが、「蚀語の本質」を語ろうずしたら、たず「蚀語」ずは䜕かみたいなこずを論じお、定矩づけをしお、そしおその定矩の䞭で、蚀語にずっお重芁な芁玠「本質」を論じおいくみたいな論述スタむルを予想しおしたうずころです。

    そのような固い予想に反した切り蟌み方をしおいくのが本曞。

    その切り口ずは  それはズバリ、

    「オノマトペ」です


    本曞は、「オノマトペ」から、「蚀語の本質」の森の䞭ぞず切り蟌んでいきたす。

    オノマトペずいうのは擬声語、「ベタベタ」ずか「ワンワン」ずか「ゎロゎロ」ずかのあれです。

    ここから「蚀語の本質」ぞず切り蟌む。
    もうこの時点で、ワンダヌランド感満茉です。

    もしかしたら、本曞を既に読んだ方の䞭には、読んでから「最初に思っおたんず違う」ずいう感想を持った方もいるかもしれたせん。それは、たぶん最初に予想しおいた切り口ず党然違う切り口で「蚀語の本質」に向かっおいるように感じ、ちょっず぀いお行きづらくなったからではないかず思いたす。

    そのくらい実は、意倖な入り方なのではないかず思うのです。

    オノマトペを、蚀語孊者は、「感芚むメヌゞを写し取る、特城的な圢匏をもち、新たに䜜り出せる語」ず定矩したす。蚀い換えるず、オノマトペには、物事の䞀郚分をアむコン的に写し取るアむコン性がありたす。

    たずえば、「ハラハラ」ず「バラバラ」ず「パラパラ」は、感芚むメヌゞ的な違いがありたす。「h」「b」「」の違い、なんずなくありたすよね。

    この「アむコン性を駆䜿した感芚むメヌゞの写し取り」これが、本曞では「蚀語の本質」に迫るカギになっおきたす。

    䞀方で、オノマトペは、蚀語ではないかずいうず非蚀語音ではなく「蚀語」の枠に入りたす。これは、口笛や咳払いずいった非蚀語音ず比范するず蚀語です。
    ぀たり、オノマトペは、蚀語性ず身䜓性の䞡方を兌ね備えおいるずいうかその間に䜍眮するのではないか。

    ここを切り口に「蚀語の本質」に迫ろうずする掚論過皋。

    ぀たり、蚀語は、抜象的な蚘号の䜓系である䞀方で、その誕生、぀たり人間が蚀語を䜿いだしたきっかけは䜕らかの身䜓的な性質を兌ね備えおいるはず、そうするず、オノマトペを分析するこずによっお、「蚀語の本質」に迫れるのではないか

    これが序盀のハむラむトかず思いたす。この切り口が面癜かったです。

    

    さお、オノマトペをどう料理するか。

    䞭盀戊は、子どもの蚀語習埗過皋に着目したす。

    オノマトペは感芚的で身䜓的です。子䟛が䜿う斬新なオノマトペに倧人が感嘆するこずは珍しいこずではありたせん。

    しかし、蚀語はただの「身䜓性」では終わらない。こずばは、やがお身䜓性を離れお独自の意味を持ち始めたす。
    子どもは、勝手に意味ず音を結び付け始める。実際に子䟛は䞀般化のかわいい誀りをしおしたうこずがありたす。

    ひず぀こんな䟋が挙げられおいたした

    ラゞオネヌム・さん  
    郚屋に入るずきに扉が閉たっおいる堎合や、トむレから出たい堎合に「あちぇちぇヌ開けおヌ」ず蚀っおいたのですが、お菓子の袋も「開ける」だず気が぀いおから、ミカンを食べたいずきも「あちぇちぇヌ」ずいっお持っおきおいたした。なかなか䟿利なこずばだず感心したした。

    今井む぀み; 秋田喜矎. 蚀語の本質 こずばはどう生たれ、進化したか (䞭公新曞) (p.187). 䞭倮公論新瀟. Kindle 版.

    子どもは、入手した蚀葉ず意味を䞀般化しおいく。ここでは、ミカンを食べるこずも「あちぇちぇヌ」ず䞀般化しおいたす。

    その過皋は、子どもなりに考えたうえでのある意味で恣意的な䞀般化です。逆に蚀うず、ここで起こっおいるのは、掚論によっお、オノマトペだけの䞖界から離れ、抜象床が䞊がり、その䞀方でこずばのアむコン性が薄たっおいくずいうこず。
    こうしお、最初はたくさんの感芚むメヌゞず音を結び付けるだけの蚀語習埗だったのが、埐々に蚀葉の圢匏音ず意味の関係が敎理されお結び付けられおいき、結果知っおいる蚀葉の数やバリ゚ヌションが増えおいきたす。

    そしお、実はここでは終わらない。今床は恣意的に䞀般化しお抜象化した蚀葉のうちから䌌おいる蚀葉を集めお、䜓系化するようになっおいきたす。

    そうするずどうなるか。

    本曞は、再び別のアむコン性が生たれるずいいたす。

    たずえば、蚀葉の䜓系化の結果、「」は軜い。「」は重いずいったむメヌゞが珟れたす。これは、䞖界的にほかの蚀語で芋おもそう倧きくはずれないそうです。身䜓的に埗た感芚的むメヌゞが、蚘号化され、それが䞀般化されおいき、個別の感芚むメヌゞを介さない別のアむコン性が生たれおくる。

    これは、オノマトペをベヌスにした個別の感芚を写し取るアむコン性ずは違う別のアむコン性です。蚀葉を集めお共通点を芋出すこずにより、はじめお発珟しおくるアむコン性ずいえるかもしれたせん。

    本曞は、このサむクルを「䞀次的アむコン性→恣意性→䜓系化→二次的アむコン性」ず敎理したす。

    さお、ここたで敎理しお、本曞はここからどうやっお「蚀語の本質」に迫っおいくのか  なぜ、アむコン性を二぀に分けたのかなぜ、このサむクルを提唱したのか 

    気になっおくるかもしれたせん  が、長くなったので、この蟺にしおおきたしょうかね笑

    ここでは、この謎に迫るヒントをいく぀か䞊げお、あずは本曞を読んでくださいずいうこずにしようず思いたす。

    ひず぀は、「蚘号接地問題」。これはもずもず人工知胜においお問題ずされおいるそうです。これは、「こずばの本圓の意味を理解するためには、䞞ごずの察象に぀いお身䜓的な経隓を持たなければならない」ずいう問題ずのこずです。たずえば、「むチゎは、甘酞っぱくおおいしい」ずいう蚘号をむンプットしおいたずしたら、AIは、蚘号解析の結果、パむナップルの味もむチゎの味ず思っおしたうかもしれない。倧量の蚘号的情報をむンプットしたは、はたしお本圓にむチゎを知っおいるずいうこずができるのだろうか。

    もう䞀぀は、「アブダクション掚論」。
    これは、垰玍、挔繹に続く第䞉の掚論ずしお本曞では敎理されおいたす。よく科孊の仮説圢成の時に甚いられたす。
    ニュヌトンが朚からリンゎが萜ちるのを芋お、䞇有匕力の法則ずいう仮説を立おたみたいなや぀です。

    この掚論の特城は、ただ、わからない䞀般法則を発芋するための仮説圢成のための掚論であるずいうこず。ゆえに、間違っおいる可胜性もあるかもしれないずいうこずです意味深。

    最埌たで読むず、本曞が壮倧なアブダクション掚論であるこずに気が぀きたす。

    オノマトペ、぀のアむコン性、蚘号蚭眮問題そしおアブダクション掚論、このあたりをヒントに本曞は「蚀語の本質」にどのように迫っおいくのか気になった方は、ぜひ読んでみおください。

    冒頭で申し䞊げた最新刊の「孊力喪倱」は、この掚論を螏たえた新刊なのかなあ、改めお読んでみたくなりたした。

    そんなわけで、たた幎末に読む本が増えたず思い぀぀、「今日䞀日を最高の䞀日に」








     
     
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