郡山市内の温浴施設の年齢制限に関する条例改正案
郡山市のみなさんの声の中に以下のような要望がありました。

郡山市には現在温浴施設に入れる年齢制限や身長制限がありません。女児、男児を育てる親にとってどちらも制限が無いというのは今のご時世どうでしょうか?もちろんシングルマザーが男児を育てるにあたって大きなお風呂に行けない!など論争は尽きません。が、逆も然り。父親が男風呂に女児を連れて行く。これも性犯罪につながり得る事実だと当方は考えております。
ここは郡山市が条例を設け、それを一線で食い止める案だと考えております。実際にそれを当方経験しております。温浴施設の使用料を支払っているのにもかかわらず危険を感じて早く出る。いかがなものでしょうか?その点隣県の栃木などは7歳まで(小学生未満)など年齢制限を設けているのに対し、福島県として年齢制限を設けてないというのは時代遅れも甚だしいと言わざるを得ません。至急県なり市なりの条例改正が急務を熱望します。一刻も早く議会での討議を希望いたします。宜しくお願い致します。
今回の要望を条例にするのであれば、単に「男女の混浴を何歳まで認めるか」という年齢制限だけではなく、子どものプライバシーと安全を守り、保護者の事情にも配慮した温浴施設の利用ルールを郡山市として定める条例にすることが適切だと考えます。
特に重要なのは、次の3点です。
異性の浴室への入浴制限:一定年齢以上の子どもが、異性の浴室に入ることを禁止する。
子どもの安全とプライバシーの確保:盗撮、性的な視線、不適切な接触などから子どもを守る。
ひとり親家庭などへの配慮:異性の子どもを育てる保護者が安心して入浴できるよう、家族風呂などの代替手段を整備する。
年齢基準については、国の衛生行政上の指針との整合性を図り、原則として7歳以上を異性の浴室に入れない基準とする案を軸にします。
以下、郡山市議会への条例提案や政策提言に使用できるよう、条例の形式で作成しました。
郡山市公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例(案)
1.条例改正の背景と必要性
まず、今回の要望について重要な事実関係があります。
郡山市は2026年9月の市民意見への回答で、次のように説明しています。
現行の「郡山市公衆浴場法施行条例」には、混浴年齢の制限規定がない。
ただし、厚生労働省の「公衆浴場における衛生等管理要領」に基づき、7歳以上の男女を混浴させないよう施設に指導している。
現時点では条例改正の予定はない。
つまり、郡山市は行政指導によって7歳以上の混浴を制限しているものの、条例に明文化していないということです。
一方、隣接する栃木県では2022年1月から条例上の混浴制限年齢を12歳以上から7歳以上に引き下げています。
したがって、今回の条例改正の目的は、すでに行われている行政指導を条例に明記し、施設営業者の義務として明確化することです。
さらに、次の課題にも対応することを目指します。
子どもが異性の浴室を利用することによるプライバシー上の問題。
子どもが不適切な視線や接触、盗撮等の危険にさらされる可能性。
同伴する保護者と、ほかの利用者双方の安心の確保。
ひとり親家庭や介助を必要とする家庭への配慮。
施設ごとに異なる自主ルールによる利用者の混乱の解消。
2.条例改正案
郡山市公衆浴場法施行条例の一部を改正する条例
令和○年○月○日
郡山市公衆浴場法施行条例(平成24年郡山市条例第49号)の一部を次のように改正する。以下の条文を付け加える。
第1条の2 目的
この条例は、公衆浴場における衛生及び風紀の確保に関し必要な事項を定めるとともに、子どもの安全及びプライバシーを保護し、すべての市民が安心して公衆浴場を利用できる環境を確保することを目的とする。
第5条の2 混浴の制限
郡山市公衆浴場法施行条例第5条に次の規定を加える。
(4)子どもの混浴制限
ア 7歳以上の男女を、同一の浴室又は浴槽に入浴させてはならない。
イ 営業者は、年齢による混浴制限について、利用者が容易に確認できるよう、施設の入口、脱衣場その他見やすい場所に掲示しなければならない。
ウ 営業者は、前号の規定を遵守させるため、必要な従業員の配置、利用者への説明その他適切な措置を講じなければならない。
エ 営業者は、子どもの年齢確認について、必要以上の個人情報を取得することなく、適切な方法により確認するものとする。
第5条の3 子どもの安全及びプライバシーの保護
営業者は、子どもが安心して入浴できる環境を確保するため、次の措置を講じるよう努めなければならない。
浴室及び脱衣場における盗撮その他の不適切な撮影行為を防止すること。
子どもに対する不適切な接触、つきまといその他の迷惑行為を防止すること。
不審な行為を発見した場合に、速やかに対応できる体制を整備すること。
子ども及び保護者が安心して利用できる施設環境を整備すること。
第5条の4 ひとり親家庭等への配慮
営業者は、異性の子どもを養育する保護者、障害その他の事情により介助を必要とする者及びその介助者が安心して入浴できるよう、次の事項に配慮するものとする。
家族風呂、貸切風呂等の利用機会の確保。
利用可能な時間帯や設備に関する情報提供。
介助を必要とする利用者への合理的な配慮。
その他、子ども及び保護者の入浴機会を確保するために必要な措置。
第9条 市の責務
