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Photo bynoouchi

自己PR

    私は自己PRが苦手だ。

    他者のPRや商品のPRはどちらかといえば得意なのに、自己PRとなった途端、なんて言っていいのかわからなくなる。

    自分が自己PRを苦手だと感じたきっかけは大学入試の面接だ。対策をしなかったわけではない。医学部の面接で一般的に聞かれるであろう「なぜ医師を目指したのか」、「学生時代に頑張ったことは何か」を始めとした医学部面接テンプレートの回答はある程度準備していったつもりだった。

    面接開始早々、3人の面接官のうちの1人がこう言った。

    「まずは3分で自己PRしてください」

    今から思えば、「自己PR」を「自分の長所」と置き換えてーー例えば責任感が強いだとか、真面目だとか、そういったことをーー繋ぎ合わせて話せば良かったのかもしれない。
    しかし、緊張が最高潮なところに「自己PR」という聞き慣れない言葉が出てきて私はパニックになった。

    (まずい、何か、何か言わないと...!)


    「私の名前は(フルネーム)です」

    「そんなもん知っとるわ」というツッコミが頭の中でこだました。

    3分間のスタートをこのバカみたいな一言で始めてしまったせいで、その後に何を言っても何も決まらない。合格が一気に遠のいた気がする。
    マリオカートでアクセルを入れるタイミングをミスってスタートダッシュに失敗するマリオのようだった。アワワワワ〜。

    本当によくこれで受かったものだ。面接が大した点数にならないことがよくわかった。

    その後も自己PRを練習する機会には恵まれず、気がついたら初期研修先を決める面接試験になっていた。

    「私の強みは責任感があるところです」
    「一度やり通すと決めたら最後までやり抜きます」

    誰でも多少はそうであろうということを自己PR内容としなければならない虚しさが心に広がる。

    「あれだけPRしておいて、蓋を開けてみたら全然大したことないじゃないw」

    そう、私はこれが怖いのだ。
    多少自分の強みがあったとて、人様にPRするほど素晴らしいものなのかいつも疑問に思う。

    勉強をとっても、バレエをとっても、その他趣味に至るまで、どこに行っても私の上には上がいる。

    じゃあオンリーワンを目指せればいいという人もいるだろうが、オンリーワンも結局はニッチな世界におけるナンバーワンだということを私は知っている。

    私は凡人なんだ。

    華々しい経歴や実績があれば、PRに装飾ができてよいとは思う。それは事実だから、嘘ではないから。PRというのはその事実を使って、じゃあどうやって面接先の組織に貢献できるかという仮説を伝える場な気がしている。

    その仮説を実現できるかどうかもわからないのに、そんなことをいうのはなんだか詐欺師のようで気が引ける。

    まぁ、こんなことに思いを巡らせたところで、自己PRをする場が今後余程のことじゃない限りないというのも皮肉だが。

    私はやっぱり自己PRが苦手だ。

     
     
    30代内科医🌷外科系夫と娘と3人暮らし。 第1子妊娠中に内科新専門医、産後にサブスペ領域の専門医も取得。noteではリアルな女医の日常や私の考えをシェアしていきます! . 🔗Amazonアソシエイト、楽天アフィリエイト参加中

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