市長は、この条例の目的を達成するため、公衆浴場の営業者に対し、必要な指導及び助言を行うとともに、市民への周知啓発に努めなければならない。
附則
この条例は、公布の日から6か月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
市長は、この条例の施行に当たり、営業者及び市民に対して十分な周知を図るものとする。
3.条例改正に伴う運用上の提案
条例を作るだけでは十分ではありません。実際に施設で守られる仕組みが必要です。
項目
具体的な対応
年齢制限
7歳以上は異性の浴室への入浴禁止
施設の掲示
入口・脱衣場に年齢制限を表示
営業者の責任
従業員による案内と適切な管理
盗撮対策
撮影禁止の明示と通報体制
ひとり親家庭
家族風呂・貸切風呂等の利用案内
市の役割
定期的な施設への指導・周知
4.条例改正に当たって、さらに検討すべき事項
(1)旅館・ホテル・スーパー銭湯も対象にする
今回の条例案で注意しなければならないのは、法律上の施設区分です。
公衆浴場法の対象となる銭湯やスーパー銭湯等と、旅館業法の対象となるホテル・旅館の共同浴室では、適用される法令が異なります。
厚生労働省は旅館業の共同浴室についても、おおむね7歳以上の男女を混浴させないよう管理要領で定めています。
そのため、郡山市には次の2つの条例を一体的に見直すことを提案します。
郡山市公衆浴場法施行条例
旅館業法に関する郡山市の条例・規則
これにより、対象となる施設の範囲を明確にする必要があります。
(2)身長制限ではなく年齢制限を採用する
今回の要望には身長制限もありますが、私は年齢制限を基本とすることを提案します。
身長は成長の個人差が大きく、同じ年齢でも大きく異なります。また、身長だけでは子どものプライバシーや安全を十分に守ることはできません。
7歳以上という明確な基準の方が、施設側にも利用者側にも分かりやすいと考えます。
(3)7歳以上の混浴制限は、性犯罪対策だけではない
今回の条例改正は、特定の性別や保護者を犯罪者扱いするものではありません。
父親が女児を連れて男湯に入る場合も、母親が男児を連れて女湯に入る場合も、同じ基準で扱います。
子ども自身のプライバシーを守ること、ほかの利用者が安心して入浴できること、そして保護者が不安を感じずに施設を利用できることが目的です。
なお、年齢制限だけで盗撮や性犯罪を防止できるわけではないため、施設の防犯対策も併せて強化する必要があります。
5.条例改正の提案理由書
郡山市公衆浴場法施行条例等の改正に関する提案理由書
1.提案の趣旨
子どもの安全及びプライバシーを保護するとともに、すべての市民が安心して温浴施設を利用できる環境を整備するため、公衆浴場及び旅館業の共同浴室における男女の混浴制限年齢を条例に明記することを提案する。
2.提案の背景
現在、郡山市公衆浴場法施行条例には、男女の混浴制限年齢に関する明文規定がない。
郡山市は厚生労働省の衛生等管理要領に基づき、7歳以上の男女を混浴させないよう施設に行政指導を行っているが、条例による明確な義務化には至っていない。
一方、栃木県などでは、男女の混浴制限年齢を7歳以上とする条例改正が実施されている。
3.条例改正の必要性
温浴施設は、年齢や性別を問わず多くの市民が利用する公共性の高い施設である。
しかし、異性の子どもが保護者とともに異性用浴室を利用することについては、子ども本人のプライバシー、他の利用者の安心、安全管理などの観点から、一定の基準が必要である。
また、利用者が不安を感じて入浴を途中で切り上げるような状況は、施設の適正な利用環境という観点からも改善が必要である。
4.改正の具体的内容
(1)7歳以上の男女の混浴を禁止する規定を条例に明記する。
(2)施設営業者に対し、年齢制限の掲示及び適切な管理を義務付ける。
(3)盗撮、不適切な接触等を防止するための安全対策を推進する。
(4)ひとり親家庭や介助を必要とする家庭に対して、家族風呂・貸切風呂等の利用機会の確保及び情報提供に配慮する。
(5)公衆浴場だけでなく、旅館・ホテル等の共同浴室についても同様の基準を設けることを検討する。
5.結論
子どもの安全とプライバシーを守ることは、行政の重要な責務である。
現在の行政指導にとどめるのではなく、条例によって明確な基準を定め、施設営業者と利用者双方が安心できる環境を整備することを求める。
以上
6.郡山市に求める具体的な対応
私としては、条例案を提出するだけでなく、郡山市に以下の対応を求めることが重要だと考えます。
現在の行政指導の実施状況を公表すること。
市内の温浴施設に対する年齢制限の遵守状況を調査すること。
公衆浴場法施行条例の改正案を作成すること。
旅館・ホテル等の共同浴室についても同様の基準を検討すること。
市民や施設営業者の意見を聴取し、議会で審議すること。
特に今回のポイントは、郡山市がすでに7歳以上の混浴を行政指導しているにもかかわらず、条例には明記していないという点です。
行政指導にとどめるのではなく、条例に明文化することで、施設営業者にも利用者にも分かりやすい統一基準を設けるべきです。
なお、条例の最終的な条文番号、罰則の有無、旅館業法関係の改正方法については、郡山市の法務担当及び保健所との法制上の確認が必要です。今回の案は議会での検討に向けた政策条例案です。
参考資料: